カテゴリ:映画、テレビ
「くれないの豚」
以前に「いのちの食べかた」という欧州映画を観たことがあるけれど、今日観た映画も衝撃的だった。米国の「食の危機」を描いたドキュメンタリー。 公式サイト→ ![]() 特に鶏、豚、牛などの畜産業の実態を暴いている。短期間で太らせるために想像を絶する飼育が行なわれており、そこにはヤバそうな薬品も使われてるわけで。その背後には、畜産業界を牛耳る大手食品メーカーの強引な指導がある。 O157とか、サルモネラ菌、狂牛病なども、突き詰めていけば自業自得。我々人間サマが「食品の工業化」を追い求めるあまり、生態系がもうグチャグチャになっているらしい。 映画の製作者側は、市場を支配している食品メーカーに取材を求めるのだけれど、ことごとく拒否される。しかも、政治家がそういう大企業の味方となってるから始末が悪い。彼らにとっての「不都合な真実」は、到底一般の消費者が調べ抜くことはできないほどに固く隠蔽されている。 そんなアヤシイ企業や政治家をきちんと実名で批判してる点はこのドキュメンタリーのすごいとこ。 てなわけで、僕も映画を観ながら「やっぱ、これからは肉料理は控え、菜食主義になろうかなー。めざせ、草食系男子っ!」などと宣言してみる。←用法、なんか間違ってるし でも、野菜や果物だからといって安心できない。「有機栽培」とか「産地直送」という言葉も今さらどれほどの意味を成すというのか。 家畜の飼料用とはじめとして、あらゆる産業がとうもろこしに依存しすぎているという現状にも驚かされる。それに、食料品屋に並んでる食材にもはや季節感などなく、春夏秋冬、全く同じ野菜や果物が陳列されている事実に、我々現代人は何の疑問も持たなくなってしまっている。 やっぱり自分たちが口にするものだから、いろいろと考えながら鑑賞した。これから何を食べていいのかわからなくなって、途方に暮れてしまった。 映画館内では、上映中もブツブツ感想を言いながら鑑賞する人が続出。映画の最後に、米国人の大好きな唄「This Land is Your Land(我が祖国)」by ブルース・スプリングスティーンが流れたもんだから、客のなかには感極まって泣き出しちゃってた人もいた。 この映画観ると食欲なくなるし、とにもかくにも手っ取り早く減量したい人にオススメ(笑)。 血まみれの豚が映される屠殺の場面など、もはや残虐とは思わない。目を背けたくなる場面はもっとほかにあった。 唯一救われるのは、この映画では、自身の信念に基づき、牛や鶏を古来の方法で地道に育ててる個人の畜産家の奮闘も取材されている点。彼の熱意に惹かれ、その食肉を求めて何百キロも運転して買いに来る人もいるのだとか。
最終更新日
Jul 28, 2009 06:59:01 PM
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