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耳(ミミ)とチャッピの布団

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Jan 11, 2021
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カテゴリ:カテゴリ未分類
キプロスはトルコの南、東地中海上にある島国で、エリザベス女王が元首の大英帝国ほぼすべての旧領土にある「イギリス連邦」加盟国です。
このキプロスの主要都市にファマグスタがあります。
ファマグスタは古代にはエジプトのプトレマイオス朝の女王にちなみアルシノエと呼ばれていましたが、やがて「砂に隠された」という意味のアンモコストスと呼ばれるようになりました。
この名前が西ヨーロッパで「ファマグスタ」に変化したのです。


そのファマグスタの南部に「ヴァローシャ」と云う街があります。
ここはかつて地中海を代表するリゾート地でした。
特に「ジョン・F・ケネディ通り」と云う、ファマグスタ港付近からヴァローシャを通過し、グロッサ・ビーチへ繋がっている通りには、アステリアスホテル、キングジョージホテル、ギリシャンホテル、フロリダホテル、アルゴホテルなどが立ち並んでいます。








まさに欧米のセレブの保養地そのものだったのですね。
アルゴホテルは女優エリザベス・テイラー大のお気に入りだったし、他にもブリジット・バルドー、リチャード・バートンなどハリウッドセレブに特に愛された街です。

他に主な通りとしてオニダス通りがあり、JFK通りと合流してて、ヴァローシャにおけるショッピングと娯楽の中心でした。
レストラン、バー、ナイトクラブ、トヨタのディーラーなどがあったのですね。


では、現在ヴァローシャの街はどうなってるでしょう?
それは、下の画像を見れば一目瞭然です...


完璧なゴーストタウンです!それも街全体が。
現在住人は0人
ゴーストタウンになる前の人口は39,000人でした。
いったい何がおこったかと云うと、キプロスはもともと、ギリシャ系住民とトルコ系住民の混住する複合民族国家でした。
なので公用語はギリシア語とトルコ語です。

問題は1974年に遡ります。
もともとイギリス領だったキプロスを独立に導いて、初代大統領になったマカリオス3世を、ギリシャ軍政権の後押しを受けたギリシャ系民兵が襲撃すると云う事件がおこったのですね。
マカリオス3世は辛くも命拾しますが、自己の失政もあり、大統領を失脚することになります。
これを機会にトルコもトルコ系住民保護を名目に北部キプロスへ出兵。
キプロスの分断は確定的になり、島はギリシャ系住民が占める南側と、北キプロス・トルコ共和国の北側とに分断されてしまうのです。
ファマグスタはトルコの勢力下に入り、多くがギリシャ系だったバローシャの住民は1974年8月15日、戦火を恐れてこの楽園から逃げ出してしまいました。
トルコ軍はヴァローシャ全域を掌握すると、周囲を金網で囲い、トルコ軍と国連関係者以外の立ち入りを禁止しました。
ヴァローシャの住民たちは事態が終息すればヴァローシャへ帰ろうと思ってましたが、かつてのリゾートはトルコ軍によって金網で囲まれて、それが現在も続いているのです。
現在のバローシャは、住人が逃げ出したその瞬間で時が止まっています。
テーブルの上に放置された朝食の食器、車のディーラーには1974年当時の最新モデルが並び、ブティックには70年代半ばに流行した服が積まれたままで、47年間時が止まったままなんです。






長年、放置された建物は、容赦ない自然の力にさらされて徐々に風化し、朽ちようとしています。
手入れされていない草木の根が、かつての立派な建物の基礎を浸食しつつあり、補修されることのない道路は、強い日差しを浴びて、季節を追うごとにひび割れていってます。
以前は太陽の光を求める多くのリゾート客で賑わっていた浜辺も、今ではウミガメの産卵地と化しているのです。






新型コロナが蔓延する前、トルコ系キプロス人地域のリゾート地ファマグスタの浜辺では観光客が日光浴を楽しんでいました。
そのすぐ隣で、バローシャはひっそりと朽ちていってる。
この街は、解決の糸口の見えない内紛の証なんですね。







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Last updated  Jan 11, 2021 06:02:22 AM
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