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カテゴリ:読書
本日の読書 幻想譚グリモアリス 6 かくてアダムに祝福を 富士見ファンタジア文庫 海冬レイジ著 バクト!で、ラノベに賭博小説と倒叙トリックによる謎解きミステリーを持ち込んだ、実験小説家風味の強いラノベ作家海冬レイジの長編シリーズ「奇想譚・幻想譚グリモアリス」がついに堂々完結である。全9巻になるのであろうか?途中「富士見ミステリー文庫」レーベルが消滅したこともあり、二つのレーベルにわたってのシリーズ構成となった本シリーズもまた、実験小説なのである。一時期、ゲームノベルという分野があった。短い断章から構成されている本で、各断章ごとに選択肢があり、読者が選ぶ選択肢によって、つぎに飛ぶ章がことなる、というわけである。本書の構成はややそれにちかい。ただし、選択肢は常に一通り。単に、物語全体が断章化されていて、それが時系列をわざとみだした形で提示されていて、ただし整合性のために、各章の添え字に、時系列にそったシリアル番号が振ってある、というわけである。 その仕掛けに気付かずに読むと、急に話がとんで、おやっ、と思う。だが、そうやって、おやっと読者に思わせることにより、読者をいきなり緊迫した戦闘シーンや、濃厚なツンデレラブシーンに引き付けることができる。起→承→転→結とのんびりとシリアルにやっていると、最近のゆとり世代読者やせっかちなサラリーマン読者は、飽きてしまって途中で文庫本をぽいとすてるかもしれない。だとしたら、前倒しで少しくらいクライマックスを先取りしておこう・・・、こんな思惑が作者にあったのかどうか・・・。ともあれ、その試みは対多数成功であったといわざるを得ない。 だがともかく、破綻なく物語は進み、クライマックスに突入し、人間界の綻びは繕われ、そして病的シスコンの主人公誓護は、ツンデレ女王アコニットの魔の手に落ちて、物語は大団円を迎えたのであった。 海冬氏の次回作にも期待!とここで書きたいところだが、そういえば新シリーズはじまってましたね・・・ ではまた! ブログ村でおかざき登氏を応援するブログをもっともっと探してみる お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.10.18 19:51:38
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