カテゴリ:旅
お待たせいたしました。北海道2泊3日の旅の報告です。何から書こうかと考えた末、分かりやすいように、時系列で書き進んでいくことにしました(本日「上」と24日「下」の2回に分けます)。
◆2月18日(金) 余市&小樽 午前9時半伊丹発、同11時15分、新千歳空港着。気温は零下10度。 伊丹出発時は摂氏7、8度くらいだったので、思わず、「やはり北海道は寒い」とつぶやく。 すぐにJR新千歳駅から、快速エアポート号に乗る。空港も駅も、近代的で美しい。 何よりも飛行機を降りて、歩いて10分弱で列車に乗り継ぎができるのが嬉しい。 約30分で札幌着。そこで「ニセコ・スーパーエキスプレス」という特急に乗り換え、 いざ余市へ。余市は普段は各停か快速しか停まらないらしいが、スキー・シーズンだけは、 特急も停まるようだ。しかし車両内には、僕らも含めて乗客は5、6人ほど(なぜ?)。 札幌は晴れだったが、列車が石狩湾沿いに差しかかると雲が多くなり、吹雪に変わった。 車両はまさに海のそばを走る。北の海が足元まで迫ってくるようで、絶景だ。 ◇ 午後1時半、余市着。まずは腹ごしらえ。あるバーテンダーの方に教えてもらった、 「海鮮丼」で有名な駅前の「かきざき」へ。ここは海鮮市場の2階にあり、魚屋さん直営なので、 安くて、新鮮で、旨い。店内は200人近くは座れる大衆食堂のような感じ。 僕は貝3種(ホッキ、ツブ、ミル)の「磯丼」(900円)を、連れ合いは、 「ウニ丼」(1700円)を頼んでシェアしたが、素材の自然な旨さが生きている味! 他の客は、丼以外にもホッケの一夜干し(なんと190円という値段!)や、 イカの姿焼き(これも250円!)なども頼んでる。僕らもつられて注文しそうになったが、 「いかん、いかん。夜のご馳走にたたる」とあきらめる。 ニッカ余市蒸留所(写真下)は、駅から歩いてわずか3分という近さ。雪は多いところでは、 1mくらい積もっているが、歩道などはある程度除雪しているので、30~40cmという感じ。気温はなぜか札幌よりは若干暖かくて、零下4~5度。 ![]() 抱いていた余市蒸留所のイメージは、人里離れた山の中に、静かにひっそりと、というものだったが、実際は、余市の街と隣り合わせにある。雪で埋もれていたので、構内の広さがあまり実感できなかったが、意外とこじんまりした印象。 ウイスキー博物館、旧竹鶴邸、貯蔵庫、蒸留棟など主なスポットの見学もそこそこに、お目当てのお土産を買う。蒸留所のお土産コーナーは、ゲストハウスと、ウイスキー博物館内の2カ所に分かれているが、蒸留所限定の原酒販売は、なぜか博物館内の売店だけ。 瓶入りの原酒は5年物、10年物と5年刻みで、25年物まで5種(大きさは大=500mlと、小=180mlの2種)。他に、「ピーティー&ソルティ」とか、「スイート&メロウ」とか、個性別の原酒4種も販売されていたが、買おうと思っていた、「未貯蔵原酒」の瓶(以前、現物を味わったことがある)は、なぜか売っていなかった。残念! 僕は、友人やバーテンダーらへの土産にと原酒の小瓶(180ml入り)をたくさん買った。 持ち歩くわけにはいかないので、宅配便での発送を頼むと、発送手続きは、 「(徒歩で1、2分離れた)ゲストハウスでしかやっていない」と言う。 「こんなにたくさんの重い瓶を持って、この雪の中、ゲストハウスまで、 (客に)持っていけというの?」と嫌みを言うと、 「なんなら私がお持ちしますが」と高齢の従業員。どうみても僕より年上なので、 「あなたに運ばせるくらいなら、自分で行くよ」と言って、雪道を歩き、運んだ。 なぜ博物館の売店のところで、配送手続きをできるようにしないのか、 まったく理解できない。関西じゃ考えられないようなサービス不足、 商売っ気のなさに唖然としたが、無料の試飲や、非常にお安く飲めるバー・コーナーで、 いい気持ちになって怒りもだいぶおさまり、蒸留所を後にした。 ◇ 余市滞在は、実質約2時間半ほど、再びJRに乗り、小樽へ戻る。 小樽でさらに各停に乗り換えて、2駅。午後5時すぎ、「小樽築港」という駅で、 今夜泊まる宿の送迎マイクロバスと落ち合った。 宿は「蔵群」(くらむれ)という名前。小樽の市街地からは車で20分余の、 朝里川(あさりがわ)温泉というところにある。02年の春にオープンした新しい宿だが、 木と石と鉄とコンクリートを巧みに使い、「和とモダン」が調和した、とてもおしゃれな空間。 ある女性誌では、「予約がとりにくい人気の宿」の一つとして紹介されていたというが、 僕らは1カ月ほど前の電話1本で、運良く予約ができた。 ![]() 小樽の倉庫群を模したダークグレーの外観(写真右は玄関)は、看板一つかかっておらず、まさに隠れ宿という感じ。部屋数19室とキャパは小さいが、一つひとつの客室が3~4部屋をもつ贅沢なつくりで、温泉風呂も各部屋に完備している(もちろん露天風呂付きの大浴場も)。 室内や館内には、オーナーが各地から集めたアンティーク家具や、アート作品が数多く置かれており、雪に埋もれた周囲の雰囲気と相まって、最高の非日常的空間だった。 何よりも嬉しかったのが料金。一人1泊2食付きで32000円~36000円(税・サービス込み)は、一見かなりお高い感じもする。だが、料金は館内での飲食などすべてが込みになっている。すなわち喫茶のコーヒー類はもちろん、夕食時の酒も、館内にある本格的なバーでの酒も、すべて飲み放題。メニューも豊富。酒飲みには涙もののシステムで、たくさん飲む人には本当にお得な宿だ(逆に、飲めない人には損なお宿か?)。 「夕食(和洋折衷の創作料理)の後は、小樽の夜の街へ繰り出そうか」と連れ合いと話していたが、雪模様の天気と、この館内飲み放題のシステムに負けて、外出はとりやめ。 (宿の近くの川沿いで、「ゆきあかりの路」というイベントをしていたので少しだけ見に行った。 夜空から降ってくる雪が、結晶の形のまま落ちてくるのを見て、感動!)。 そんなわけで夕食後、温泉に入った後は、ただひたすら、バーのすぐ前のライブラリー(バーの酒持ち込み可!)で、オーナーのコレクションであるLPレコード(ロックが中心、自由にかけてOK)を楽しみながら、カクテルやウイスキーや焼酎を飲みまくり、夜は更けていったのでした。 (以下、「24日の日記」へ続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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