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Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2017/03/19
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 41.アイリッシュ・コーヒー(Irish Coffee)

【現代の標準的なレシピ】アイリッシュ・ウイスキー(30)、ホット・コーヒー(適量)、角砂糖(またはブラウンシュガー)1個、生クリーム(適量)=最後にフロート【スタイル】ビルド

 現代のオーセンティック・バーには欠かせない、代表的なホット・カクテルです。その誕生には航空機による旅客路線の発展が大きく関わっています。パン・アメリカン航空が、飛行艇を使った大西洋横断航路の運航が開始したのは1930年代。当時飛行艇は航続距離が短く、途中で何カ所かで給油をしなければなりませんでした。

 アイルランド南西部の港町・フォインズ(Foynes)はそういう給油の中継基地でしたが、1942年の厳冬期、飛行艇の給油待ちの間、機内で寒さに震えていた米国人乗客(当時の機内は暖房はほとんど効かなかった)のために、中継基地のレストラン・シェフ、ジョー・シェリダン(Joe Sheridan 1909~1962)が、考案したのが始まりと伝わっています(出典:Wikipedia英語版&日本語版)。

 その後、フォインズで「アイリッシュ・コーヒー」を飲んだスタントン・デラプレイン(Stanton Delaplane)という米国人旅行作家が1952年、友人と共同経営していたサンフランシスコの「ブエナ・ビスタ・カフェ(Buena Vista Cafe)」でこのドリンクを紹介。米国内にも一気に広がったということです(出典:同)(米国へ紹介したのはシェリダン自身だったという説もありますが、裏付け資料は現時点では見当たりません)。

 一方、ロサンゼルスにあるBar「トム・バージンズ・タバーン」は1950年代前半から「自分の店がアイリッシュ・コーヒーを考案した」と喧伝しています(出典:同)が、裏付ける資料は明示されていません。

 欧米のカクテルブックで「アイリッシュ・コーヒー」が紹介されたのは、現時点確認した限りでは、「Trader Vic's Bartender's Guide」(Victor Bergeron著、1947年刊)が初めて。そのレシピは、「アイリッシュ・ウイスキー1オンス、ホット・コーヒー4オンス、角砂糖3個、生クリーム(最後にフロート)2オンス」となっています(糖分が多すぎるような気がしますが(笑))。50年代以降に出版された欧米のカクテルブックには、たびたび登場するようになります。

 なお、ウイスキーをスコッチに替えると「ゲーリック・コーヒー」、コニャックに替えると「ロイヤル・コーヒー」、カルバドスに替えると「ノルマンディー・コーヒー」となることは、プロのバーテンダーなら知識として知っておく必要があります。

 現在、フォインズ近郊にあるダブリンのシャノン国際空港には、シェリダンにちなんだ「ジョー・シェリダン・カフェ」があり、アイリッシュ・コーヒー誕生地を記念するプレートも飾られているということです。

 「アイリッシュ・コーヒー」は、少なくとも1960年代前半までには日本にも伝わっていたと思われますが、(一部の)オーセンティック・バーで提供されるようになったのは、おそらく70年代も後半以降です。日本のカクテルブックで確認できるのは1980年代前半になってからです。60~70年代の日本語の文献で確認できる例をご存知の方はご教示頂ければ幸いです(→arkwez@gmail.com までお願いします)。

 【確認できる日本初出資料】「カクテル入門」(福西英三著、1982年)。レシピは「アイリッシュ・ウイスキー30ml、赤ザラメまたはコーヒー・シュガー茶さじ1杯、ホット・コーヒー適量、生クリーム適量(最後にフロート)」となっています。



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Last updated  2021/07/04 12:14:06 PM
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うらんかんろ

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kopn0822@ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
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