りぶらりだいあり

海賊映画は当たらない，というジンクスを，あっさり破って世界的ヒットとなった前作『パイレーツ・オブ・カリビアン／ブラックパール号の呪い（原題）』の続編だ。

○ストーリー
前作での冒険を終え，結婚を目前にしていた総督の娘エリザベスと鍛冶屋の徒弟ウィルは，海賊に協力した罪を問われ，エリザベスは投獄されてしまう。ウィルに課せられた使命は，海賊ジャック・スパロウの魔法のコンパスを奪ってくることだった。
一方，ジャック・スパロウは，左手に呪いの黒丸が浮かび，恐怖を覚えていた。ジャックは，ウィルの頼みを利用して，この呪いを晴らそうと企む。しかし，その相手とは，海の化物クラーケンを使う，幽霊船の船長デイヴィ・ジョーンズだった。果たして，ウィルは？そしてジャックは？

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大ヒットした映画だけあって，前作のキャストがそのまま出演している。中心になるのは，やはりオーランド・ブルームのウィル青年，キーラ・ナイトレイのエリザベスお嬢様，そしてジョニー・デップのジャック・スパロウ船長だ。がんばるウィル青年，彼に協力するけど，利用もするジャック，ウィルに助けられるだけでなく，逆に助けちゃう行動派のエリザベス，という展開も前作どおりだ。

ストーリーは，ウィルを中心にテンポよく進む。特に中盤の，原住民の村からの逃亡と，直後の3人での殺陣は，ドタバタで，大笑いできて楽しい。後半になると，幽霊船とクラーケンのコンビと，ブラックパール号の海戦となり，ややシリアスな空気となってしまう。で，結末は・・・うーん，やっぱりそう来たか。はあ・・・。

ウィルもブラックパール号の乗組員たちも頑張っているんだけど，怪物クラーケンに勝てないのが残念だった。幽霊船と怪物の片方は倒して，それなりの満足感は得たかった気がする。

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ディズニーランドのアトラクション「カリブの海賊」から，どんどんと話は離れて，「シンドバッドの大冒険」的な世界に進みつつある。自由貿易都市・トルトゥーガのシーンで，わずかにアトラクションで見たような場面がちらっと写る程度だ。

前作でのバルボッサ船長の不死の海賊たちの特撮にも感心したが，今回のジョーンズ船長の幽霊船の乗組員たちは，特撮なのか特殊メイクなのかは分からないが，人間と魚貝類の中間となっており，一見の価値がある。いろんな映画で，異星人などのメイクは見てきたが，これはこれまでの1，2を争う出来だと思う。

まあ，2007年5月に公開されるという第3作を観ないことには，なんとも評価できないなあ。少なくとも，第1作の雰囲気はきちんと保たれているので，1作目のファンがガッカリするということは無いはずだ。