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カテゴリ:教授の雑感
今日の昼、若葉台というところにあるクチーナ・カフェというところでBLTサンドを食べていたら、目の前の駐車場に20年くらい前の「デイムラー4.0」が置いてありまして。ま、当時としてはかなりでかい車だったのでしょうが、今、こうして見ると決してばかばかしい大きさではなく、隣に止めてあったミニバンと比べると、むしろひっそりと佇んでいる感じ。 でまた、そのボディカラーが、青味がかったグレー、というのか、翡翠ほど緑が強くないけど、ああいう感じの艶っぽいグレーで、これが適度なクロームメッキや角目のヘッドランプなんかと相まってえも言われぬ色っぽさを湛えている。ひゃー、今までデイムラーなんて興味なかったけど、こうして見ると昔のデイムラーはカッコいいねえ。 で、家に帰ってググってみたら、今、このあたりのデイムラーって20~50万円くらいで買えるらしい。もっとも一回乗るごとに故障して、修理代が10倍くらい掛かるのかも知れませんが。 でも、それでもいいから、一度でもあれに乗ってみたいなあ、なんて。 ところで、車を見てそんなことを思う私は、もはや絶滅種に近いのか? と思わせるようなニュースを耳にしました。カー雑誌の雄、『NAVI』がもうすぐ休刊になるのだそうで。あれ~、そうなの? この雑誌、時々買ってそれなりに愛読していたんだけどなあ。となると、もう私なんぞが読むカー雑誌って、『エンジン』と『モーター・マガジン』くらいしかないじゃん。 もう、今や、車に憧れを抱いたり、買えもしないような高級外車の記事を読んで楽しむなんて人間は、ごく少数派になってしまったんですかねえ。みんな、子供店長のところ行ってハイブリッド下さいとかミニバン下さいとか、それだけで済んじゃうのかなあ。 さて、今日も今日とて卒論指導をしながら、空いた時間には『東京大学のアルバート・アイラー』に読みふけっているのですけど、後半の「キーワード編」を読んでいて一つ、感じることがありました。 「キーワード編」は、菊池&大谷さんに加え、ジャズやブルースやダンスなんかに詳しい専門家を呼んで、ゲストトークをしてもらうコーナーがあるんですが、このゲストの中に大学の先生なんかも呼ばれているわけ。 だけど、ざっと読んで思ったのは、大学の先生の方が主題に対する知識や理解の点で、菊池さんたちに対抗できてないな、ということでした。菊池さんたちは、大学の先生ではなく、音楽家でありライターであり、ある意味オタクなんですけど、こういう人たちに大学の先生は敵わないという感じがする。この本はもともと東大での講義録なんですが、東大の教室を圧倒しているのはオタクの非常勤講師たちの方で、現職の、しかも優秀な大学の先生の方ではない、ということですな。 でも、そりゃそうだ、と思うんですわ。大学の先生は忙しすぎて、勉強なんかしていられないですもん。 だから、ここで本末転倒みたいなことが起こっているわけですよ。本職の大学の先生より、オタクの方が大学の先生にふさわしい、というね。 ま、そういうことも含め、私も早く大学なんかやめて、一オタクになりたいなあ、と。そんなせんないことを考えておるのでございます。そう思わせるほど、この本が面白い、ということなんですけどね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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