スウェーデン伝統料理 Vol.11 トナカイとキノコのクリーム煮
スウェーデン伝統料理 Vol.11 遊牧民サーミの伝統料理🇸🇪細切りのトナカイとキノコのクリーム煮(Renskavsgryta_レーンスカヴグリュータ)スカンジナビア北部ラップランド。(ニルスがガチョウのモルテンたちと旅した場所です)その先住遊牧民サーミが極寒の地で生きるために毛皮や角、骨、肉、全てを残さず利用してきたのがトナカイです🦌 現在、その狩猟や肉皮革角などの加工/流通販売などを許可されているのはサーミ人のみ。そのため流通も少なくお値段的にも贅沢品なトナカイのお肉です。 スーパーで買える他のジビエ肉とは異なり、北部を除いては専門店でのみ扱われる肉なのでスウェーデン人でも食べたことのないかた多数だそう。【トナカイとキノコのクリーム煮、リンゴン添え🍽️】料理名の意味は①ren(レーン)=トナカイ②skav(スカーヴ)=削った、細切れにした③gryta(グリュータ)=キャセロールで煮込む略称はレーンスカ(Renskav)=細切れにしたトナカイの肉🦌スウェーデンで食べられる珍しいグルメ扱いにもなっていますが厳密にはスウェーデンではなく先住遊牧民サーミの伝統料理です🍽️この料理には、名前の通り『薄切り✖️細切り』肉を使うのが絶対の掟です。トナカイ自体はストックホルムの専門店でもいろんな部位が売られていて(本記事最後の写真)レーンスカ用に現地でカット&真空冷凍された専用パックが専門店などで入手可能。言い換えれば、この冷凍パック以外のお肉の使用は御法度です 【お肉を解凍するとこんな感じです】日本のような薄切り肉を売っているお店がまず無い北欧においてこんな形状(薄切り/細切り)のお肉は特別中の特別👀"知っている”人だけが買いに来る品です(特に知る必要はありません😅)。 *こちらでのお肉は大抵ステーキ用や煮込み/オーブン料理用のブロック シチュー用カットやひき肉はあるものの、 しゃぶしゃぶやすき焼きは夢のまた夢です(お肉のクオリティ的にも形状的にも)🍖サーミの薬膳食材トナカイ🦌【もうすぐ出来上がり】トナカイは北欧の重要な薬膳食材でもあります。先日のヘラジカ同様にシカ科動物のトナカイ🦌ツンドラ地帯の草やキノコ、苔(トナカイゴケ)などを食べているトナカイはちょっとワイルド(雑?)な鹿?と牛肉の間のように感じます。 ⇩北欧の薬膳食材・ヘラジカとキノコのシチュー 薬膳/中医学ではシカ科動物のような活発に飛んだり跳ねたりする動物は温陽の食材として、寒い季節や寒冷地での滋養強壮、虚弱で冷えタイプの方の体質改善などにもよく使用されるもの。『温陽(おんよう)』とは"熱を生み出す体のパワー"そのものを高めてくれるイメージ。(生姜のような辛味刺激でカーッと温めることではありません) 加えて動物性タンパク質で精血を補う💡つまり、血や肉を造り体温を上げ代謝を高めて免疫アップ❣️してくれる、冷え性や虚弱タイプの方におすすめの食材です。そのトナカイ肉に🍄免疫アップのキノコ(アンズ茸/ジロール茸)🥛乾燥を潤すクリームを加えたら、秋冬を生き抜く北欧薬膳の完成です❤️すっかりお馴染みの付け合わせ、リンゴンベリー(コケモモの実)は味にメリハリを加えるほか消化力up、ビタミン補給で体の活性化にも🎉ストックホルムで購入していたアンズタケで彩りも兼ねました🍄凍えるラップランドのサーミ人を支えてきたトナカイのシチュー🍽️有難くいただきます💕 ⇩北欧のスーパーベリー、リンゴン(コケモモの実) ⇩スウェーデンの秋を感じるカンタレル(キノコ)のお料理 もっとも、このレーンスカ(トナカイのクリーム煮)を愛するスウェーデン人も食材の効能などを考る人はまずいません💦多くの場合、ラップランドの自然への憧れや、純粋にトナカイの味が好きだから、というのが選ぶ理由のようです💡秋冬のおすすめダイエット法基礎代謝が落ちる秋冬🍂食物繊維や低カロリーを意識した生野菜サラダや果物が多くなると体を冷やして代謝が落ちてしまうので食欲不振や冷え性、頭痛、生理痛、乾燥肌、更には体重増加にも。。ダイエットには向かない季節ですが👀体重をキープしたい/減らしたい/引き締まった体にしたい方は温陽パワーを持つ食材を熱々のスープや鍋料理にして代謝を高めると良いですね✨ 羊肉、鹿肉がおすすめ、鶏肉もOKなので、水炊きやネギ生姜たっぷりスープも日本では中国風鍋料理(羊のしゃぶしゃぶ)専門店も多いので気になる方はチェックしてみてください💕【専門店ではトナカイだけでも様々な部位を取り扱っています】 日本人的としてはトナカイのお肉は甘辛醤油味も合いそうな…次回は佃煮を作ってみようと思います。 #デンマーク生活 #北欧生活 #北欧の暮らし #北欧で薬膳