モーリス・ラヴェル
フランスの作曲家である、モーリス・ラヴェル(1875-1937)についてチャートを見たいと思う。私は、亡き王女のためのパヴァーヌが好きで、そのきっかけはt土星がAscendantサインにIngressした時、FMラジオから流れているのを聞き、t土星がAscendantとConjunctionを形成した頃は、毎日聞いていた。私は、音楽に対し素養はなく、気に入った曲を繰り返し聞く人である。その意味で、どのような天体が配置が作曲家に適しているのか直感的に思い浮かばない。今回は「亡き王女のためのパヴァーヌ」と「ボレロ」についてウィキペディアにある記述をもとに、ネイタルチャートとトランジットを分析したいと思う。【参考サイト】ウィキペディア「モーリス・ラベル」、「亡き王女のためのパヴァーヌ」、「ボレロ (ラヴェル)」YouTube「Ravel: Pavane pour une infante defunte ・ Alessandro Crudele」「RAVEL Pavane pour une infante defunte│Nicolas BALDEYROU and friends」「AMAZING FLASHMOB - Bolero Ravel / S.Bento Train Station - Porto (90 Years CMSM)」「BOLERO, Ravel - FLASHMOB (Sao Paulo, Brazil)」出生データhttps://www.astro.com/astro-databank/Ravel,_Maurice使用しているチャートは、小曽根秋男氏のStargazerSATからの出力されたものです。モーリス・ラベル_NativityRavel_亡き王女のためのパヴァーヌ作曲_1899SR【亡き王女のためのパヴァーヌ 1899年作 ピアノ曲 】1 プログレス月3月10日 p月 Conjunction n金星n金星は、ネイタルチャートで、海王星、ASC、木星とTスクエアを形成していて、ロマンチックな事柄への陶酔や依存傾向があることを示している。ウィキペディアには、「諸説あるが、ラヴェルがルーヴル美術館を訪れた時にあった、17世紀スペインの宮廷画家ディエゴ・ベラスケスが描いたマルガリータ王女の肖像画からインスピレーションを得て作曲した、とされる。」と記述している。p月は2月に水瓶座にIngressし、n金星とConjunctionを形成、約3月末まで続く(オーブ1度)。同時に3月上旬にはt金星が水瓶座にIngressし、Conjunctionを形成したので、この時期ルーブル美術館に行ったのかは不明だが、少なくとも曲のイメージについて着想を得たのではないか。2 トランジット木星5月1日、8月22日 t木星 Conjunction nASC6月6日、7月19日 t木星 Conjunction n木星4月27日、8月26日 t木星 トライン n水星10月27日 t木星 トライン n太陽10月31日 t木星 トライン n月t木星がASC内のn木星、AscendantにConjunction、5ハウスのn水星、n太陽、n月などにトラインを形成し、t木星がこれら天体がある魚座のRulerであることから、意欲的に作曲取り組んだことがうかがえる。【亡き王女のためのパヴァーヌ オーケストラ版】ウィキペディアによると、亡き王女のためのパヴァーヌのピアノ曲に対しては次のような評価だったとのこと。「この曲は世間からは評価を受けたが、ラヴェルの周りの音楽家からはあまり評価されなかった。ラヴェル自身もこの曲に対して、『大胆さに欠ける』、『シャブリエの過度の影響』、『かなり貧弱な形式』と批判的なコメントを行っている。」ラヴェルは、このような評価が念頭にあり、作曲から11年後にオーケストラ版を編曲したと思う。ラヴェルのネイタルチャートを見ると、AscendantのRulerである火星が太陽、月からスクエアを受け、亡き王女のためのパヴァーヌピアノ曲に限らず、自身の性格に対し力強さや情熱の欠課を自覚し、コンプレックスを持っていたのかもしれない。水星、太陽、月は自分を顕示する5ハウスにあり、水星は木星のトラインを受け、知性は十分、太陽と月は火星のスクエアを受け、火星の持つ積極性や情熱のコントロールが上手くできず、火星的な面を表現するのが苦手だったのかもしれない。ただし、火星は天王星、MCとトラインを形成しているため、自身の表現力や性格には、前述した情熱の欠課やコンプレックスとなったけど、火星と天王星、MCのトラインは、世間に受け入れられる範囲での斬新さ技巧を織り交ぜることに注がれ、作曲に繁栄されたのではないか。Ravel_亡き王女のためのパヴァーヌ_編曲_19100308SR1 トランジット木星3月9日、8月18日 t木星 セクスタイル n火星3月13日、8月16日 t木星 セクスタイル n天王星9月27日 t木星 トライン n土星t木星が前述したn火星に対しセクスタイルを形成し、少なくとも、火星側が太陽や月に対し与える不協和音を緩和させたことだろう。そして天王星に対するセクスタイルで、ウィキペディアにある通り「『管弦楽の魔術師』の異名に恥じない華麗な編曲」となった。9月には、t木星がn土星とトラインを形成し、完璧に仕上げたことを予感させる。11月16日 t木星 Conjunction n木星12月4日 t木星 Conjunction nASC12月7日 t木星 トライン n水星11月中旬、t木星が蠍座にIngressした。ラヴェルは自信をもってこの編曲を世に送り出したと思う。2 プログレス月10月2日 p月 トライン n太陽10月28日 p月 トライン n月プログレス月は、5ハウスのn太陽、n月に対しトラインを形成し、十分満足できる作品として送り出すことができたことを示している。Ravel_ボレロ作曲_19280804TR【ボレロ】作曲は1928年の7月から10月頃にかけて行われた。1 トランジット土星t土星 Conjunction n火星t土星 トライン n天王星、nMCこの年、トランジット土星は射手座を経過し、7月下旬から9月中旬までOrb1度以内で、n火星とConjunctionを形成する。そして、ほぼ同時期にt土星はn天王星、nMCとトラインを形成する。これまで、n火星 スクエア n太陽、n月の影響から、ラヴェルがn火星のウィークポイントを自覚していたのは前述した通りだが、このn火星に対しt土星がConjunctionを形成、同時にn天王星とnMCにトラインを形成しているので、火星の衝動、情動対しt土星が規律を与え、t土星とトラインのn天王星とnMCはそれが緻密で完成された姿(曲)になることを予感させる。そして、nMCは自分が社会に対し表現する姿を示しているから、ボレロはラヴェルにとって、真の自分と目指した曲を創り上げたのではないか。2 トランジット金星、火星7月28日 t金星 Conjunction n天王星 同日 t金星 トライン n火星 同日 t金星 Conjunction nMC8月28日 t火星 セクスタイル n天王星8月30日 t火星 セクスタイル nMC9月14日 t金星 セクスタイル n天王星9月15日 t金星 セクスタイル n火星 同日 t金星 セクスタイル nMC時期表にあるとおり、7月下旬から9月中旬にかけ、t金星とt火星が連続して、n天王星、nMC、n火星に対しアスペクトを形成している。このような中、ボレロが生まれたと思うと感慨深いものがある。