今月の玄関の絵
今月は私の好きなテオ・トビアスの絵にした。題名は " PARIS,FLEUR DE BITUME " (Le Sacre-Coeur) と保証書に書いてある。直訳すれば "パリ,アスファルトの花" (サクレ・クール寺院) となるのだろうか。彼の絵にはいつもユーモアが漂っているように思うのだが、これも彼一流のユーモアなのだろう。絵は電信柱のような木に花が咲き、女の人が春が来たのを喜んで、サクレ・クール寺院へ登るあの高く長い階段の上から飛び上がって空中を浮遊しているように見える。シャガールの影響を大きく受けているのだろう。絵全体から何か春の喜びが感じられる。春にふさわしいということで今月飾ることにしたわけ。絵の中には le Sacre Coeur と筆記体の文字が書かれているが、これもトビアスの絵には良くある表現。1976年6月の制作。私はこの抽象画のような大胆な絵が好きだ。数年前に行ったこのモンマルトルの丘に建つサクレ・クール寺院。下にはメリーゴーラウンドが回る小さな遊園地があり、丘の上に登る小さなケーブルカーもある。それほどこの階段は高く長く、登りきるのに息が切れる。ここからのパリの眺めが素晴らしい。