大腰筋トレーニング
腰(姿勢)を安定させる筋肉(大腰筋などの深層筋群)を鍛えると、健康、演技力、競技力など、いろんな場面で差が出てくる。身体の中心(腰・股関節部)が安定すれば、身体全体を力強く使える。コアがしっかりしてくると、バランス機能が向上し、どんな場面にも上半身がくずれにくくなる。中田英寿や稲本が、外国人選手に、激しいアタックを受けても転ばないのは、コアがしっかりして鍛えられているからだ。小さな体で敵を吹っ飛ばせる長友なんかもそう。背骨と骨盤、太ももの骨をつないでいるのが腰(下腹)の奥にある大腰筋。その横にくっついている腸骨筋とセットで腸腰筋とも呼ばれる。難しく言うと、ハムストリングスや大臀筋の拮抗筋なので、運動には、すごく重要だし、骨盤を前傾させ、背骨のS字カーブをしっかり保持させる役割もある。これが、猫背を直す。最近では、それだけでなく、前傾しすぎて内臓を圧迫するような骨盤や脊椎も正しい位置に修正してくれる働きもあることが分かっているらしい。また、へっぴり腰になりがちな動きを直してくれる。ぐっと腰の入ったディフェンス姿勢や、敵に押されたときの強さにもなる。もちろん、走るためにはとても重要だ。素早い身体の移動に関係があり、腰がグッと前に出て行く姿勢、離陸脚のスイング動作のスピードを上げられる。鍛えるためには、毎日のトレーニングを欠かさないこと。また、姿勢を正す、歩く、階段を上るなどでも、鍛えられる。要は、常に意識して強くしなければならないということだ。■大腰筋足上げライト仰向けに寝て両足をゆったり開く、 ・ 片足を床から5~10cmだけ浮かせる。5秒数えて下ろす。腸骨の裏側(背中側)を床に押し付けながら、太股が遠くに伸びていくようなイメージでやること。大腰筋はのびやかな状態で機能している。前腿で持ち上げるようにこの動作を行うのと比べて格段に軽く足が持ち上がるのが実感できるはず。10回x3■大腰筋・腰上げ運動仰向けに寝て、両手を頭の後ろに組み、ヒザは直角にして立てる。腰を軽く上に突き上げる。背中は浮かさない。鳩尾とヒザが直線に並ぶぐらいまで上げれば十分。骨盤だけで上下させること。このとき足の反動を使ったり、背中ごと浮かせてしまうと大腰筋のトレーニングにならない。10回x3■大腰筋ペダリング仰向けに寝て、ペダリング。足裏方向にできるだけ遠くに脚を伸ばすようにする。脚を伸ばすときに、骨盤もつられて足裏方向に伸びる。10回x3■ヒップエクステンションうつぶせになり、両肘と両つま先で支える。(足は伸ばして、肘を着いた腕立て伏せのような格好)脚を伸ばしたまま、片足づつ上に上げる。大澱筋、大腰筋のトレーニング。10回x3■大腰筋足上げハード仰向けに寝て両足を伸ばし、直角になるまで上げる。下ろした脚は、床につけずにスレスレで止めて次へ。最初は、片足づつでも良い。一人でやるときは、上に伸ばした両手を柱などにつかまってやる。腹筋や、下ろした脚の反動ではなく、下腹(特に内部の筋肉)を意識しながらやることが大切。大腰筋を伸展・収縮させるためには、下ろす時、上げる時に、足を遠くに伸ばすようにすること。10回x3■大腰筋スイング壁などに片手をついて横向きに立ち、ヒザを伸ばしたまま、片足づつ前後にスイング。ゆっくりでもいいので反動をつけずにゆっくり、脚が床と並行になるまで上げる。上げたら、ゆっくり下ろして、後ろまで振り子のようにスイング。大腰筋を感じながら。片足づつ50回■ レッグランジ足を肩幅(外エッジ)にして立ち、手は腰に当てるか、頭の後ろで組む。真っすぐ前に大きく足を踏み出し、ヒザを曲げる。後ろ足のヒザが床に着くくらいまで、背筋を伸ばしてグッと腰を入れる。その後一気に元に戻す。片足10回x3■ 大腰筋スクワット足を肩幅(足のインエッジが肩幅)に広げ、腰に手を当てて立つ。ヒザを前に出さないように気をつけながら、イスに腰掛けるようにゆっくりお尻を下げる。お尻を後ろに突き出すように下ろす。その時、大腰筋が、収縮する。立ち上がるときも、ヒザの位置を変えない。立ち上がった最後に少し腰を突き出す感じ。その時、大腰筋が伸展する。曲げる時に、ヒザを前に出さず、つま先、ヒザ、頭の中心を結んだタテのラインが変わらないようにすることが重要。ヒザを前に出すとヒザに体重の負荷が掛かって、痛めることもあるし、脚の力で上下してしまうため大腰筋を鍛えられないので注意。逆に伸ばす時にも、ヒザの位置は変えない。後ろに下がると効果がない。10回x3■ イスに座るけど楽ではないトレーニング1イスに座って、姿勢(背骨を真っすぐ)を正す。その姿勢から、足は、直角に曲げたまま太ももを上に上げる。ほんの数センチしか上がらないが、大腰筋は鍛えられる。手は、捉まっていても良いが、腕の力と腹筋に頼って上げないこと。大腰筋の収縮だけで上げる。また、上体が後ろに傾くと、大腿部の力で上がってしまいやすいので注意。最初は、片足づつ。慣れたら、両足でも。片足10回x3■ イスに座るけど楽ではないトレーニング2同じくイスに座るが、姿勢を正して、ヒザを伸ばし、床と並行にした状態から、モモを上げる。こちらの方がきついが、腕に力を入れても、ヒザを真っすぐに伸ばして、大腿四頭筋が収縮している状況なので、大腰筋と腹筋の一部は鍛えやすい。同じく、最初は片足づつ、できるなら、両足で。片足10回x3※回数、セット数は、自分の判断で、増やす。いっぺんに全部はできないだろうから、組み合わせも自由に。目標は、今より3倍太い大腰筋。目には見えないが、3ヶ月後には、動きで分かる。※大腰筋などの深層筋は、目に見えないことから、インナーマッスルとも呼ばれている。目に見えない身体の中(コア)にあり、それを鍛えることを、コアトレーニングという。コアトレーニングでは、意識を鍛える筋肉に集中することが大切だ。表層筋と違って目に見えないから、どこを鍛えているか、どこが動いているかをしっかり感じながらやる必要がある。そうすることで、効果が、さらに高まるのです。【おまけ】メジャーリーガーのイチロー選手がネクストバッターサークルでやっているストレッチは腸腰筋のトレーニングの一種。股割りし左右の肩を順番に前方に出す相撲のシコ運動。■足を肩幅より開いて立つ。つま先は外向き。 ■両膝がつま先と同じ方向を向くように開きながら腰をひざの高さまで落とす。 ■その際に胸を張り、背筋を伸ばし、お尻を突き出さない。 ■10回くらい繰り返す。 ■スクワットやランジ(片足ずつ、交互に、一歩踏み出して戻る運動)をする。 ■寝る前にも、簡単に、仰向けに寝て、片方の下肢を伸ばし反対側の膝を胸に引きよせる。このとき、腰はしっかり床を圧迫するようにします。左右交換して繰り返す。究極のトレーニングスタビライゼーションオフィシャルブックfor beginner