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テーマ:猫のいる生活(136026)
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映画「ダーティハリー」を覚えてらっしゃるでしょうか?
クリント・イーストウッドが演ずるハリー・キャラハン刑事が、組織と規律から逸脱しても犯人を追い詰める物語。 シリーズは大ヒットして、「ダーティハリー5」まで作られましたが、ここで話題にするのはオリジナルのダーティハリー。 つまり1971年に制作された第1作です。 監督はドン・シーゲル、同じイーストウッド主演の「アルカトラズからの脱出」なんかも撮ってますね。 この映画に登場するハリー・キャラハン刑事は、直情径行で信念を貫徹する性格なんですな。 それが災いして、上司からも煙たがられる。 物語はスコルピオと名乗る連続殺人犯が、殺人予告とともにサンフランシスコ市に対して身代金を要求。 金の引渡しを命ぜられたハリーは、犯人に殺される寸前でナイフをスコルピオの腿に突き立てて難を逃れます。 膝のキズを治療した医師の話から、スコルピオの居所をつきとめたハリー。 その場にはスコルピオによって、誘拐された少女も居るハズ。 スコルピオを追いつめ、刺し傷と銃創の上を踏みつけて少女の居場所を吐かせたハリーでしたが、少女は既にスコルピオによって殺されていました。 ところが、この後がいけません。 せっかく逮捕したスコルピオなのに、逮捕のときに読みあげる「あなたには黙秘権がある」なんかのアメリカ憲法に定められてる「ミランダ警告」をハリーが無視したことと、自白強要をしたとして、これらが違法。 スコルピオは放免されてしまうのです。 地検のオフィスで「加害者にも人権はあるのだ」と諭されるハリー。 「では、被害者の人権は誰が守るのだ?」 さらにスコルピオの謀略で、スコルピオを暴行したとして市長と上司によって謹慎処分を受けさせられます。 ハリーを封じ込んだスコルピオは、また犯罪を始めます。 なんとスクールバスをハイジャックするのです。 しかしハリーは謹慎処分を無視して、橋の上からバスの屋根に飛び乗り、採石場に逃げるスコルピオを追い詰めます。 採石場近くの池で釣りをしていた少年を人質に取ったスコルピオ。 しかし、ハリーの撃った弾丸は少年をかすめてスコルピオの肩に命中。 拳銃を落とすスコルピオ、ハリーはいよいよスコルピオを追い詰めるのですな。 ここからが、この映画のクライマックスですね。 スコルピオは落とした拳銃に1度手を伸ばしますが、ハリーが狙っているので躊躇します。 それに対して、ハリーは挑発するのです。 結局、スコルピオは拳銃を取りハリーを狙いますが、ハリーの方が早く撃ち絶命。 そして...ポケットから警察バッジを取り出すと、池に投げ捨てるのです。 実は、この映画には布石があるのです。 ハリーの頑なまでの直情径行な性格は、この映画がベースになってるのですな。 それは、1952年に製作された映画「真昼の決闘」。 この映画の監督は有名な「ジャッカルの日」を撮ったフレッド・ジンネマンです。 主演はゲイリー・クーパー、彼の妻役にモナコ公妃前のグレイス・ケリーがやってます。 この作品でゲイリー・クーパーはアカデミー主演男優賞をとりましたが、監督のフレッド・ジンネマンはノミネートのみです。 フレッド・ジンネマンと云うのは、ずっとB級映画監督と云う認識が濃かったのですが、それはたびたび制作会社のフロントと作品作りでもめたからです。 ハドリーヴィルという町の保安官ウィル・ケイン(ゲイリー・クーパー)は、結婚式を挙げて、この日を最後に退職。 新妻エミイ(グレイス・ケリー)と町を出ていくことになっていました。 新任の保安官は明日到着の予定で、1日空白の時間ができますが、ケインの努力で今まで大きなトラブルがなかったので、1日ぐらい大丈夫だろうと町長はじめ参列者もケインとエミイを送りだすことに何の疑問ももっていません。 結婚式は教会ではなく、保安官事務所で執り行われました。 父親と兄が銃で殺された経験から、クエーカー教徒となったエミイを慮ってのことです。 クエーカーは、キリスト教プロテスタントの一派ですが、結婚式を取り仕切り結婚を認める神父や上級者はいないのがしきたりです。 新郎新婦は神と人間が見つめる前で結婚するのです。 ところがケインが保安官バッジを返却するのと相前後して、とんでもない報せが入ってきます。 「フランク・ミラーが釈放され、正午の列車でハドリーヴィルに到着する!」。 フランク・ミラーと云うのは、昔この町に住んでた無法者で、殺人、暴行、強盗となんでもござれの悪漢。 彼を逮捕したのがケインです。 そしてミラーに死刑を宣告した判事も、今、結婚式に参列しています。 すでに、駅には彼の弟と仲間2人がミラーの到着を待っていると云う。 ど~云うワケか、死刑判決を受けて東部の刑務所に送り込んだのに、保釈されて出てきたのです。 ケインは、一旦、保安官バッジを再び自分の胸につけますが、皆が押しとどめます。 「先ず、最初に狙われるのは君だ!明日には新任の保安官が到着するから、ここは任せて逃げてくれ」 後ろ髪引かれる思いで、町を後にするケインとエミイ。 列車の到着まで、後2時間しかありません。 ところが、逃避行の途中でケインは町に引き返してしまうのです。 妻のエミイと激しい口論になりますが、ケインの持って生まれた性分で、ここのまま町を見殺しにするワケにはいかない。 「なぜ、あなただけが犠牲にならなきゃならないの。残れば人が死ぬ、それはあなたかも知れない」 「放っておけないんだ」 「ぢゃあ私はど~なってもいいと云うの!こんな町を捨てて私のために逃げて!」 ガンとして説得に応じないケインに対して、妻のエミイは自分ひとりだけでも町を出ていくと云います。 ケインを見捨てても... ケインが町に戻ってきたことで、さっそく助っ人をかって出る男が現れました。 相手は4人です。 もう少し助っ人を集めればなんとかなる。 ところが保安官助手が辞めると云ったのを皮切りに、次々と助っ人を断る人が続出。 保安官助手のハーヴェイは精神的に未熟な若者で、ケインの後任に自分が選ばれなかった恨みと同時に、かつてはケインやミラーの恋人だったヘレンと云うメキシコ女との因縁もあって協力を断ったのです。 酒場の飲んだくれたちは、ケインによって規律が厳しくなって住みにくくなった町より、ミラー一味が牛耳ってた方が気楽なのでミラーを応援している始末。 ミラーに死刑判決を下した判事は早々と逃亡するし、友人を訪ねて行っても居留守を使われる。 ケインの前任の保安官を訪ねて、協力要請しますが、もう歳だとして断られ、逆に一刻も早く逃亡するようにと説得される始末。 ついに町長が出席している教会のミサ会場に乗り込んで助力を頼むケイン。 ミサに参列していた人の中にはケインに協力すべきだとする人もいれば、今まで高い保安官費用を払ってきたのだから今回も自分でなんとかしろと云う人も。 議論百出する中で、町長が結論を出します。 「これはケインとミラーの問題だ!われわれには関係ない!」 町を救おうとして戻ってきたのに、問題がすり替えられてる! 何も云わず教会を後にするケイン。 この間のやりとりは必死に助っ人を探すケインがどんどん断られ、悲惨と云うより滑稽にすら見えてきます。 時間は列車の到着にあわせて、どんどん過ぎていく。 なのに誰一人として、一緒に戦おうと立ち上がってくれないばかりか、逆に邪魔者扱いする始末。 ケインはこのときでも遅くないから脱出すべきだったのです。 妻のエミイにさえ見放されても町を救おうと戻ってきたら、逆にケインとミラーの私闘に置き換えられる始末。 最初に助っ人を申し出た男も、他に助っ人が居ないと知るや引き上げていきました。 この作品の意図がここに表れています。 監督のジンネマンは「これは時間を超越した今日の生活に直接結びついている何かがある」「これはどこでも、いつでも起こり得る話である」と述べています。 なのにケインはたったひとりでミラー一味4人と戦う意志を固めるのです。 ただひとりになったとき、ケインは机に突っ伏して泣きます。 これ以前の西部劇では、悪漢に立ち向かう保安官は無敵のヒーローでしたが、この作品では暴力を恐れる普通の人間として描かれているのです。 ケインは保安官事務所で1人遺書を書きます。 保安官事務所を出ると、妻エミイとかつての恋人ヘレンが一緒に馬車に乗って駅へと向かうところに出くわします。 ヘレンは「私だったらケインを残して行かないわ」とエミイに云いますが、結局同じ列車に乗って町を出ていくことにしたのです。 その列車こそ、ミラーが町に乗り込んでくる列車でもありました。 黙って2人を見送るケイン。 まったくの孤立無援です。 要れ違うように乗り込む2人の女。 いよいよミラー一味が駅から町へと歩いてきます。 町の通りには人っ子一人見当たりません。 いよいよ列車が次の駅へ発車しようする寸前、突如エミイが列車を飛び降ります。 やはりケインを放っておけない! 黙ってエミイを見送るケインのかつての恋人ヘレン。 打ち合いは突如として始まりました。 ミラー一味が放った物音からケインが物陰に隠れ、裏へ回って背後から声をかけ、最初の1人目を撃ち殺したのです。 2人目は馬小屋に隠れながら応戦し倒しました。 残るはあと2人。 ところが隠れていた馬小屋に火を放たれてしまいます。 なんとか馬で脱出しますが、肩を撃たれて近くの店に逃げ込みます。しかし2方向から包囲されてしまう。 万事休すです。 そのときです、背後から3人目が撃ち倒されたのは! 妻のエミイが「暴力は絶対にやらない」と云うクエーカー教の教えを破って放った1発でした。 しかし、これが原因でエミイは生き残ったミラーに捕まってしまいます。 ミラーはエミイを人質にとってケインを誘い出します。 が、エミイが抵抗して怯んだ一瞬の隙にケインに撃たれるのです。 ついに決闘が終わってしっかりと抱き合うケインとエミイ。 ケインの眼は厳しく皆を見つめ...保安官バッジを足元に捨てると、エミイと共に馬車に乗り町を去っていくのです。 映画「ダーティハリー」はこの作品をオマージュとして制作されました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
真昼の決闘は多分見たと思いますが、ほとんど覚えていません。
ダーティーハリーはやはり最初の作品が一番面白かったですね。 そうそうマグナム44を使ったのは2作目だったでしょうか? 思わず、モデルガンを買いました! (Oct 11, 2019 08:25:07 AM)
「真昼の決闘」・・・・・
聴こえて来ます「Do not forsake me, My Darling High Noon -」 ドゥー·ノット·フォーセイク·ミー,マイ·ダーリン ニッコリです。 (=^・^=) (Oct 11, 2019 10:28:36 AM)
何と言えば良いのか、エミリーの愛情が~( ´∀` )
(Oct 11, 2019 04:58:26 PM)
ダーティーハリーも見ましたが、中学生の頃は昔の映画をいっぱい見ていたので、きっとこの映画も見たでしょう。
何が面白かったのか、西部劇も見ていました。 ローレン、ローレン、ローレン。歌を思い出しますね。 荒野の用心棒だったかな。 (Oct 11, 2019 05:07:04 PM)
まだ私が20代でOlしていた頃
「ダーティーハリー」が大好きな同僚(男性)がいて 観て来るとどんなに面白かったかを皆に話していましたっけ..。 昔はテレビで幌馬車隊などの西部劇を良く見ていたのですが いつの間にか卒業していました。 (Oct 12, 2019 06:43:24 AM) |