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ポムブログ~ポム・スフレの名曲大百科

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全656件 (656件中 1-10件目)

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2008.09.30
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テーマ:洋楽(2568)
カテゴリ:ビートルズ
いつまでも忘れられない場所がいくつかある
昔の面影がなくなっても 忘れることのできない場所
良くも悪くも変わることのない場所
今ではもうなくなってしまった場所 今もまだずっと残ってる場所

それぞれの場所に色々な思い出がつまっている
今でも鮮やかに思い出せる恋人 友人と過ごした思い出が
中にはもう天国に旅立ってしまった人もいるけど
僕は彼等のことを生涯を通じて愛し続けてきた

僕に関わった人々や起こった出来事を
懐かしむ気持ちはいつまでも変わらない
時おり思い出しては追憶に耽ることだろう
でも今 この人生で僕が何よりも愛するのは君なんだ



---ビートルズの作品中、あるいはジョン・レノンの全キャリアにおいて、僕がいちばん好きなのが「In My Life」である。
アルバム『Rubber Soul』に収録。
情緒あふれるメロディと演奏、シンプルにして哲学的響きを持った歌詞が素晴らしい一曲だ。
シングル・ヒットしたわけではないが、もっとも多くの人達に愛されているナンバーのひとつだろう。
ジョンの伝記映画『イマジン』('88年)のエンド・ロールで流れていたのもこの曲だった。


曲は、ジョンが子供の頃を回想しながら書いた長い詩を原型として作られた。
元の詩には"ペニー・レイン""ストロベリー・フィールド"なる単語も出てくるという。
レコーディングは、'65年10月18日と22日。
まずメンバー達が手持ちの楽器でベーシック・トラックを録り、次のセッションでピアノ・ソロがオーバーダビングされた。

出だしのギター・フレーズの切なくて美しいこと。
穏やかで心のこもった音色は何度聴いてもシミジミする。
ジョンのヴォーカルとポールのコーラスのからみも絶品
その豊かなハーモニーの感触は、同アルバム収録の「Nowhere Man」と対をなすものであり、ビートルズの曲の中でも最良のひとつだ。
"間"を生かしたポールのベース、淡々としたリンゴのドラム・プレイも曲に趣(おもむき)を添えている。
サビ部分で鳴るシンバルが淋しげでとても印象的だ。

もうひとつ特筆すべき点は、間奏のピアノ・ソロだろう。
これを弾くのはプロデューサーのジョージ・マーティン。
なめらかで気品のあるプレイは、幼いころからピアノに親しみ、音楽院でクラシックの勉強をした彼ならではのもの。
ちなみに、レコーディングの際には技術的な問題もあって、原曲のテープ・スピードを半分におとしてオーバーダビングしたのは有名なハナシだ。
結果、完成バージョンではピアノの音が(二倍速になったため)妙に高くなり、チェンバロのようにも聴こえるのだが、これが曲をより格調高いものにしている。
それは、「演奏はバロック風で」という注文をしたジョンの思惑通りのものだった。
ユニークで美しい音色は、まさに"過ぎ去りし日々"を思い起こさせる。
ジョンの想像力とマーティンの技術的ノウハウ、そこに偶発性がからみ合って生まれた名演ですな。

なお、この曲に関してポールは「歌詞を書いたのはジョンだが、メロディを主に作ったのは僕」という発言をしており、「誰の作曲か?」ということで論争にもなっている。
個人的にはジョンの曲のような気がするのだが、今となってはもう真偽のほどは分からないだろう。
でも、そんなことどうでもいいじゃない、と。
歌詞やメロディはもちろん、素晴らしいハーモニーを持つこの曲は、ジョンとポールが一緒にいたからこそ生まれたのだから。
「In My Life...I Love You More」とやさしく歌われるエンディングを聴くたびに僕はそんなことを思う。

「In My Life」は、『ローリング・ストーン』誌の『最も偉大な曲500』("The 500 Greatest Songs of All Time") では23位、CBC の『50曲』("50 Tracks") においては2位に選出。
カバー・バージョンも数多く、クロスビー・スティルス&ナッシュ、ベット・ミドラー、キース・ムーン、アストラッド・ジルベルト、ロッド・スチュワート、オジー・オズボーンなど様々な人に歌われた。
ビートルズが演奏していたというキャヴァーン・クラブ(※)の入り口には、この曲の歌詞を彫ったボードが掲げてある。



どんな人間にも忘れられない場所や思い出があり、"たいせつな人"がいる。
僕もそうだ。
立ち止まり、振り返る。そしてまた前を向いて歩きだす。この繰り返しだ。
だが、どんな時でも自分の中で音楽は流れている。
今日の歌は「In My Life」だ。
さて、次は何にしよう。





-----ということで「ポムブログ~ポム・スフレの名曲大百科」は、
今回をもちましていったん終了とさせていただきます。



ブログを開設したのが2005年の6月7日。
記事の数は656件。
総計、約20万ヒット。
休止していた時期をのぞけば、約二年半の連載でした猫

やり残したことはまだまだあるので心残りではありますが、ここらでひと区切りをつけようと思います。
今まで読んでくれた方々、本当にありがとうございましたスマイル

またいつの日かお会いしましょう。
その時まで"名曲大百科"のバトンは皆様にお渡しいたします
これを見てくれている全ての人に幸あれ!\(´ー`)ノ


つーコトでポム・ブログ最後のここをクリック!



ご愛読ありがとうございました。


See You Someday......星


※ '84年に再建されたもの






Last updated  2008.10.02 01:35:29
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2008.09.29
テーマ:洋楽(2568)
カテゴリ:80年代洋楽
ドゥービー・ブラザーズの音楽性は大ざっぱに言って、前期と後期に分けられる。
前期はトム・ジョンストン(Vo,G)をメインとしたR&R、後期はマイケル・マクドナルド(Vo,Key)を中心としたAOR風ポップスだ。
両者にはまったく通じるものがないというわけでもないが、基本的には別の音楽だ。
だから優劣をつける意味はないし、どちらを良しとするかは単純に個人の嗜好による。

で、ある愚か者の場合……もとい自分の場合はというと、聴くことが多いのは前期の方だ。
トム・ジョンストンのおおらかな歌声と豪快で泥臭い演奏は、聴いていてなんとも気持ちいい。
曲は分かりやすくてポップ。時には切なかったりもする。
適度にハードでコーラスもバッチリな彼らは、イーグルスとはまた違った意味での偉大なウェスト・コースト・ロックだ。
浴びるように聴いた3rd『Captain And Me』('73年)なんかは、今でも全曲歌えますぜ(…たぶん)

そんなドゥービーだったが、'74年にはトム・ジョンストンが病気のために離脱
バトンは、代わって加入したマイケル・マクドナルド(スティーリー・ダンのツアー・メンバーだった)に引き継がれることとなる。
以降も'78年の「What A Fool Believes」(全米1位)を頂点として成功をおさめていくが、音楽性の変化に伴うようにメンバーもどんどん入れ替わっていく。
結局、オリジナル・メンバーで最後まで残ったのはパット・シモンズ(G,Vo)だけだった。
そしてバンドは'83年に解散を宣言。
「フェアウェル・ツアー」と銘打った大規模なラスト・コンサートにはトム・ジョンストンもゲスト参加し、盛大に幕を閉じた。

それから六年後の'89年にドゥービーは再結成する。
メンバーはトム・ジョンストンを中心とした前期の面々だった。
当時は、往年のバンドが次々と再結成したり人気を再燃させた時期だったが、ドゥービーもそのひとつと言えよう。
通算十枚目のオリジナル・アルバム『Cycles』(上ジャケット)もこの年に発表された。

「The Doctor」はそこからのシングルで、全米9位を記録したロック・ナンバーだ。
ポップな楽曲、全盛期を思わせる歌と演奏は、往年のファンだけでなく自分のような(当時の)新しいリスナーも魅了するものだった。

イントロの躍動感あふれるピアノとギター・リフでツカミはばっちり。
ツイン・ドラムの音色は重厚で頼もしい。
張りのあるトムの歌声、ダイナミックなバンド・アンサンブルには有無を言わさず引きこまれる。
コーラスを効かせたサビも最高。
むくつけき親父たちの「Music Is The Doctor」というフレーズに心がおどる。
今でも聴くたびに元気をもらえる、パワフルで楽しい一曲ですスマイル

アルバムもそこそこのヒット(全米17位)を記録し、再結成はひとまず成功。
バンドは'89年、'90年と来日も果たし、さらにファンを喜ばせた。
その後もバンドはライヴを中心に活動を続けていく。
21世紀に入ってからはメンバーの死去に見舞われるなどのアクシデントもあったが、現在でもトムとパットを中心にドゥービーは健在のようだ。

彼らの音楽には、ポジティヴな響きと頭の中を駆け抜けるような爽快感がある。
アメリカン・ロックの醍醐味を伝えてくれる、愛すべきマリファナ兄弟たち。

つーコトで「The Doctor」を聴くにはここをクリック!
Music Is The Doctor
いい音楽は、健康にも良いのだ\(´ー`)ノ






Last updated  2008.09.29 08:27:02
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テーマ:洋楽(2568)
カテゴリ:70年代洋楽
大好きってわけでもないけど、時々ムショーに聴きたくなってしまう曲がある。
ルパート・ホルムズの「Escape」もそのひとつだ。
'79年12月22日付ビルボード第1位。
70年代最後の全米ナンバー・ワン・ヒット曲である。
昔、これが収録されている『Partners In Crime』の中古LPを、掘り出し物市の百円コーナーで買ったのはワタシですスマイル

ルパート・ホルムズはイギリス生まれのニューヨーク育ちというミュージシャンだ。
'47年生まれの彼は、裏方として音楽業界で仕事をはじめ、ジーン・ピットニー、ドリフターズ(もちろん黒人グループの方)、パートリッジ・ファミリーなどに曲を提供していた。
「Tracy」('69年、米9位)のヒットで知られるグループ、カフ・リンクスにも一時在籍してたというトリビアな過去もある。

そんな彼の、自身のアーティスト・デビューは'74年。
1stアルバム『Widescreen』は商業的には失敗したが、そのアルバムを聴いたバーブラ・ストライザンドはルパートの曲を取り上げ、プロデューサーとしても招いた。
その後、ジョン・マイルズやスパークスなどのプロデュースを手掛けた彼は、'78年に名盤の誉れも高い『Pursuit of Happiness(浪漫)』を発表。
さらにその翌年に発表されたのが『Partners In Crime』だった。

「Escape (The Piña Colada Song)」は、そこからの第二弾シングルである。
AOR寄りの軽快なポップ・チューンで、"ピニャ・コラーダ"(←カクテルの一種)という名前を広めるのに一役かった名曲だ。
この曲の一番の特徴は、歌詞がひとつのドラマ仕立てになっている所だろう。

ストーリーを要約するとこうだ。
男は、今の恋人と倦怠期を迎えている最中だ。彼は新しい刺激を求めていた。
ある日彼は、雑誌かなんかの文通広告欄(今でいう出会い系)に載っていたひとりの女性の文章に興味を持ち、アプローチを試みる。
二人はバーで会うことになったのだが、約束の日にバーに入ってきた女性の顔を見て、男は仰天する。
その女性は、飽き飽きしている今の自分の恋人だったのだ。
相手も自分と同じ鬱屈した思いを抱えていたのだ。
この出来事がきっかけで、二人は互いを見つめ直し、そしてやり直すのでした--------じゃんじゃん。
ん~、ライト系短編小説というか、お手軽なハリウッド映画みたいですね。

楽曲的にも、小粋で覚えやすいメロディ、オシャレだけど歯の浮かないサウンドは悪くない。
ルパートの歌声も、いい意味で中庸だ。
秋の夜長に聴くにはちょいとオススメな一曲です。
お供としてピニャ・コラーダがあれば、なお良し。なんちってスマイル
ちなみにこの曲、「シュレック」、「マーズ・アタック」、「デトロイト・ロック・シティ」など、映画の中で使われることも多いです。

これが収録されている『Partners In Crime』は、他にも全米6位を記録した「Him」や「Nearsighted」、「Answering Machine」などの佳曲が入った一枚。
あるいは「Speechless」、「Terminal」などの名曲も入っているベスト盤で聴くのもいいかも。

なお、現在のルパートさんはポップ・フィールドから距離を置き、劇作家、小説家として活躍中との事。
やっぱりドラマを書くのが好きなんですね、この人猫


つーコトで「Escape」を聴くにはここをクリック!
If you like Pina Coladas, and getting caught in the rain...♪






Last updated  2008.09.29 08:32:18
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2008.09.28
テーマ:洋楽(2568)
今から30年前に発表された「Miss You」は、ローリング・ストーンズにとって八曲目の、そして現時点での最後の全米No.1ヒットである(イギリスでは3位)。
クレジットはミック・ジャガーとキース・リチャーズの共作となっているが、ほとんどミックがメインで作った曲らしい。ビリー・プレストンとのセッション中にインスピレーションを得たのだとか。
また、ジョン・レノンは、この曲を聴いて「自分の作った『Bless You』(※)を下敷きにしている」と言ったなんてハナシもある。
下敷きですか、う~ん。
まあ、似てると言われれば確かに似てるかな
…………タイトルがねスマイル


曲は、アルバム『Some Girl(女たち)』からの先行シングルとして'78年に発売されている。
当時流行していたディスコの要素を取り入れたサウンドが大きな話題となり、12インチ盤のシングルによるロング・ヴァージョン(というかそちらがオリジナル・テイク)も発売された。
当初はキワモノ扱いされたというこの曲。
ミックは「『サタデー・ナイト・フィーヴァー』が流行る前から出来ていた」とか「ディスコ・ソングとは思っていない」と発言しているが、そこはしたたかな彼のこと。
多かれ少なかれディスコを意識していたのは間違いないだろう。
歌は世につれるもの。
"流行は正しい"、"ポップスはヒットしてナンボ"というミックの主張が聞こえてくるような仕上がりだ。

とはいえ、時代の音を取り入れながらも、しっかりと"ストーンズの曲"になっている所はさすが。
サウンドは程よくスカスカ(笑
ミックの、ふてぶてしくてネチっこい歌声がズカズカと耳に入りこんでくる。
スキャット部分で聴けるファルセット・ヴォーカルがとてもセクシーだ。
ビル・ワイマン&チャーリー・ワッツのリズム隊も強烈。このグルーヴ感は真似できるようでマネできない。
キース&ロンによるぶっきらぼうなコーラスもヘタカッコいいですグッド

ゲスト・ミュージシャンの演奏も聴きのがせない。
イアン・マクレガン(スモール・フェイセズ/フェイセズ)の弾くエレピは妖しくてメロウだ。
それまでは路上で演奏していたという黒人ミュージシャン、シュガー・ブルーの吹くハーモニカも曲にブルージーな印象を添えている。
そして、間奏で短いサックス・ソロを聴かせるのは、キング・クリムゾンやキャメルのメンバーとして知られるメル・コリンズだ。
三人のプレイヤーがそれぞれの音を出しているのに、そのどれもがストーンズの中に溶け込んでしまっている。
この胃袋の大きさもバンドの生命力というべきか。

「Miss You」は、現在でもライヴで必ず演奏されるストーンズ・クラシックのひとつだ。
ロック、R&Bをベースとしつつも、"なんでもあり"な姿勢で転がり続ける彼らの底力を見せつけられる傑作と言える。
なお、この曲およびアルバムの録音に際しては、キース・リチャーズは間接的な参加のみとなっている。
同時期に起こっていた、彼の麻薬所持問題のためだ。
裁判沙汰にまでなったキースは、当局に監視され自由に身動きがとれず、パリで行われたセッションのテープを送ってもらい、自分のパートだけを演奏するという形をとった。
ギターの音がどこかふてくされているように聞こえるのは、そのせいだろうか。

それでも、この時のセッションは実りあるものだったらしく、全部で50にも及ぶ曲が録音されたという。
「Respectable」「Lies」といったパンキッシュな曲にもその勢いは表れている。
「たかがロックン・ロール」とウソぶきながら、たくましく時代を生き抜いてきたストーンズ。
この当時はまだ、"日本に来ないバンド"だったストーンズ。
そんな彼らのギラギラした魅力は、アルバム『Some Girls』にもたっぷりと詰めこまれている。

「Miss You」を聴くにはここをクリック!


「この国(イギリス)には、世界に誇れるものがふたつある。
ひとつは女王陛下。
もうひとつは俺だ」------ミック・ジャガー


※ ジョン・レノンの'74年のアルバム『Walls And Bridges』に収録。






Last updated  2008.09.28 06:22:57
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2008.09.27
テーマ:洋楽(2568)
カテゴリ:60年代洋楽
10月からはじまるドラマ『流星の絆』の番宣で、デヴィッド・ボウイの「Space Oddity」が使われていますね。
おろ、ひょっとして主題歌に起用ですか?
これがキッカケでボウイ、平成のお茶の間でブレイク?

…かと思ったら、ドラマの主題歌は嵐の歌う『Beatiful Days』でしたね
まあ、主演が二宮クンやNewsの錦戸クンなだけに妥当なトコロか。

じゃあ何でボウイの曲を使うんだよ、って。
挿入歌か?
つーか、ひょっとして"Ziggy Stardust"にひっかけただけか?
なら、むしろ「Starman」を使えよ、とも思うのだが。
くだらない前フリはこれくらいにして、↓以下本題。


「Space Oddity」は、'69年にリリースされて全英5位を記録した名曲だ。
'64年にデビューしたものの、しばらくは鳴かず飛ばずだったボウイにとっての出世作でもある。
同じ年に発表された同名アルバム(上ジャケット)に収録。
タイトルからも分かる通り、スタンリー・キューブリックの映画に着想を得た作品で、元々はボウイ主演の実験映画『Love You Till Tuesday』の主題歌として作られたものだった。
歌詞は宇宙空間を漂うトム少佐と管制塔の会話という形式で成り立っている。
決して難解ではないが、適度な抽象性と哲学性を持つ内容は、ボウイのアーティスティックな個性を示すものだ。

現在聴けるヴァージョンは、シングル用に改めて録音されたテイクで、アポロ11号が月に降り立つ予定日とされていた7月11日にリリースされている。
実際にアポロ11号が月面着陸したのは7月20日だったのだが、当時のイギリスではそれに合わせて「Space Oddity」がラジオで盛大に流れたという。
'75年には「Changes」とのカップリングで再発もされ、全英1位を記録した。

曲は、ボウイの弾く12弦ギターのコード・ストロークから始まる。
ドラムを叩くのはペンタングルのテリーコックス、メロトロンを弾くのはリック・ウェイクマン
空間的なアコースティック・サウンドとセンチメンタルなメロディが強い印象を残す仕上がりとなっている。

楽曲的にはビージーズの「The New York Mining Disaster 1941」にインスパイアされたというフォーキー・ポップだが、そこはボウイ。
演奏全体にただよう妖気と浮遊感がすでにこの男の非凡さを示している。
特にタメを効かせたブリッジ部分からサビへいたる所などは見事な展開で、吸いこまれるような不思議な快感がある。
サビ部分では、ボウイの歌もさることながら、耽美的なストリングスも聴き所。
これは、プロデューサーであるガス・ダッジョン(エルトン・ジョンを手掛けたことでも有名)の手腕か。
はかなげなその音色は胸に迫るものがあり、ボウイの憂いあるヴォーカルと合わさって、宇宙からひとり地球を見下ろす男の孤独をうまく表現していると思う。
「For here,am I sitting」というくだりの後ろで不安げに鳴る管楽器(ピッコロ?)も効果的だ。

対して、ブレイク部分ではリズミカルなコード・ストロークと手拍子が飛び出す。
ウェットに流れそうな所をキャッチーなアレンジで中和するという作りがウマイなぁ。
かと思えば、間髪をいれずサックスの切ない音色(吹いているのはボウイ)が広がり、曲は二転三転。
複雑でドラマティック、ある意味プログレッシヴな構成ながら、コンパクトなポップ・ソングとしてまとまっている所にこの人の才気がはっきりと表れていますね。

曲は、「地球は青い」「僕が出来ることなんて何もないんだ」というトム少佐の言葉で終わる。
そのまま管制塔への音信は不通になってしまうという結末らしい。
彼は地球へ戻ることなく、そのまま宇宙の中へ消えていったのだ。
事故なのか、それとも自ら"スターダスト"になることを選んだのか。
スペーシーな金属音によるエンディングは、聴き手の様々な憶測を可能にする


……はずだったのだが、11年後のシングル「Ashes To Ashes」('80年)の歌詞の中で、なんとボウイはトム少佐という人物が「ただの麻薬中毒者だった」と歌っている。
これには皆多かれ少かれ驚いた、あるいはヒイたに違いない。「なんじゃそら?ほえーと。
誇るべき自分の過去も、ファンの幸せな幻想も否定したボウイ。
前向きな創作を重んじるこの人らしいといえばそうなのだが、イマジネイティヴな余韻を残すこの曲に、こういう"後日談"はいらなかったと思うけどなぁ犬

まあ、それでも「Space Oddity」が名曲であることには変わりない。
"英国ロック孤高のカリスマ"であるボウイにとって実質的なデビュー作ともいえるこの曲は、発表から四十年たった今もミステリアスな美しさをはなっている。


つーコトで「Space Oddity」を聴くにはここをクリック!
『Love You Till Tuesday』のPVでもある初期バージョンはこちら


※ ポム・スフレのメインHPではデヴィッド・ボウイの名盤『Heroes』について取り上げています。






Last updated  2008.09.28 06:08:56
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2008.09.26
カテゴリ:80年代洋楽
イエローの地にピンクの文字というジャケット・デザインが印象的な『Big Generator』は、'87年に発表されたイエス12枚目のアルバムだ。
本盤は、大ヒットとなった前作『90125』('83年)と同じメンバー、ほぼ同じコンセプトで制作されている。
ここで鍵を握っているのは、ギタリストのトレヴァー・ラビンだ。
南アフリカ出身のアーティストである彼は、ギターだけでなくヴォーカルもとれる男であり、なによりコンポーザーとして優れていた
前アルバム収録のナンバーであり、全米1位を記録した「Owner Of A Lonely Heart」も、元々はラビンのソロ用の曲だったというのは有名なハナシだ(…と思う)。

『Big Generator』のプロデュースは、元バグルス(※1)にして前作のプロデューサーでもあったトレヴァー・ホーンが引き続き担当するはずだった。
だが、レコーディングの途中でラビンと衝突したホーンは、そのまま降板してしまう。
結果、ラビンがプロデュースも担当することとなり、アルバムは彼の色が非常に強い仕上がりとなった。

「Love Will Find A Way」は、アルバムからの1stシングルとなった曲だ。
作詞、作曲はトレバー・ラビン。
メンバーの共作が大半を占める本盤の中での唯一のラビン単独作で、元々はスティーヴィー・ニックスのために書かれたという信じがたいエピソードを持つ曲だ。
曲調的にはプログレ臭はほとんどなく、産業ハード・ポップと呼ぶにふさわしい出来となっている。
ただし、ただの産業ポップではない。良質で美しい、Yesならではのキャッチー・チューンだ。

イントロのギター・フレーズ(※2)からして力がみなぎっている。
続くAメロは、いきなりジョン・アンダースン、クリス・スクワイア、そしてラビンの三声で歌われるという豪華さ。
サビへ向かうBメロ部分はジョンのハイトーン・ヴォイスが目立ち、高揚感を掻きたてる
対して、サビの部分ではラビンの声が目立っているのが面白い。
単に声質の問題で振り分けただけかもしれないが、この当時のバンドの政治関係を象徴した一節にも思える。
ブリッジ部(1:39~)でアンダースンの透明な歌声が響き、最後にラビンが「Away」と歌い継ぐ(1:55)という作りも絶妙だ。
ポップでドラマティックなメロディはもちろん、コンパクトな構成、考え抜かれたアレンジも文句なし。
全米30位とチャート的には振るわなかったが、「Owner Of A Lonely Heart」に勝るとも劣らない最高の一曲だと思う。
この曲と、'94年の『Talk』に収録の「The Calling」、そして「Owner Of A Lonely heart」と合わせて"90125イエス三大名曲"と勝手に位置づけているワタシです。

『Big Generator』はアルバム全体としても素晴らしい出来だったが、前作ほどのヒットにはならなかった。
現在でも世間的な評価は高いとは言えず、ファンの間でも賛否が分かれる作品である。
音楽的に「プログレっぽくない」というのも理由のひとつだろう。
もうひとつは、(前述のように)ラビン色がことさら強いというのがあったのかもしれない。
実際、このアルバムを最後にアンダースンはグループを脱退している(その直後にABWHを結成)。
こうした事実は、人によっては「ラビンがYesをのっとった」というふうに映るかもしれない。
だが、90125イエスは元々ラビンのグループとしてスタートする予定だった(※3)し、彼の指向した「コンテンポラリーなポップ・ロック」は、"プログレ"と呼ばれたバンドが時代を生き抜く方法論として正しかったはずだ。
バンドに新しい活力を吹き込み、80年代以降も延命させたラビンの功績はきちんと評価されるべきだと思う。
"イエスの顔"と呼ぶにふさわしい人物はジョン・アンダースンだろう。
だが、トレバー・ラビンもまたイエスなのだ。

『Big Generator』はプログレではないかもしれないが、Yesというバンドが作った素晴らしいポップ・ロック・アルバムだ、と断言したい。
実のところ、定番の『危機~Close To The Edge』(過去ログ参照)を別格とすれば、個人的にもっとも好きなイエスの作品がこのアルバムなのである。


つーコトで「Love Will Find A Way」を聴くにはここをクリック。
トレヴァー・ラビンに愛の手を!\(´ー`)ノ


※1 一時的にイエスのメンバーでもあった

※2 アルバム・ヴァージョンでは、ギターの前に大仰なチェロが挿入されている。

※3 元々はトレヴァー・ラビン、クリス・スクワイア、アラン・ホワイトのトリオによる"Cinema"というバンドが予定されていた。
そこにトニー・ケイやジョン・アンダースンが加わって新生イエスの誕生となった。






Last updated  2008.10.09 07:58:46
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テーマ:洋楽(2568)
カテゴリ:90年代以降の洋楽
ライラック・タイムの中心人物にして、デュラン・デュランの元メンバー(爆)でもあったスティーヴン・ダフィは、80年代から活動を続けるブリティッシュ・ポップの名職人だ。
豊かな才能にめぐまれながら世俗的な成功にはあまり興味のないお方のようで、発表されたアルバムはどれもハイ・クオリティながらメジャー・シーンから距離を置いているような趣がある。
そんな彼の最高傑作といったらライラック・タイムの3rd『And Love For All』(※)ということになるのだが、ソロ名義の作品も悪くない。

'95年のアルバム『Duffy(ロンドン・ガール)』もそのひとつだ。
美麗なダフィのジャケが印象的な本盤は、当時隆盛をきわめていたブリット・ポップ・ムーヴメントの中で発表されている。
プロデュースはダフィ本人とミッチ・イースター。
演奏にヴェルヴェット・クラッシュが参加していることからも分かるように、アッパーでギター・サウンドを強調したポップ・ロック・アルバムとなっている。

「Sugar High」は本盤の二曲目に収録のナンバー。
ハードかつキュートな演奏が印象的なゆるゆる系パワー・ポップで、個人的にはストライク・ゾーンな一曲だ。
パワフルなギター、ほんわかしたビート、サビで炸裂する甘いメロディの組み合わせがたまりません。
ダフィのひかえめな歌声にも心を惹かれるものがある。
コーラスはビートルス風、要所要所で聞けるカスタネットはフィル・スペクターなど、アレンジはポップスのツボを押さえている。
後ろでさりげなく鳴るアコースティック・ギターもいい隠し味だ。
お約束の手拍子もしっかり挿入されるなど、言ってみれば王道的な作りなのだが、そこが逆にポップスの快感を与えてくれる。
ダフィの職人的なセンスが発揮されたチャーミングな一曲です。

他にもシングルになった「London Girl」や、「She Freak」、「The Kids In Every Corner」などの佳曲が入った本盤は、現在ボーナス・トラックつきで再発されている。
が、この前中古屋で見たオリジナルCDの値段は三百円だった。安っ!ほえー
ダフィ、日本じゃ人気ないのね~。
ルックスも音楽的才能もピカイチなお方なのにさ。
最近じゃ同名の女性シンガーも出てきたし、ますます影が薄くなるやん(泣


つーコトでポップ好きな方は、ためしに聴いてみてください。
結構ツボるかもよ~スマイル

「Sugar High」を聴くにはここをクリック!
ライラック・タイム時代の名曲「All For Love And Love For All」を聴くにはこちら


※ ポム・スフレのメインHPではライラック・タイムの名盤『And Love For All』について取り上げています。






Last updated  2008.10.06 21:31:46
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2008.09.25
テーマ:洋楽(2568)
カテゴリ:80年代洋楽
僕がリアルタイムではじめて聴いたヴァン・ヘイレンのアルバムは『5150』('86年)である。
つまりヴォーカリストがサミー・ヘイガーに代わった頃だ。
それまでは、ラジオで流れていた「Jump」(過去ログ参照)以外ヴァン・ヘイレンをほとんど知らなかった僕は、「へ~、ヴァン・ヘイレンてこんな感じなの」と思いながら『5150』を聴いていた。


デヴィッド・リー・ロスのアルバム『Eat 'Em and Smile』が発売されたのは、それからほんの数ヵ月後(というかほぼ同時期)だったと思う。
Eat Em And Smile

↑すごいジャケット……(笑
ヴァン・ヘイレンの前ヴォーカリストだった彼にとって初の本格的ソロとなる本盤は当時大きな話題となり、「ヴァン・ヘイレンに対する挑戦状」みたいな言われ方もしていた。
ラジオでは、シングル・カットされた「Yankee Rose」がかかりまくっており、あるDJなどは「こっちの方がヴァン・ヘイレンらしい」みたいなことを言っていた。
バックを固めるのはスティーヴ・ヴァイ(G)ビリー・シーン(B)という途方もないメンツである。
当時のデヴィッド・リー・ロス・バンドは、演奏力という意味では、本家にも決して劣っていなかった。

ハード・ロック好きだった僕の先輩も「絶対にデイヴ時代の方がいい。サミーはクソ」などと断言していた。
クソですか先輩。そいつぁヒドイ。
と言いつつ、サミーには悪いが、僕も65%くらい同感だ(笑
デイヴは技術的にうまいヴォーカリストではないが、ヴァン・ヘイレンのサウンドや音楽性にぴったりだった。
ワイルドでアクの強いダミ声とエンターテイメント性あふれるキャラは、エディのギターと合わさって唯一無比の"バンド・マジック"を生み出していたと思う。
サミーのヴァン・ヘイレンも決して悪くはない。
彼は歌は上手いしギターも弾ける。
だが、サミー時代のヴァン・ヘイレンは、商業的には大成功したものの、デイヴ時代にくらべて音楽的な面白みは低下していたというのが僕の意見だ。

ヴァン・ヘイレンは基本的にエディのバンドだ。
だが、デイヴという男がいてこそ、このバンドは輝きを増すのだと思う。
大股を広げてジャンプをするのが得意な彼の愛称は"ダイヤモンド・デイヴ"だ。


『Skyscraper』は、そんなデイヴの2ndアルバムである。
発表は'88年。これもまたヴァン・ヘイレンの『OU812』の発表と同じ年だった。
バックのメンバーは前作と同じ。
違うのは、前作に比べてポップ性がより増したこと、サウンド自体もやや丸くなったことだろうか。
ただし全体的なインパクトはもうひとつ。
ポップなのはいいんだけど、曲自体の出来がイマイチなんだよねぇ。中途半端というか。
ビリー・シーンのベースがおとなしめ(デイヴの指示だったらしい)なのも不満が残る。
これじゃ超絶テクのベーシストをやとった意味がないやん、という感じ犬
ビリーが本作を最後に脱退するのもよく分かる仕上がりです。

「Just Like Paradise」は、そんな本盤の中でも突出した一曲だ。
シングル・カットされて全米6位を記録。
デイヴとブレット・タグルという人物の共作で、「まるっきりパラダイス」というおバカな邦題も納得のパーティー・チューンに仕上がっている。
80年代アメリカっぽいカラリとしたイントロが気持ちいい。
スティーヴ・ヴァイのギターも快調に唸りをあげる。
デイヴの悪ガキのような歌声は"うまいヘタ"を越えてロックだ
輪郭のくっきりしたサビメロは一緒に歌うのに最適。
後ろできらびやかに鳴るシンセの音もイイっすグッド

あの時代に量産された産業ポップ・ロックのひとつといえばそれまでだが、デイヴらしさは充分に出ている。
ブレイクでの「Ho!」という雄叫びも気持ちいいこの曲は、彼がまだダイヤモンドの輝きをはなっていた時代の名作と言いたい。
PVと合わせて見ると楽しさ倍増ですぜスマイル
そういえば当時のデイヴは、東芝のCM(これね)なんかにも出ていましたね。

このシングルと共にアルバム『Skyscraper』も全米6位まで上昇。
一応の成功をおさめたデイヴだったが、この直後にはスティーヴ・ヴァイにも逃げられてしまい、以後は音楽的にも商業的にも失速してしまう。
21世紀に入ってからはカバー・アルバムを出したのみ。
すっかり"過去の人"という印象がついてしまった彼だったが、なんと2007年にはまさかのヴァン・ヘイレン復帰(※1)。
ベーシストとしてバンドに加入(※2)したエディの息子、ヴォルフガング・ヴァン・ヘイレンを「黙れクソガキ」と罵倒するなど、ロックな精神も忘れないデイヴ親父でした。

また日本に来るのかな~? ヴァン・ヘイレンとして……


つーコトで「Just Like Paradise」を聴くにはここをクリック!


「黙れクソガキ」発言の映像はこちら
'08年1月26日のライヴ。
この日はエディの誕生日で、突然「Happy Birthday」を歌いだしたエディの息子にデイヴが「shut ur f***in mouth wolfie」と言っている(00:15あたりに注目)。
エディはうろたえて演奏を中断し、場の空気も凍ったが、4:58あたりの所でデイヴが一応フォローのコメントを入れている。


※1 サミー・ヘイガーは'96年にバンドを脱退。三代目ヴォーカリストのゲイリー・シェローンもアルバム一枚のみで脱退した。

※2 ヴァン・ヘイレン結成時からのベーシスト、マイケル・アンソニーは2002年に解雇。2004年のツアーにも参加しているが、"雇われベーシスト"扱いだったとか。






Last updated  2008.09.26 00:47:34
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テーマ:洋楽(2568)
カテゴリ:80年代洋楽
スクイーズは、同時期にデビューしたXTCと並んでニュー・ウェイヴ以降のブリティッシュ・ポップを代表するバンドだ。
英国的ではあるが、XTCやエルヴィス・コステロほど毒気の強くないメロディ・センスは個人的にもビンゴだったりする。
キーボードを軸とした演奏もスマートで聴きやすい。
グルーヴィーなビート・ポップとでも言おうか。
クリス・ディフォードとグレン・ティルブルックによる低音高音ヴォーカルも抜群のコンビーネションだ。
ソングライター・チームとしても評価の高い二人は"小粒なレノン/マッカートニー"といってもいいかも。

そんな彼らだが、日本における知名度はどうもイマイチ
なんせ代表曲として挙げられることが多いのが、ワン・ショット参加だったポール・キャラックの作、ヴォーカルによる「Tempted」だもんなぁ(たしかCMでも使われていた)。
他にもいい曲はい~っぱいあるのにね、このバンド熱帯魚
まあ、確かに華やかさには欠けるワケですが(笑


'87年にリリースされたシングル「Hourglass」は、このバンドの代表曲のひとつだ。
アルバム『Babylon And On』(上ジャケット)に収録のナンバーで、僕が初めて聴いたスクイーズの曲でもある。
ストレンジなビデオ・クリップがMTVで大ウケしたこともあり、イギリスのみならずアメリカでも15位まで上がるヒットを記録。
アメリカでの成功とはあまり縁のない彼らにとって、唯一のTOP20ヒットとなった。

ビートルズ的センスに微妙なヒネリを加えたメロディが印象的。
ポップだが口ずさみにくいサビは、クセになりそうな味わいがある(笑
グレンの歌声は個性には欠けるものの、人懐っこい響きがあり好感がもてる。
すき間を埋めるシンセ・ビート、どこか垢抜けないホーンの音色もステキ。
ブレイクでのチャカポコした打楽器の音も実に楽しい。
「Up The Junction」、「Cool For Cats」、「Another Nail In My Heart」と並ぶスクイーズ流ポップ・ソングとしてオススメです。

ちなみに、現時点における彼らの最後のオリジナル・アルバムは'98年の『Domino』。
21世紀以降は、クリスとグレンの仲たがいで活動を停止してた時期もあったようだが、現在はふたたびライヴを行っているとのこと('09年1月にはグレンが単独で来日の予定)。
去年('07年)はライヴ盤も出たことだし、ここらで久々の新作を期待したいトコロですね。

なお、'79年の2nd『Cool For Cats』はブリティッシュ・ポップを代表する名盤としてイチオシの一枚です(解説はこちら)。
このグループに興味を持った方は迷わず購入されることをオススメしますウィンク

つーコトでとりあえず「Hourglass」を聴いてみよう。
ここをクリック!
『Cool For Cats』に収録の名曲「Up The Junction」はこちら






Last updated  2008.09.25 05:40:16
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2008.09.24
テーマ:洋楽(2568)
カテゴリ:70年代洋楽
童話の挿絵みたいな上のジャケットは、「世界一悲しい声の持ち主」と言われるロバート・ワイアットが結成したマッチング・モウル(そっくりモグラ)のアルバムである。
'45年生まれのワイアットは、イギリスのプログレ/サイケ・ポップ・バンド、ソフト・マシーンのドラマーでありヴォーカリストだった。
ソフト・マシーンの1stから4thアルバムまで参加したワイアットだったが、音楽性の違いを理由に'70年にグループを脱退(本人いわくクビだったとか)。
その翌年に、元キャラヴァンのデヴィッド・シンクレアやフィル・ミラーと組んで新しく結成したのがマッチング・モウルだった。

1stアルバム『Matching Mole』の発表は'72年。
バンド名は、ソフト・マシーン(Soft Machine)のフランス語読みであるマチンヌ・モル(Machine Molle)をもじったものだとか。
不思議な感触をもつポップ・ソングと緊張感のあるジャズ・ロックが同居した音楽性は、ある意味ソフト・マシーンの音楽をワイアット流に受け継いだものと言える。
そしてそれは、プログレというかどうかはともかく、カンタベリー・サウンドと呼ぶにふさわしい個性を持っていた。

アルバムの冒頭を飾る「O Calorine」は、ワイアットとデヴィッド・シンクレアの共作による哀しくて美しい一曲。
のちの名唱「Sea Song」や「Shipbuilding」(※)にも通じる珠玉のバラード・ナンバーだ。

曲は、ワイアットの弾くメロトロンからはじまる。
淋しげで、どこかほのぼのとした音色。
それを包みこむデヴィッド・シンクレアの優しいピアノがたまらない。
メロディはやや暗めだが、ポップで耳にスッと入ってくる分かりやすさだ。
後ろで淡々とリズムを刻む打楽器の音も、なんともいえない。

ワイアットはこの時28歳。
彼の歌声はくぐもっており、すでに何かを達観しているかのような老成感がある。
同時に、そこにはセンシティヴで少年の心を残したような純朴さも感じられる。
「I Love You Still...Caroline」というストレートな一節も胸を打つ、ワイアット印の名唱だ。

この後、もう一枚アルバムを残してマッチング・モウルは一旦解散する。
新しいバンドの結成に向けて意欲的にリハーサルをこなしていたワイアットだったが、神は彼に残酷な仕打ちをする。
その直後('73年7月)に起こった転落事故により、ワイアットはなんと下半身不随になってしまうのだ。
ドラマーとしての生命を絶たれたどころか、歩くことすらもできなくなった彼は、絶望の淵に立たされながらも曲を書き続けた。
そして'75年、友人達のあたたかいバック・アップを受けて、ワイアットは車椅子に座ったまま音楽シーンへの復帰を果たし、現在に至る。
そんな彼の壮絶なミュージシャン人生を思うと、「O Caroline」の歌声がよけい胸に突き刺さる涙ぽろり

マッチング・モウルのほか、ワイアットのソロ・アルバムは『Rock Bottom』、『Nothing Can Stop Us』、『Shleep』など名盤多数
モンキーズの曲をカバーした「I'm A Believer」での、はかなげな歌唱も忘れられない。
運命にもめげず、今も歌い続ける孤高の音楽家ワイアット。

つーコトで、「O Caroline」を聴いて彼の世界に触れてみよう。
ここをクリック。
車椅子の戦士の歌声に泣け!


※ エルヴィス・コステロの作品






Last updated  2008.09.24 06:43:38
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