万雑675_中臣氏・藤原氏の系譜で万葉集に歌がある人(藤原房前2)
万雑675_中臣氏・藤原氏の系譜で万葉集に歌がある人(藤原房前2)次も、藤原房前(藤原;北家)の歌で、万葉集にある10首の中の7首(1189から1195)です。藤原房前は藤原不比等と蘇我娼子の子です。1189_「大き海にあらしな吹きそしなが鳥猪名の湊に舟泊つるまで」※_「大海よ嵐よ吹くな。(しなが鳥)猪名の湊に船が泊るまで」と歌っています。 1190_「舟泊ててかし振り立てて廬りせむ名子江の浜辺過ぎかてぬかも」※_「船を停泊させ、かしを突き立てて繋いで旅の宿りをしよう。この名子江の浜辺の佳景は素通りできない」と歌っています。 1191_「妹が門出入の川の瀬を速み我が馬つまづく家思ふらしも」※_「(妹が門)出入川の川瀬が速いので、馬が行き悩む。馬も家を恋しがっているらしい」と歌っています。 1192_「白たへににほふ真土の山川に我が馬なづむ家恋ふらしも」※_「白い布のように照り映える真土山の川で私の馬が行き悩む。馬も家を恋しく思うらしい」と歌っています。 1193_「背の山に直に向かへる妹の山こと許せやも打橋渡す」※_「背の山にまっすぐに向かい合っている妹の山は、相手の言葉を聞き入れたのであろうか、板橋が掛け渡してある」と歌っています。 1194_「紀伊の国の雑賀の浦に出で見れば海人の燈火波の間ゆ見ゆ」※_「紀伊の国の雑賀の浦に出て見ると、海人の灯火が波の間から見える」と歌っています。 1195_「麻衣着ればなつかし紀伊の国の妹背の山に麻蒔く我妹」※_「麻衣を着ればなつかしい。紀伊の国の妹背山で麻種を蒔いているあなたよ」と歌っています。<記事>中臣氏;中臣東人(済)、中臣清麻呂(済)、中臣宅守(済)藤原氏;藤原鎌足(済)、藤原房前、藤原宇合、藤原麻呂、藤原光明子藤原仲麻呂、藤原豊成、藤原永手、藤原八束、藤原清河藤原宿奈麻呂、藤原広嗣、藤原久須麻呂、藤原執弓、藤原郎女藤原夫人(円方女王)、藤原部等母麻呂、藤原武良自藤原広嗣<備考>_中臣氏・藤原氏系図(改)以上