相模灘 純米吟醸 雄町 無濾過(神奈川県相模原市緑区・久保田酒造)
最近人気の相模灘。32歳、31歳の久保田兄弟が心血を注いで醸す。兄は京都市立芸術大学美術学部で日本画専攻、弟はスノーボード全日本選手権大会優勝というどちらも造り酒屋としては異色の経歴を持つ。そうしたフレッシュな息吹が、日本酒業界に新たな風を吹き込む。それにしても平成の町村大合併で、蔵の所在地が相模原市「緑区」となった。もともとは「津久井町」。これであれば「あっ、津久井湖のあたりだな」と分かる。いまでは相模湖の辺りも「緑区」。もともとは相模湖町だったはず。緑が多いから緑区なのだろうけど、全国どこでもありそうな地名。そういえば「醸し人九平次」を醸す萬乗醸造は、名古屋市の緑区だった。地名変更。こうして日本の歴史は少しずつ消え去ってゆく。話しは逸れっぱなしですが、以前に私がいた品川区の五反田は、島津山と池田山という江戸時代大名(薩摩の嶋津藩と備前の池田藩)の屋敷跡が地名で残っていて誰でも場所が分かり易かった。それが、それぞれ東五反田3丁目と東五反田5丁目となって、地図を見ないとどちらがどっちか分からない。それ以上に、「有楽街」として有名な東五反田のイメージが強すぎて、どちらも住宅地としてのグレードは落ちた。もっとも現皇后陛下がご結婚前にお住まいだった池田山は、今でも豪邸が立ち並ぶ超高級住宅街。(正田家のあとは現在公園。)今の永田町の首相官邸が新築工事中に、小泉元首相が仮公邸として住んでいたのも池田山でした。その頃知らずにフラフラとその辺りを散歩していたら、警備の警察官に職務質問されたことを思い出した。男が独りで車も乗らずにとぼとぼ歩くのが不自然。そんな街。さて、相模灘。東京駅の長谷川酒店で偶然発見。店員に聞けば、最近より扱うようになったと。2年前の「旨い日本酒を飲む会」での鮮烈なイメージが蘇って即購入。雄町米版は4合瓶で1700円。以前にこのブログで報告した「飛露喜・特別純米 無濾過生原酒」を入手の友人宅で飲み比べる。二口目までは飛露喜に軍配!でも四口目くらいからは相模灘に軍配!飛露喜よりちょっと辛くて飲み飽きなかった。どちらも華やかで味のふくらみが豊かなのは共通。なお、正確を期すために追記しておくべきは、同じ無濾過でも飛露喜は生原酒、相模灘は火入れという違いがあります。さて、数日後、大森の日本酒居酒屋「吟吟」で相模灘を発見!こちらは美山錦の特別純米、無濾過生原酒。わたし的には純米吟醸・雄町のほうが好きかな。もちろんこちらも美味いけど。【若き蔵元が醸す逸品】相模灘純米吟醸酒 雄町 無濾過火入れ720ml価格:1,700円(税込、送料別)