日曜、F1が閉幕した。
F1会場は、真ん中に湖のある大きな公園。
オンリード、オフリードエリアと分かれているものの、
ワンコとのんびり休日を過すには気持ちのいい場所である。

佐藤琢磨選手の名前と顔がわかるくらいで、カーレースには
全く疎い私。
こちらにいる間に機会があれば観戦したいとも思うが、今年は
やめておいた。

夕食時、コロッケをパクつきながら、のえぱぱが言った。
「昨日は、あちらこちらで、交通違反やスピード違反の取締りを
したらしいなぁ～。朝、ラジオ（のDJ）で言ってた。」
「あ～、F1観戦して、その気になっちゃう人が多いのね～」
「そうらしいわ～」

アクション映画を観て、自分も強くなった気になるのと同じである。
この都市で開催されるF1は、一般道がサーキットとなる。
その気になってしまう走り屋さん達も多いのだろう。

日曜日、私達もそんな車を何台も見かけた。
我が家を出てすぐの片側1車線＆サイクリングロードの道路。
お店の前にある駐車場に入るため、左ウィンカーを出して
サイクリングロードに停車しているワゴン車に、クラクションを
けたたましく鳴らし続けながら、ものすごいスピードで
突進してきた赤い小さな日本車。
ちょっと斜めに停車していたワゴン車の脇をスピードを落とし
走行していた私達は、その2台が衝突するのではないかと
ハラハラした。
振り返ると、その赤い車には、フェラーリのマークのついた
お揃いの真っ赤なジャンパーを着込んだお嬢さんがふたり。
しかも、車のフロントガラスには "P" マーク！

"P（Provisional Licence の略）マークとは、初心者マーク。
ちなみに、"L（Learner's Licence の略）" マークは、
仮免マークである。
夏休みの時期になると、この "L" マークをつけた車が増え、
新学期が始まった現在は、"P"マークをつけた車が激増したように
思える。

このお嬢さん達、右折レーンに入った私達の車を猛スピードで
追い越していった。
日本でも、車の免許を取得したばかりの若者の無謀な運転や
事故は多い。
こちらでも同じかもしれない。

以前にも書いたことがあるが、そんなに車を飛ばしたいなら、
カーレーサーになればいい。
カーレースは、立派なスポーツなのだから。
正々堂々と、命懸けで極めればいい。
無謀な運転をし、他のドライバーにどれほど迷惑をかけているか
想像すらできない人に、命を懸けるほどの過酷なスポーツをする
勇気はないと思うが。

レースの度に、自分の「生と死」に向き合う・・・
カーレースとは、なんと過酷なスポーツなのだろう。
以前、とある選手が出演していたTVのトーク番組を観ていて、
そう思った。
彼の話は、サーキット場以外での日々の生活が、彼にとって
いかに大事であり、それをとても大切にしている様子が伝わって
くるものだった。

この春、新しい生活を始められる若いみなさん。
みなさんの前途をあたたかく見守ってくれている人がいること、
みなさんの身に何かあると悲しむ人がいることをどうか忘れないで
いてください。
全ての新社会人＆新入生へ、南半球よりエールをおくります！


「ボクたちのサーキットは、コーヒーテーブルの周りです。」
「ママ、ゲートを開けてください。」
朝っぱらから・・・いやですっ！