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実は先日、やっとたどりついたホームドクターの診察で「妊娠ですね、たぶん。」と言われた時には驚いた。
保険所で妊娠検査もしたのだが、その結果も待てず市販の妊娠検査薬で検査すると確かに「陽性」だった。 そういえば今は収まったが、数日前までどうりで気持ちが悪かったわけだ。これが世に言う「つわり」なのか? しかし変だ。 わたし「なんかさ、全然実感が沸かないんだけど。。。」 おっと「バカな事、言うなよ。」 とにかく大きな不安と期待を抱きつつ、おっとと共にエコー検査に出かけた。 日本と違って医師との間に隠すものも何もないベッドに寝かされ、「今日ははじめてのエコーなんですね。旦那さんも一緒に見ましょう。」とエコーの画面を遠慮がちにベッドの隅に立っているおっとにも見えるように向ける。 医師と3人でドキドキしながら画面をのぞき込んだ。 画面の中央に丸い黒い影が見えた。これなのか? 医師「。。。妊娠はしてましたね。」 おっととわたし「はあ?」 わたし「。。。ってことは今は違うんですか?」おっとは無言でつばを飲む。 医師「卵の殻だけが育っているんですよ、中身がありません。ここ数日で出血とかはありませんでした?」 わたしは首を横に振る。そういえば1回、お腹が痛くなった事はあったけど、そんなにひどいものじゃなかった。 医師は呆れた、といった風に首を振って「流産を気が付かないでそのまま放置して感染症を起こす人もいるんですよ?明朝、即手術入院してください。」と淡々と赤紙に何かを書きつけ判子を押した。 2人は呆然と赤紙を受け取って診察室を出た。 どちらもどちらにかけるなぐさめの言葉も出てこなくて、そのまままるで何事もなかったかのように仕事に戻ったのだ。 会社に戻ると唯一この日の遅刻の理由を伝えてあった同じチームのアンナが顔を輝かせて「どうだった!?」とさっそく聞いてくる。 事情を話すと、たちまち暗い顔になってわたしを抱きしめた。 わたし「あのさ、明日からしばらくインフルエンザにかかった、ってことで数日間欠勤することになると思うから口裏を合わせておいてくれる?」 アンナは「心配しないで。」とうなずいた。 わたしは、というと妊娠をしていた(過去形)というのも、明日手術をしなければならない、というのもちっとも実感が沸かないまま、通常通り仕事を終えて家に帰り、淡々とイタリアではじめての入院の為の荷造りをして、おっとと2人で何事もなかったようにベッドに入ったのだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.04.01 23:52:04
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