カテゴリ:ウクレレ・ハワイ音楽・沖縄
独立祝い。同僚の女性が会社をやめて独立した。最初は、個人としてやって行き、様子をみて会社を設立すると言う。彼女の専門性を生かした起業だ。すごい勇気だと思うが、すでに実績があるし、きっとちても活躍するだろうと思う。
そんなわけで、会社の同僚たちが集まって、彼女の送別会と独立のお祝いをかねた宴席があった。 彼女が9月いっぱいで会社を辞めるという話は、内々に聞いていた。最近、会社の宴会では、他の同僚の中では、ぼくのウクレレ演奏を聴き飽きた、という雰囲気も濃厚だったので、宴会でウクレレを弾くのは遠慮しておこうと思っていた。 しかし、独立する彼女が、まだ私のウクレレ演奏を聴いたことがないのでぜひ聴きたい、と言っているらしいことを人づてに聞いたので、やっぱり演奏することにした。 宴会は、最初、こじんまりしてやるのかと思っていたが、20名ぐらいのひつが集まった。 幹事がいろいろ企画して、食事は創作和食というのだろうか、ちょっと不思議、だけど美味しい和食。ビールやワインなどが飲み放題なだけではなく、貴重な焼酎も、一升瓶で出てきて、お酒好きのひとは大喜び。 さて、ぼくのウクレレ演奏だが、実は1ヶ月くらい前から選曲を考えていた。 また、このへんはウクレレをやっている人にしかわからないだろうが、手持ちの中で、どのウクレレで演奏するか、をいろいろ試していた。 こじんまりした集まりだったら、ウクレレのかわいらしい音色がきれいな小さなKeli'iのウクレレにしようと思ったのだが、ちょっと試してみた結果、大人数の部屋では、音量不足。最初、音量も十分で、弦は押さえやすいKoAlohaウクレレでやろうと思っていたが、そのウクレレは、しばらく触っていなかったので、チューニングがずれまくっていて、いくらチューニングし直してもだめだった。これは、ちょっとペグ(弦を巻き取るところ)を変える必要があるかもしれない。 で、結局、ラインでつなぐときのライブで使うコーラウのウクレレで当日、演奏することになった。このウクレレは愛着もあるし、音色も綺麗なのだが、弦が太くテンションが高い。だから弾くのにより指に力を入れないといけない。 このウクレレもしばらく触っていなかったのだが、ちゃんとしたペグを使っているオーダー・メイドなので、チューニングにくるいはない。 あとは、ひたすら練習するのみ。 ということで、宴もたけなわになった頃に、席をたってトイレでアロハに着替えて、ウクレレをもって鼻歌で「バイヤー・コンディオス、マイ・ダーリン、~~」とうたい、CとFG7などのコードをがちゃがちゃ弾きながら、会場に入っていった。 主賓の彼女とみんなが、おーっと声をあげる中、 「独立した彼女を祝して、映画『ノッティングヒルの恋人』でも使われていた。。」 といったところで、すでに「あ~『SHE』だぁ~」という声がする。そうなんです。この宴席には、ベース、キーボード、ボーカルなどセミ・プロ級のひとが何人もいて、実は、そんな彼らの前で、ウクレレを弾くのは、結構なプレッシャーなのだ。 「そうです。エルビス・コステロの『SHE』を弾きます」といって、おもむろに曲を弾き出した。この曲は、なめらかに弾くのはちょっと難しい中級程度の曲。何回も練習するうちに、暗譜してしまったが、ちょっとぼくには難易度が高かった。 主賓の女性によく聴こえるように、彼女の目の前にたって演奏したのだが、あとで写真で確認してもよくわかったが、彼女が「うわぁ~」というような顔をしながら、一生懸命、聴いてくれているのがわかる。 演奏するあいだに、なんやらかにゃらしゃべっている人の声も気にせず弾き終わったら、「素敵~」と主賓の彼女が暖かい拍手をしてくれた。 そこで、いつもはぼくのウクレレのレベルの低さを邪魔くさいなあ、あんまりでしゃばって弾かないほうがいいよ、と思っている同僚がめずらしく、「アンコール、アンコール」と言って手拍子をしながらみんなをあおってくれた。 「では、ちょっとしんみりしちゃったので、ちょっと明るい曲を。ジョージ・ハリスンの書いた『Something』を」 この曲は、もともとぼくのレパートリーだったけれでも、長く弾いていなかったので練習で感をとりもどすのに時間がかかった。また、最初は小さいウクレレで弾く予定だったので、ボディとネックの境目、ジョイントが10フレットしかなく、高音のコードを弾くのに、どうしても指が届かず、コード理論も知らないのに、一生懸命、指で押さえられる代用コードを探した曲。結局は、いつものライブ用の大きめのウクレレを使ったので、12フレット・ジョイントで、代用コードを使う必要もなかったのだけれども。 『Something』を弾いていると、今度は同僚が一生懸命、盛り上げてくれた。 「サムシング」のボーカル・パートを歌ってくれる人もいれば、ベースのパートやビートルズのオリジナルの修飾音を「ぱぱぱっぱ~」とカウンタ^に入れてくれたりと、主賓の彼女とみんながとても暖かく、ぼくの演奏を聴いてくれた。 やっぱり、こういう「ウクレレで祝福する」意味のある集まりでは、こうやってみな暖かく迎え入れてくれるんだなぁ~、と思った。 いや、そもそも主賓の彼女の人柄が、みんなの優しい気持ちを自然に引き出しているんだなぁ、と思った。 その後、その日に出席出来なかった同僚からのお手紙を幹事が代読。 みんなの寄せ書き。上司からの激励の言葉と花束。 主賓の彼女から、全員へのそれぞれのメッセージを書いたカードとちょっとしたプレゼント、とまるで結婚式の披露宴のような華やかな雰囲気で1次会は終わった。 希望者のみ、近くのバーで2次会、仲間にシングルモルトの違いを教えられて、何杯も味わって、深夜帰宅。翌朝、会社のパソコンを立ち上げて見ると、 「パスタさま、昨夜はウクレレの演奏をどうもありがとうございました。 あんなに素敵な演奏は生まれて初めて聴きました。」 というメールが彼女から入っていた。 あ~、やっぱりウクレレ演奏してよかたなぁ、音楽っていいなぁ、素直にそう思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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