万雑614_各宴席などで家持が作った歌5首(大伴家持_104)
万雑614_各宴席などで家持が作った歌5首(大伴家持_104)次は、天平勝宝元年12月、天平勝宝二年正月2日、正月5日、2月18日の各日に開かれた宴席なので、大伴家持が作った歌5首(4134,4135,4136,4137,4138)です。天平勝宝元年12月宴席で作った歌2首;4134_「雪の上に照れる月夜に梅の花折りて送らむ愛しき児もがも」※_「雪の上に月が照る夜に、梅の花を折って贈ってやるような、いとしい子がいたらなあ」と歌っています。雪、月、花の三つを一首に詠み込んだ歌です。 4135_「わが背子が琴取るなへに常人の言ふ歎きしもいやしき増すも」※_「あなたが琴を手にして奏でるままに、世の人がよくいう歎きとかが、いよいよ増して来るよ」と歌っています。天平勝宝二年正月2日 、国庁に於いて諸郡司らに饗応して宴を催した歌;4136_「あしひきの山の木末のほよ取りてかざしつらくは千年寿くとそ」※_「(あしひきの)山の梢のホヨを取って、挿頭にしているのは、千年の寿命を願う心からだ」と歌っています。「ホヨ」はヤドリギ科のホヤ。天平勝宝二年正月5日、久米広縄邸で宴を催した歌;4137_「正月立つ春の初めにかくしつつ相し笑みてば時じけめやも」※_「正月となる春の初めに、こうやって互いに笑い合うならば、よい時でない時などあろうか」と歌っています。天平勝宝二年2月18日、墾田地を検察のため砺波へ行ったが、にわかに風雨が起こり、帰れなくなって作った歌;4138_「荊波の里に宿借り春雨に隠り障むと妹に告げつや」※_「荊波の里に宿借り、春雨に降り込められていると、妻に報せてくれたか」と歌っています。ここまでで、巻第十八が終わり、次は巻第十九に入ります。備考;大伴家持の経歴と関連する出来事養老2年(718年)ころに生まれた天平8年(736年)家持が19か20歳で秋の歌4首(1566~1569)あり天平10年(738年)内舎人としてお目見え天平10年(738年)4月3日に弟の書持に贈った歌3首(3911~3913)天平10年(738年)家持の7月7日の七夕に作った歌(3900)天平11年(739年)6月;家持の妾が死去天平11年(739年)8月;家持と叔母の坂上郎女との相聞歌(1619)天平11年(739年)9月;家持と坂上大嬢との相聞歌(1625、1626)天平12年(740年)6月;家持が坂上大嬢へ贈った歌(1627、1628)※_天平12年8月29日藤原博嗣が政府批判、9月3日挙兵、藤原博嗣の乱天平12年(740年)に聖武天皇の伊勢行幸に従駕※_聖武天皇伊勢行幸;10月29日に立って、11月2日から11日まで滞在※_天平12年12月15日、聖武天皇の勅命により平城京より久迩京に遷都天平12年から天平15年ころ、家持は坂上大嬢を娶ったようですが?天平15年(743年)8月;秋の歌5首(1597~1599,1602,1603)あり※_天平16年(744年)2月、難波京に遷都天平16年(744年)2月;安積皇子(享年17歳)が死去天平16年(744年)4月5日;佐保の旧宅で作った歌(3916~3921)※_天平17年(745年)5月、都を平城京に戻す天平18年(746年)正月;天皇の詔に応えて詠んだ歌(3926)天平18年(746年)7月に越中守として越中国に赴任※_越中国在住中の歌が223首ある天平18年(746年)8月;宴会で詠んだ歌(3943,3947,3948,3950)天平18年(746年)9月;弟の書持の急逝を悲しむ歌(3957~3959)天平18年(746年)11月;大伴池主との詩酒の宴での歌(3960,3961)天平19年(747年)2月;病に臥して悲傷して作った歌(3962~3966)天平19年(747年)4月;送別宴の歌(3989,3990,3995,3997,3999)天平19年(747年)9月;逃げた鷹の歌(4011~4015)天平20年(748年)1月~;家持が作った歌(4017~4031)天平20年(748年)3月24日、25日;布勢の湖での歌(4037~4051)天平20年(748年)3月26日;帰京前日の歌(4054,4055)天平感宝元年(749年)4月14日から7月2日までの元号天平勝宝元年(749年)7月2日に聖武天皇から孝謙天皇に代わった天平勝宝3年(751年)に帰京天平勝宝7年(755年)に難波で防人の検校に関わる天平宝字2年(758年)に因幡守として因幡国に赴任※_万葉集の末尾(巻20_4516)は家持が天平宝字3年に作った歌です天平宝字6年(762年)に帰京天平宝字8年(764年)に薩摩守として九州へ神護景雲元年(767年)に太宰少弐に転じて大宰府へ神護景雲4年(770年)に帰京(民部少輔)延暦4年(785年)_8月28日死去家持の作った歌の掲載巻別の歌数;巻第三;21首(長歌3首、短歌18首)_済巻第四;64首(長歌0首、短歌64首)_済巻第六;9首(長歌0首、短歌9首)_済巻第八;51首(長歌2首、短歌49首)_済巻第十六;2首(長歌0首、短歌2首)_済巻第十七;76首(長歌9首、短歌67首)_済巻第十八;69首(長歌10首、短歌59首)_済巻第十九;103首(長歌17首、短歌86首)巻第二十;78首(長歌4首、短歌74首)以上