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テーマ:猫のいる生活(138912)
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香港で生まれ、幼いときにイギリスのケントに移住。
そこで青春時代を過ごしてて、たまたま香港の親戚を訪ねたときスカウトに声かけられて、そのまま広告モデル。 18歳の時にミス香港で2位になったことがきっかけで芸能界入りしたのがマギー・チャン。 そのマギー・チャンが2014年にはロックバンドのボーカルとして歌手デビューしたのですから驚きです。 なにしろ、そのときチャンは50歳だったのですから。 「イルマ・ヴェップ」。 この映画はマギー・チャンが実名で役柄も女優として登場する映画で、「イルマ・ヴェップ」撮影のため単身パリにやってくるのですが、監督はノイローゼで撮影が進まない。 マギー・チャンは現地スタッフとも折り合いがいかず、監督の話を聞かされるうちに混乱してきたチャンは、映画の衣装を着て盗みを働いてしまうと云うような異色の作品なんですね。 Irma Vep (1996) ORIGINAL TRAILER この作品がきっかけで、チャンは「イルマ・ヴェップ」の監督、オリヴィエ・アサヤスと結婚することになりますが、後に離婚してます。 しかし、離婚後もアサヤスが監督した「クリーン」で主演にマギー・チャンを起用するなど親交はあったのですね。 この「クリーン」でチャンは、カンヌ国際映画祭の女優賞を受賞することになります。 さて、問題は「イルマ・ヴェップ」です。 チャンが着ている衣装や盗賊と云うセッティング、なんか連想しません? 私には映画「バットマン」に登場する"キャットウーマン"とオーバーラップしてしまうんですよね。 キャットウーマンは、盗賊だけど、最後は正義のためにバットマンを助ける。 衣装にしても、「イルマ・ヴェップ」に酷似してます。 キャットウーマンは1940年のアメリカン・コミックスで初登場してるので、「イルマ・ヴェップ」公開よりずっと以前のことです。 と云うことは、「イルマ・ヴェップ」がアイディアをパクッたのでしょうか? そうぢゃないんですね。 そもそも"イルマ・ヴェップ"とは何のこと? イルマ・ヴェップとはフランスの連続活劇「レ・ヴァンピール 吸血ギャング団」に登場する女盗賊のことです。 その「吸血ギャング団」が公開されたのは...何と1915年(大正4年)~1916年なんです。 当時ですから、と~ぜんサイレント映画。 その古~い映画の役をマギー・チャンは再演してたことになります。 物語は「吸血鬼」と呼ばれるギャング団を追跡する新聞記者の活躍を描いたもので、全10話もあります。 この「レ・ヴァンピール 吸血ギャング団」を監督したのは、有名な古典的盗賊映画「ファントマ」の監督だったルイ・フイヤード。 ルイ・フイヤードが監督したファントマは1913年~14年にかけて5作品に登ります。 で、この「レ・ヴァンピール 吸血ギャング団」。 公開当時は内容が犯罪賛美、不道徳だと、批評家にコテンパンに叩かれたのですが、第1次大戦中の観客には大ウケ。 ずっと時代が下がって、スリラー映画の巨匠アルフレッド・ヒッチコックにも大きな影響を与えた作品となりました。 主役の女盗賊「イルマ・ヴェップ」はミュジドラと云う女優さんですが、この作品のヒットでいちやくフランス映画界のスターとなりました。 ミュジドラは数々の作品に出演した後に、映画監督や脚本家も務めるようになりました。 この作品成功の要因の大半はミュジドラの妖艶さです。 当時、アメリカにハリウッド初のセックスシンボルとして有名なセダ・バラと云う女優がいました。 彼女のニックネームが「ヴァンプ(The Vamp)」で、要するに男にとっての「運命の女」と云うイミなんですが、ミュジドラが同じようにヴァンプのフランス版「ファム・ファタール」と呼ばれるようになりました。 しかし、ファム・ファタールは同時に「男を破滅させる魔性の女」と云うイミでもあるのですね。 ほとんどの場面が即興で撮影されてるのです。 しかもオモシロイことに場面ごとに色合いを使い分けて撮っているのです。 と、云ってもカラー作品と云うことではなく、ネガ全体に色づけしてるのですね。 琥珀色は昼間の室内、緑は昼間の屋外、青は夜間または暗がり、ラベンダーはナイトクラブや夜明けといった薄暗いところと、この時代にしては大胆な演出です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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