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イタリアで食べたい

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Mar 24, 2005
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カテゴリ:ハプニング
このところ、竹島を巡って韓国と日本の間でなんやかやとあるようですが、小さな島を巡る領有権争いは、忘れた頃に必ず起きるようですね。
以前は、日本、中国、台湾の間で尖閣諸島が三つ巴の問題になったこともありました。覚えてますか?
たまたま当時、私は香港に旅行に行って、面白い体験をしました。

香港には小さな島がいくつかあるのですが、その中の1つに、南Y島(ラマ島)という島があります。
巨大な発電所がある以外は、特にこれといった産業はなく、港の周辺には、海上生活をしている人たちの集落があります。
港の周囲には、観光客相手の魚屋兼レストランが並んでいて、活きている魚を選んで料理してもらい、港を眺めながら食事ができる、というとても素敵な場所です。

Y島
 ↑
(手前は船でできた集落。ここで普通に暮らしてます)

私と友人は昼過ぎに島に着いたので、夕食までの間、女二人で島を探索してみることにしました。
小高い山の中の田舎道を、ぶらぶらと歩きます。私たちの少し前には、白人の女の子の二人連れが、やはりぶらぶらと歩いています。
しばらくして、そろそろお茶でも飲みたいなあと思ってきたころ、突然、後ろからコンニチワーと広東語で声をかけられました。
香港の男性です。
おーっと、こんな田舎の島でナンパかあ?私たちのすぐ前には金髪ギャルがいるのに、あえて私たちに声かけたのかあ?すごい見る目がある人かもおっ。
って思ったのですが、実際は冷静に、ハーイ、なんて返事をしました。
で、どこからきたんですかーとか、なにしてるんですかーとか、当たり障りのない会話をして、それなりに打ち解けてきたら、突然、衝撃の告白(私にしてみれば)をされたのです。

「実はね、僕はこの島の警官なんだ。これから仕事なんだけど、よかったら、警察署、寄ってく?」
「・・・・はあ?」
「警察署、この近くなんだよ、来れば?」

イタリア人のナンパに慣れ親しんできた私でも、予想をはるかに越えた展開で、状況を把握するまで数秒かかりました。
そしてようやく、この人は、純粋に国際親善したいんだ、この島に来た観光客を自分なりの方法でもてなしたいんだ、ということに気付いたのです。

私たちは、彼の善意に応えようという思いで、山の上にある警察署までついて行きました。
中に入ると、当然ですが、他にもおまわりさんが数人います。
無線で、本部のやり取りみたいなのが常時流れています。
テーブルに案内されて、当直の他のおまわりさんまで全員やってきて一緒に席につきます。
紅茶が出てきました。でも、私たちは極度の緊張状態です。
一応、おいしいお茶ですねーっ、て言ってみました。
すると、みんな笑うんです。
よーく見たら、ティーバッグでした。
それをきっかけに、おまわりさんたちは、自分たちの仕事のこととか、プライベートなこととか、色々話してくれました。
私たちも夢中になって、自分がなんで香港に来たかとか、つたない英語で話しました。

すると突然、尖閣諸島の話が出たんです。
日本人はどう思ってるの?って聞かれました。
こんなに友好的な雰囲気の中で変なことは言いたくないけど、英語のボキャブラリーもたいしてありません。
私が言えたのは、「日本人もとても心配している。この問題は、国際社会に出して、第三者に解決してもらうべきじゃないかと思っている」ということだけでした。
私がとても真剣に答えたので、おまわりさんたちは、「石油が出るって話が広まったから、みんな急に必死になってるんだよね」と、大人のフォローをしてくれました。

広東語や英語の知識があったら、もっと色々話し合えたかもしれません。
こんな体験をくりかえして、私は外国の食文化を日本に紹介する仕事に一生を捧げる決意を固めていったのでした。ちゃんちゃん!

Y島の駐在さんたちと
ラマ島のおまわりさんたちにかこまれた証拠写真、じゃなくて記念写真。
初めてモザイク処理してみたのですが、場所が場所だけに、あやしい人たちになってしまいました。





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Last updated  Mar 24, 2005 08:26:13 PM
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