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Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2017/12/23
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 78.スクリュー・ドライバー(Screw Driver)

【現代の標準的なレシピ】(容量単位はml)ウオッカ(45)、オレンジ・ジュース(45~60)、氷、オレンジ・スライス 【スタイル】ビルドまたはシェイク
 ※オレンジ・ジュースは皮ごとスクイーザーで絞ってつくるのがおすすめです(皮の油分も混じった濃厚なジュースになり、カクテルの美味しさを引き立てます)。

 飲みやすいシンプルな味わいもあって、現代のバーでも人気のあるカクテルの一つです。飲みやすさの割にアルコール度数もそこそこあるので、ひと頃は、「女性を酔わせるためのカクテル」(レディ・キラー」の異名も)という、あまり好ましくないレッテルも貼られましたが、本来は美味しいカクテルです。

 誕生の正確な由来はよく分かっていません。第二次大戦後の1940年代後半、サウジアラビア(イラン説もあります)の油田で働いていた米国人労働者の間で、ウオッカにオレンジ・ジュースを入れて飲むのが流行り、ねじ回し(Screw Driver)をマドラー代わりに使ったのが起源とも言われ、多くの文献でそのように紹介されています(出典:Wikipedia英語版&日本語版)。

 しかし、近年になって、1930年代にはすでに誕生していたのではないかという説も登場しています。Wikipedia英語版には、「このドリンクは、1938年の文学作品の登場人物のセリフに、以下のように登場している。『あの有名なスミノフのスクリュー・ドライバーだ。ただ、1ジガーのスミノフを注ぎ、オレンジ・ジュースで満たすんだ』」という情報が掲載されています(出典元:Journalism quarterly: Volume 44 in 1938)が、一次資料が添付されていないため、現時点では「未確認情報」というしかありません。

 Wikipedia英語版はさらに、「活字になった最も古いスクリュー・ドライバーは、1949年10月のタイム誌(The TIME magazine)で、その号の記事のなかで『パークホテルのバーで、ウオッカとオレンジ・ジュースを混ぜたスクリュー・ドライバーという最新のカクテルが飲まれている情景』が紹介されている」としていますが、それより2年前の1947年に出版された「Trader Vic's Bartender's Guide」(Victer Vergeron著)にすでにスクリュー・ドライバーは登場しています。
 そのレシピは「ウオッカ1オンス、オレンジ・ジュース、氷、ハイボール・グラスに満たし、よくかき混ぜる」となっています。

 ご参考までに、1950年代~80年代の欧米の主なカクテルブックで「スクリュー・ドライバー」がどのように紹介されているかをざっと見ておきましょう。

・「Mr Boston Official Bartender's Guide」(1935年初版刊の1951年改訂版)米
 ウオッカ2オンス、アイスキューブ2~3個を入れ、オレンジ・ジュースで満たす(6オンスグラスを使用、ビルド)

・「Esquire Drink Book」(Frederic Birmingham編、1956年刊)米
 ウオッカ2オンス、オレンジ・ジュース、氷2個(同)

・「Booth's Handbook of Cocktails」(John Doxat著、1966年刊)英
 ウオッカ2オンス、オレンジ・ジュース1オンス、パウダー・シュガー0.5tsp、氷、オレンジ・スライス=飾り(シェイク)

・「The Bartender's Standard Manual」(Fred Powell著、1979年刊)米
 ウオッカ1ジガー、オレンジ・ジュース、氷3個(ビルド)

・「The Larousse Book of Cocktails」(1983年刊)米
 ウオッカ45ml、オレンジ・ジュース75ml、氷3個(ビルド)

 なお「スクリュー・ドライバー」をシェイク・スタイルで飲む場合、「ゴールデン・スクリュー」と呼ぶこともあるそうですが、個人的には聞いたことはありません。また、ジン・ベースにすると「オレンジ・ブロッサム」、ラム・ベースだと「キューバン・スクリュー」というカクテルになります。

 「スクリュー・ドライバー」は日本にも、米国からそう遅れることなく、1950年代初めに伝わりました。当初は、国内の米軍基地内のバーでの流行りでしたが、その後、50年代後半には街場のバーにも広がりました。バーの定番ドリンクになるのは60年代半ば以降です。

 【確認できる日本初出資料】「オーソドックス・コクテール」(落合芳明著、1955年刊)。巻末にわざわざ「新しいコクテール」と題した一章を設けたなかで紹介していることからも、当時日本では「新参のカクテル」だったことが分かります。そのレシピは「ウオッカ1オンス、氷3個くらい、オレンジ汁で満たす、8オンスグラスを使用」となっています。



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Last updated  2021/07/01 10:34:42 AM
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kopn0822@ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
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