サッカークリニッキ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　SOCCER CLINIKKI

「今日はトンカツか。うまそーやな。」
「そういえば、タクん家もヒロん家もほとんど、試合前の日は、必ずトンカツだって。」（クリ母）
「あほな。」
「なんで？」
「その気にさせて、気合を入れるっていうのは、口実で、
献立考えるのが面倒くさいからじゃねえのか？」
「それもある。へへ。」（クリ母）
「試合の前日だからって、消化に時間のかかる油もん食べさせるよりは、
炭水化物中心のごはんの方がいいんやで。」
「そう？」（クリ母）
「そーや。タンパク質、脂質は、試合前の特別食には向かん。
前の晩、試合の朝は、炭水化物中心の食事でエネルギーを溜めておく。
炭水化物は、すぐにエネルギーになるからいいのだよ。けど、極端にする必要はない。
とは言っても、炭水化物ばかりじゃ味気ない。肉があるほうが、おいしーしね。
神経質になる必要はないけど、試合前のトンカツは、実は逆の食べ物だって覚えとけ。」
「あらま。」(クリ母)
「脂分が多いと胃に負担がある。繊維質は、ガスが溜まるから、ほどほどに。」

これから先は、特に水分も十分取らなきゃいけない。
子供が、のどが渇いたと思うときには、もう遅いと考えてよい。
子供は体重に対して大人の何倍も水分が必要。スポーツやってりゃなおさらだ。
のどが渇いたと感じてから補給しようと思っても、
1回の飲む量には、限界があり、一度に飲むとお腹がタプタプになるから、できない。
のどが渇く前に、こまめに水を飲む習慣をつけなきゃいかん。
試合中に摂るのは、汗や呼吸で失った水分を補給するためだから、水とか麦茶でもよい。
飲む量が多いからスポーツドリンクを飲むなら、薄めたほうがよい。
試合後には、使った糖分を補給するため、糖質入りの飲み物がよい。
甘酸っぱい系のジュースとか、スポーツドリンクとか。疲労回復に役立つ。
試合の後は何か食べてもいいな。エネルギー補充（グリコーゲンの生成）は、
運動後すぐに体の中で始まっているから、糖分の飲みものや甘いものはすぐの方がいい。
横浜FCのカズは、試合前や、ハーフタイムにバナナ食べてるらしい。

「そういえば、サバスとかウィダープロテインは、いつ飲むのよ？」（クリ）
「練習や試合が終わったあと30分以内が理想やけど、
練習から、帰ってきてすぐ飲む習慣をつけてればいいんじゃねえか。」
「ふぁーい。」
「タンパク質が、筋肉の生成をするのに、運動後すぐの方が吸収しやすいからな。
成長ホルモンも元は、タンパク質からできる。」
「ふーん。」

「タンパク質食べるときは、よーく噛んで食べな。
肉なんかよーく噛まずに飲み込むとほんの少ししか吸収されない。
そのまんまの形で、ウンチになって出てくる。もったいないやろ。せっかくの肉が。」
「ふぁーい。」
「それにな、噛む力はとっても大事だ。アゴが弱くて口開けて走ってる奴に速い奴はいない。
しっかり噛めると、頭が安定して揺れないから、軸が安定する。
歯が丈夫で、噛み合わせがちゃんとしているかどうかで、パワーが違ってくるんや。
昔、カールルイスという人は、軸を安定させるため、奥歯で噛む面積を広くするように、
歯を矯正して、オリンピックの100ｍと幅跳びとリレーで優勝した。」
「歯で？」
「そうや。ということは、歯をちゃんと磨かなあかんていうこっちゃ。
そういう、自分で体のケアや体を守ることができない奴は、スポーツ選手の資格がない。
歯磨きサボるなよ。」
「だいじょうぶだよ。」
「うそつけ。よく、歯磨きも忘れて眠りこけて、
そのまま朝って、良くやってるじゃんか。特に勉強してるとき。」
「そんなことないよ。最近は、勉強にも燃えてるからね。」
「えー。なんで？」
「なんでって言うことないじゃん。
この前、買ってもらった物理の本読んだら、面白かったから、算数もやるって決めたの。」
「おお。すばらしー。“食う・寝る・遊ぶ”に勉強がつけば、しっかり成長できるぞ。」
「うん。まかして。」
（継続する力こそが、才能です・・・。）


「クリ、はよ寝ぇ。」
「なんで？いいじゃん。明日やすみだし。」
「あのね、成長ホルモンは、夜中の12時頃にいっぱい出る。
その時間に熟睡してなきゃいけない。って言うことは、10時ごろに寝なきゃ。」
「ふぁーい。」
「運動したときと寝てるとき、成長ホルモンが出る。寝る子は育つんや。
外でいっぱい運動して、食べて、良く寝る。背を伸ばしたかったら、やれ。」
「外で運動するのがいいの？」
「骨や筋肉の元になるタンパク質や骨を強くするカルシウムがいっぱい入ったごはんがいい。
そのカルシウムを吸収するのを助けるビタミンDは、太陽の光を浴びて体の中で作られる。」
「ふーん。」
「食う・寝る・遊ぶ。背を伸ばすために必要やで。」
「オッケー。」
（まあ、寝るのは得意・・・。）