スウェーデン伝統料理 Vol.12 聖ルシア祭のルッセカット
スウェーデン伝統料理 Vol.12 有名なのに不思議がいっぱい✨聖ルシア祭の黄金ルッセカット🥐🇸🇪(Lussekatt/Lussekatter(複数形))自宅で迎える聖ルシアの日🕯️✨ルッセカットは Juno the Bakery から今日12月13日(旧暦での冬至)は光の聖人ルシアの日です🕯️ ⇩スウェーデンの冬を光で包む✨聖ルシア祭🕯️ スウェーデンでこの日に欠かせないのがサフラン入りの甘いふわふわパン、ルッセカット🥐輝く黄金色はいつの時代も特別👑✨11月頃から街じゅうのカフェやベーカリーは鮮やかな黄色で埋め尽くされ、人々は暗い冬の悪魔を祓ってくれる光の色のルッセカットを楽しみます✨コペンハーゲンGustafs Kyrkanでの聖ルシア祭写真をクリックするとInstagram(動画を含みます)に移動します聖ルシア祭が行われる教会/学校も多くある今日。北欧における聖ルシア祭はキリスト教伝来前に行われていた冬の時期の光の祝祭と聖ルシアへの信仰が合わさったものだと言われ、基本的に早朝に行われるので子供の頃の夫はまだ真っ暗(日の出は8:30頃)な中での早起きがとても辛かったそうです。(近年は前後の週末や夕刻の開催も増えています)でも行事が終わるとお楽しみ時間💕ルッセカットとペッパーカーカ(pepparkaka)と呼ばれるジンジャークッキー、そして温かいお茶をいただける時間が一番の楽しみだったとか。大人の場合はスパイスたっぷりのグロッグ(glögg)を🍷この時期のスウェーデンにはこの3つが欠かせません ⇩スパイスたっぷりホットワイン・グロッグ(glögg)🍷 聖ルシアの日には子供達がルシアの衣装で両親の部屋にルッセカットを届ける伝統もあり、今朝のスウェーデン王室Instagram(@Kungahuset)ではエステル王女とオスカル王子が聖ルシアと星の少年(スターボーイ)の衣装でルッセカットを持つ写真が公開されていました😍 それほど親しまれているルッセカットですが、実はいろんな不思議と混乱があるようです👀多くの人へのインタビューと共に調べてみたところ私も「あれ?あれれ?」の連続に(汗)正確なことは誰にもわからないとのことですが、諸説の一部としてご紹介させて頂きます✨ 😳不思議その1『ルシアの猫』じゃない😳不思議その2『逆さS字型』じゃない😳不思議その3『レーズン』じゃない😳不思議その1_『ルシアの猫』じゃない🐈 多くのスウェーデン人もルッセカットを『ルシアの猫』と解釈していますが、本来は『悪魔ルシフェルの猫』なのだそうです🐈⬛どちらが本当なのか、なぜ『ルシフェルの猫』なのかも諸説あるものの元々はドイツで悪魔ルシフェルが人々を惑わすために配っていたパンのことを『ルシフェルの猫🐈⬛』と呼んでいたから、というのが一般的だそうです。でも、そもそもルシフェルが人々にパンなんてくれるの?との問いには「悪魔は人々を懐柔するからね」とのお返事が。なるほど👀個人的にいちばん納得した説は『猫🐈⬛に姿を変えて攻撃してくるルシフェルから人々や子供達を守るため、 太陽(光)の色をしたパンを食べて悪魔を打ち払う意味があった✨』というものでした。 ◎寒い冬の暗闇は人々を苦しめる悪魔 ◎光は闇を打ち祓い生命への希望をもたらす力ルシアの語源はラテン語のLux(光)です。スウェーデンにおいて、光をもたらす聖ルシア信仰が盛んになった時期と高価なサフランを使ったパンが一般の人にも普及したのはどちらも1800年代後半と言われていて聖ルシアが配るパンのことを『ルシアの猫』と呼ぶようになったのも頷けます。でも、やっぱり諸説入り乱れているのがルッセカットらしさでもあるなのかなと思ってみたり。😳不思議その2_『S字型』じゃない🌀 数あるサフランパンの中でも、最もポピュラーかつ聖ルシア祭に欠かせないのがS字型のもの🥐通常ルッセカットはこのS字型のものを指しますが、それも厳密には違うのだそうです👀サフランパンにはスウェーデンの暮らしに基づいた様々な形が存在し、それぞれに名前があります。S字型はその中のひとつの形であり、本来の名前はJulgalt(ユールガルト=クリスマスの”豚”)🐖スウェーデンのクリスマスにとって豚は特別。クリスマスディナーも、七面鳥などではなく自家製の巨大ポークハムがメインです🍖結論として ルッセカットはこの季節に食べるサフランパンの総称として使われることそして本来のルッセカットはこのS字型のJulgaltのようなパンを2つ背中合わせにしたようなものということでした。とはいえこの形と名前もサイトによって違っていたり。スウェーデン人でも知らない人が殆どらしいのですが、それはそうでしょう。。どなたかこれぞ!という情報をご存知の方がいらっしゃいましたらぜひご教示お願いいたします🙇♀️ ただ、一般にルッセカットという名前が間違いでもないので、これからもこの豚さんがルッセカットとして愛されていくのだと思います🐖💕✨ 形についてわかりやすかったのがスウェーデン発祥の乳製品メーカーであるアーラフーズのWebサイト。背中合わせスタイルのルッセカットについてのイラスト自体はないのですが、上から2つ目・右にあるKuseが形としては一番似ていると思います。(サイトによっては、この形こそがルッセカットとして記載されています)この写真はアーラフーズのページからお借りしました。写真をクリックするとアーラフーズのページに飛びます。中央のパンから⇨12時の位置のパン⇨そして時計回りに:◎Luciakrona(ルシアの冠)◎Julkaka (クリスマスケーキ)◎Juloxe(クリスマスの雄牛)◎Kuse(馬) *これが一番、本来のルッセカットに近い形に見えます (サイトによっては、この形こそがルッセカットとして記載)◎Prästens Hår(聖職者の髪)◎Pojke Eller Lindebarn(男の子or新生児) *西洋で生まれたばかりの赤ちゃんを布でぐるぐる巻いていた姿を再現◎Gullvagn(黄金の馬車)◎Julkuse(クリスマスの馬)◎Julfågel(クリスマスの鳥)◎Julgalt(クリスマスの豚🐖) ⇧コレが現在、一般にルッセカットと呼ばれるS字型こんなにいろんな種類があるなんて、こちらに来た頃は全く知りませんでした。。😳不思議その3_『レーズン』じゃない🍇ルッセカットはS字型でレーズンがちょこんと乗っているパン🥐として知られますが。スウェーデンのお菓子やパンに使われてきたのは、伝統的にコリント(Korint/Korinter(複数形))と呼ばれるドライフルーツでした。コリントは小粒のブドウの乾燥加工品で、色は黒っぽくて酸味もしっかりめ、名前はギリシャの都市コリントスで栽培されていたことに由来します。なので本来、ルッセカットに飾るのもコリントなのですが。近年はスウェーデンでもあまり一般的でなくなったことや扱いやすさ・予算の意味からも大抵の場合レーズン(乾燥ブドウ)が使われています🍇私の持っている伝統菓子レシピ本でもレーズンと書かれていました。おまけにこのコリント、多くの国でブラックカラントなどのベリー類と混同されているようでもともと確かな知識があるわけでもない私が調べるといっそう混乱が増し…最終的にアメリカ国立衛生研究所のサイトで確認しました💻曰くコリントはワイン醸造に適するとされるブドウ🍇ヴィティス・ヴィニフェラ種のひとつ。 つまりベリー類(カシス/ブラックカラント/クロスグリ等)ではなく、あくまでもブドウ。でも一般的なレーズンとも異なるもの、ということだそうです。(学名は Vitis vinifera L., var. Apyrena )コリントの引き締まった味が好きな私は次回またストックホルムで買ってくる予定です✨ 今年は秋以降バタバタで過ぎてしまったため手作りは断念。我が家のルッセカットはお気に入りのベーカリーに予約しました暗いうちに出かけた夫がサンタ・ルチア🎵とともに持ち帰ってくれてティータイム🥐来年はゆっくりと自分で焼いてみようと思います✨#lussekatt #ルッセカット #デンマーク生活#北欧生活#北欧の暮らし#北欧で薬膳#北欧のクリスマス#聖ルシア祭