テーマ:政治について(19763)
カテゴリ:政治
サダム・フセイン元イラク大統領の死刑が確定し、今後一ヶ月の間に刑が執行されるのだそうです。
もしかすると、きょう、今の時点でも執行されるかも知れない、という報道もあります。 私は死刑廃止論には立たないので、死刑そのものには反対しませんが、即執行ということになると、どうかなと考えてしまいます。 イラクの現政権としては、混乱を極める現況下でサダム・フセインを生かしておけば、いつイラクに独裁制が復活し、報復により自分たちの命が危うくなるかも知れない、という危機感を持つのかも知れません。 しかし、目の前に北朝鮮という独裁国家が存在する日本としては、フセイン処刑が北朝鮮に与えるマイナスの影響を考えないわけにはいきません。 フセイン処刑が即座に実施されてしまうと、仮に体制崩壊して政権を手放さなければいけなくなった場合に、どうせ極刑に処せられるのであれば、祖国が崩壊しようと世界が崩壊しようと知ったことではない、自分が世界の征服者となりさえすればよいのだ、核兵器による世界破滅を覚悟してでも地獄の底まで軍事独裁体制を強化してやろうではないか、という意識を北朝鮮指導者たちに与えるような気がします。 軍事独裁体制で暴政を奮った、というわけではありませんが、フジモリ元ペルー大統領は政争の前にチリで軟禁状態にあります。 フジモリ大統領がペルーに戻れば、最悪死刑ということもあるのかも知れないし、それこそ、現政権との間で血みどろの内部抗争が始まる危険性があります。 さらには、内部抗争が飛び火して、チリにも悪影響が及ぶかも知れない、ということで、チリ政府の処置はそれなりに意味があるように思います。 英仏がフセインの死刑執行に反対するのであれば、フセインをフランスに亡命させる、というのはあり得ない選択なのでしょうかね? フランスでなくても、何らかの法的措置により、外部との連絡を絶ち身柄を拘束できる状態で、それなりの生活を保障できる国にフセインを亡命させることができれば、現在の北朝鮮指導者を追い詰めて暴発させてしまう危険性を抑えることができるように、私は思います。 拉致問題を抱える日本としては、拉致被害者を危険にさらし、さらには日本国土を危険にさらすような方向性よりも、北朝鮮を平穏に政権交代させて現指導者の生命・生活の保障をするような方向性をもって外交に臨むべきだと思います。 イスラエルがヒズボラから攻撃を受けて報復のためにレバノン侵攻したとき、ちょうど小泉首相がイスラエルを訪問中でした。 あのとき、小泉首相は逃げ出すかのようにロシアのサミットに行ってしまいましたが、本当なら、サミット参加を遅らせてでも、あるいは、サミット自体を延期するような要請をしてでも、イスラエルを説得し、アラブ側の自重を促すような外交活動を行うべきだったと私は思うのです。 サダム・フセインの処遇をめぐっても、回り回って最も大きな影響を受ける日本こそが、世界にメッセージを発信し、諸外国を説得するような外交交渉を進めるべきだ、と、私は思うんですけれどもね.....。 こういう外交活動を日本のトップが進めるようになれば、日本の安保理常任理事国入りが見えてくるはず、というのが、私のつたない意見であります。 ---------------- 科学雑誌でおなじみのNewton社e-Learningのご紹介はこちら 理工系受験生向け大学入試問題研究サイトはこちら 「大学への数学」の東京出版発行の書籍のお求めはこちら 横浜市杉田の代々木屋呉服店さんの楽天ショップはこちら ---------------- コメント、トラック・バックはこちらへお願いします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006/12/30 11:33:00 AM
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