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テーマ:洋楽(3286)
カテゴリ:70年代洋楽
「しぇ~ぇり~♪」というフランキー・ヴァリの裏声ヴォーカルは、確かに強烈なインパクトがある。 そんな所もふくめて、「フォー・シーンズ=60年代アメリカン・ポップスの偉大なグループ」というイメージを持つ人が多いのではないだろうか。 実際、60年代中盤までの彼らは、ビーチボーイズと人気を二分する存在だった。 「Sherry」のほか、「Walk Like A Man」、「Dawn」、「Rag Doll」、「Let's Hang On」など、代表作とされる曲が集中しているのもこの時期だ。 ベイ・シティ・ローラーズのカバーで知られる名曲「Bye Bye Baby」も、'65年に発表されたフォー・シーズンズのバージョンがオリジナルだ。 しかし、自分がいちばん好きなフォー・シーズンズの曲は、70年代の作品である「Who Loves You」だ。 '75年発表。邦題、『愛はまぼろし』。 作者は、グループの元メンバーにして、ヒット曲のほとんどを書いてきたボブ・ゴーディオと、のちの愛妻となるジュディー・パーカーである。 60年代に数々のヒット曲を出したフォー・シーズンズだったが、'68年リリースの「Will You Still Love Me Tomorrow」(全米24位)を最後に、グループはチャートのTOP40から姿を消す。 それまでのレーベルだったフィリップを離れ、'72年にはモータウンからアルバム『Chameleon』を出すものの、これもうまくいかなかった。 そして75年、フランキー・ヴァリのソロ・ヒットを経て、グループは新しいレコード会社、ワーナーと契約する。 だがその時には、ヴァリ以外のメンバーは入れかわっており、「Sherry」のヒットを出したあのフォー・シーズンズとはまったく別のグループになっていた。 「Who Loves You」は、同名アルバムからの最初のシングルである。 当時の流行であるディスコ・サウンドを取り入れたこの曲は、'75年11月に全米3位を記録。 新生フォー・シーズンズの存在を印象づけると共に、グループ最大のヒット曲である「December, 1963 (Oh, What a Night」('76年、全米1位)の予告編にもなった。 ハイハットとシンバルを使ったリズミカルな出だし。 そこにファルセット・コーラスによる美しいメロディ、切ないストリングスとグルーヴィーなベースが重なり、聴き手の耳を引く。 続いてフランキー・ヴァリのリード・ヴォーカルも登場。 ここでの彼の歌声は、力強いバリトン・ボイスだ。 曲は、ハードなテンションを保ちつつも、ダンサブルで高揚感にあふれた展開を聴かせる。 ヴォーカルとコーラスの絶妙なかけ合い。タイトでファンキーなドラム。 シンセ・ベースの音はなかなかにヘヴィだ。 中盤では、いったんブレイクして複雑に織り重なったハーモニーが出てくるなど、アレンジ面でも考えられている。 素直にカッコいい曲だと思う。今の耳で聴いてもだ。 流行を意識しつつも、しっかりと作りこまれた楽曲と演奏は"プロの仕事"を感じさせる。 この新生フォー・シーズンズも非常に質の高いグループだっただけに、人気が長続きしなかったのは残念だった('77年以降これといったヒットは出ていない)。 フォー・シーズンズの音楽は、ホワイト・ドゥーワップだけでなく、ソフト・ロック、モータウン風、ディスコなどさまざまな側面があり、そのどれもが魅力的だ。 ヴァリの個性的な歌、明快なメロディ、そして常に時代を見据えた上でエンターテイメントなサウンドを作りあげる姿勢には頭がさがる。 その影響はビリー・ジョエルや山下達郎のような大物にも見てとれる。 このグループには、有名曲以外にも素晴らしい歌がたくさんあるので、興味のある方はどうぞ 個人的なおすすめアルバムは『Rag Doll』、『New Gold Hits』、『Who Loves You』あたりか。 '84年に出されたビーチ・ボーイズとの共演盤が聴きたいよ~ぅ(泣 つーコトで「Who Loves You」を聴くにはここをクリックだ。 オイラは恋のハリキリ・ボーイ!\(´ー`)ノ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.08.19 04:08:55
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