43. カッフェコクテール【注53】
コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に
ポートワイン 一オンス
ブランデー 二分の一オンス
玉子の黄味 一個
シュガーシロップ テースプーン半杯
を加え、よくセークしたる後、ワイングラスに注ぎ、之にナツメキ【注54】の粉末少量を振ってすすめる。
【注53】「カッフェコクテール」は現時点では前田氏の本以外では見当たらないカクテル。
【注54】「ナツメキ」とは言わずもがなだが、ナツメグのこと。
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44. ヨルクコクテール【注55】
調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に
ウイスキー 三分の二オンス
伊太利ベルモット 三分の一オンス
オレンジビタ 二振り
を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉してすすめる。
【注55】「ヨルク(ヨーク=York)コクテール」は、1910~20年代には欧米で飲まれていたカクテル。標準的なレシピはウイスキー2分の1、スイートベルモット2分の1、アロマチック・ビターズ1dash、オレンジ・ビターズ1dashで、前田氏のレシピも分量比以外は、ほぼ同じ。なお、同名のカクテルで、ジン4分の3、マラスキーノ4分の1、オレンジ・ビターズ3dash、アンゴスチュラ・ビターズ1dash、レモンピールというレシピも存在する。
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45. ターキシユーコクテール【注56】
調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に
ドライジン 三分の二オンス
フレンチベルモット 三分の一オンス
オレンジビタ 二振り
アンゴスチュラビタ 二振り
を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之にアブサンの少量を落としてすすめる。
【注56】「ターキシユーコクテール」は、「ターキッシュ(Turkish)・カクテル」と想像されるが、現時点では前田氏の本以外の文献でその名が見当たらない謎のカクテル。
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46. カンツリーコクテール
調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に
ウイスキー 一オンス
オレンジビタ 三振り
アンゴスチュラビタ 二振り
を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之にレモンの皮の小片を搾り込んですすめる。
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47. カナデアンコクテール
調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に
カナデアンクラブウイスキー 一オンス
ガムシロップ 二振り
アンゴスチュラビタ 二振り
イタリアンベルモット 少量
を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之にマラスキーノチェリー一個を加えてすすめる。
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48. タキシユードコクテール【注57】
コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に
ジン 二分の一オンス
伊太利ベルモット 二分の一オンス
アンゴスチュラビタ 一振り
セリー 少量
を加え、よくセークしたる後、コクテールグラスに注いですすめる。
【注57】「タキシユードコクテール」は、「タキシード(Tuxedo)・カクテル」としてサヴォイ・カクテルブックにも登場する古典的なカクテルだが、サヴォイ・レシピでは、伊太利(スイート)ベルモットの代わりにドライベルモットを使っている。
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49. タンゴーコクテール【注58】
調合グラスに
ジン 三分の二オンス ウオヅカ 三分の一オンス
レモンジュース 四分の一オンス オレンジビタ 四振り
ガムシロップ 三振り 玉子の白味 一個
を入れ、之に平野水の少量を加えて静かに混ぜ、泡を立て、シャンペングラスに注いですすめる。
【注58】「タンゴーコクテール」とは「タンゴ(Tango)・カクテル」と思われるが、ハリー・マッケルホーンが考案した同名のカクテル(ジン・ベース5分の2、スイートベルモット5分の1、ドライベルモット5分の1、オレンジキュラソー5分の1、オレンジジュース2dash)とは中身が大きく異なる。現時点では別の人が考案したカクテルか前田氏のオリジナルかは不明。
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50. タルフコクテール【注59】
調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に
プリマウス・ジン 二分の一オンス
フレンチベルモット 二分の一オンス
オレンジビタ 一振り マラスチノー 一振り
アブサン 一振り
を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之にオリーブを加え、尚ほレモン皮の小片を搾り込んですすめる。
【注59】「タルフ(Turf)コクテール」は、現代の表記では「ターフ・カクテル」。欧米では1910~20年代から飲まれているカクテルで、前田氏のレシピもほぼ同じ。なお、フレンチ(ドライ)ベルモットの替わりにイタリアン(スイート)ベルモットを使うレシピもある。
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51. ダイキリコクテール【注60】
コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に
バカルデー・ラム 三分の二オンス
ライムジュース 三分の一オンス
グレナデンシロップ 若干
を加え、よくセークしたる後、コクテールグラスに注いですすめる。
【注60】「ダイキリコクテール」は、1890年代後半に誕生したと伝わる古典的カクテルの一つで、ハリー・マッケルホーンの本(1919年刊)やサヴォイ・カクテルブック(1930年刊)にも登場している。「ダイキリ」の名はキューバのダイキリ鉱山にちなむというのはあまりにも有名。
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52. ダンプセーコクテール【注61】
コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に
カルバド【注62】 三分の二オンス
ジン 三分の一オンス
アブサン 一振り
グレナデンシロップ テースプーン半杯
を加え、よくセークしたる後、コクテールグラスに注いですすめる。
【注61】「ダンプセーコクテール」は、「デンプシー(Dempsey)・カクテル」のこと。1920年代にはすでに欧米で飲まれていたが、なぜか欧米のカクテルブックでは紹介されることが少ない。当時の標準レシピは、カルバドス30ml、ジン30ml、アニス・リキュール1tsp、グレナディン0.5tspで、前田氏のレシピとは少し異なっている。
【注62】「カルバド」とは、言うまでもなく「カルバドス(アップル・ブランデーの高級品)」のこと。
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53. ダイキダイキコクテール【注63】
コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に
カルバド 五分の三オンス
カロリック・ポンチ 五分の一オンス
グラツプフルユイ・ジュース【注64】 五分の一オンス
を加え、よくセークしたる後、コクテールグラスに注いですすめる。
【注63】「ダイキダイキコクテール」とは、「ディキディキ(Diki-Diki)・カクテル」の名でハリー・マッケルホーンのカクテルブックにも登場する古典的なカクテルだが、そのレシピ(カルバドス3分の2、スウェディッシュ=カロリック=パンチ6分の1、グレープフルーツ・ジュース6分の1)は、前田氏のと分量比が異なる。
【注64】「グラツプフルユイ・ジュース」の表記には少々驚かされるが、もちろんグレープフルーツ・ジュースのこと。
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54. レーモンドハッチコクテール【注65】
コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に
伊太利ベルモット 一オンス レモンジュース 四分の一個分
オレンジビタ 一振り パインアップル 小片
を加え、よくセークしたる後、コクテールグラスに注いですすめる。
【注65】「レーモンドハッチコクテール」は、サヴォイ・カクテルブックにも「レイモンドヒッチ(Raymond Hitch)」の名で登場する古典的なカクテルだが、前田氏は、サヴォイ・レシピのレモンジュースをオレンジジュースに替えている。
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2022/04/08 09:28:00 AM
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うらんかんろ
大阪・北新地のオーセンティック・バー「Bar UK」の公式HPです。お酒&カクテル、Bar、そして洋楽(JazzやRock)とピアノ演奏が大好きなマスターのBlogも兼ねて、様々な情報を発信しています。
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▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。▼コロナ禍の家飲みには、Bar UKのハウス・ウイスキーでもあるDewar's White Labelはいかが?ハイボールに最も相性が良いウイスキーですよ。▼ワンランク上の家飲みはいかが? Bar UKのおすすめは、”アイラの女王”ボウモア(Bowmore)です。バランスの良さに定評がある、スモーキーなモルト。ぜひストレートかロックでゆっくりと味わってみてください。クールダウンのチェイサー(水)もお忘れなく…。
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