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テーマ:今日のこと★☆(104859)
カテゴリ:教授の雑感
皆さん、「すわえ」って言葉、ご存知?
これね、木の枝や幹から細く長く伸びた若い小枝のこと。漢字で書くと「楚」となります。あるいは「木へん」に「若」、あるいは「木へん」に「少」という字を書くと、それぞれ「すわえ」と読むらしい。木へんに若いとか少ないとか、「峠」と同じく明らかに日本製の漢字でしょうけど、そんな字に出会ったことがないですな。っていうか、そもそも「すわえ」という言葉自体、知らなかった。 なんで「すわえ」の話題になったかと申しますと、実家の庭に梅の木があり、「梅切らぬバカ」で剪定しないものですから、若い枝がすんすんと夏空に突き出すように伸びている。それを「すわえ」というのだ、と母が教えてくれたもので、いや〜、そんな言葉しらなかったなあ、という話になったわけ。 で、「すわえ」を辞書でひいてみると、確かにそういう言葉がありますなあ。 で、この年齢になっても、まだまだ知らない日本語があるわい、と思ってそのまま辞書を読んでいると、これがまた面白くて。 たとえば「すわえ」の近くに「すわこそ」という言葉がある。これは「すわ」を「こそ」で強調した言葉で、要するに「さあ、大変!」という意味。これは何となく判りますが、日常的に「すわこそ!」って言ったことないなあ。 その下は「スワジランド」。南ア共和国とモザンビークに挟まれた王国だそうで。首都はムババネ。知らなかった・・・。 その下には「すわすわ」という擬態語がある。これは物の軽く打ち当たる様だそうで、宇治拾遺物語からの引用で、「毛の中より松茸の大きやかなる物の腹にすわすわとうちつけたり」とある。何だ、この引用は? ちなみに「ずわずわ」となると、これは現代語の「ずばずば」と同意とのこと。「あの人の占いはずわずわ当たるね!」で、使い方あってる? そのちょっと下へ行くと、「諏訪八幡も照覧あれ」という項目がある。これは「決して偽らない」という意味なんだとか。いいね、これ。今度、使ってみよう。「うそじゃねーよ、諏訪八幡も照覧あれだよ」とか。 とまあ、知らないと言葉を探し出したらキリがない。日本語は語彙が豊富だなあと思いつつ、現代人はそのうちの何割を使って生活しているのだろう、と、反省してしまいました。 昔の偉い学者さんの話なんかを読むと、『言海』を何度か読破した、なんてツワモノが沢山いますけど、私も少し国語辞書を読んでみましょうかね。だけど、私だけ読んで語彙を豊富にしたところで、周りの人も一緒に語彙を豊富にしてくれないと、通じない理屈ですよね。 「伸びた梅のすわえが家の壁にあたってすわすわするので、思い切ってずわずわ切っちゃった。ホントだよ、諏訪八幡も照覧あれ」。これが通じる日本に、ならないだろうなあ・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 18, 2013 06:27:36 PM
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