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2016.11.21
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江戸ファンタジー&ミステリーの〈しゃばけシリーズ〉の第11巻を読んだ。

○ストーリー
江戸で一番美しい娘をモデルにした雛人形を作り,その人形を大名に納める。モデルの娘はそこの側室になるのでは?という噂が流れ,江戸中が浮き足立つ。それに便乗した不思議な犯罪が起き,江戸の回船問屋・長崎屋の若だんな・一太郎と,不思議な仲間たちは,それに巻き込まれる。果たしてその真相は?

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太平の江戸で,しかも大店の跡取り息子の一太郎が,妖怪たちと過ごす毎日を描いた〈しゃばけシリーズ〉の11冊目を読んだ。

ここ最近の巻と同じように,この作品は1つの連作短編集となっている。

この巻のテーマの1つは,〈困っている人を助けたい〉だ。それなら,若だんなは毎回行っているので,あえて共通テーマとして設定する必要はないような気がする。実際に,共通の謎となっている〈助けを求める木札〉についても,最後にすっとあいまいになってしまうのが肩透かしだ。

もう1つのテーマは,題名にもなっている〈雛小町選び〉だ。いかにも江戸の人々が好きそうな番付(ランキング)で,未婚の女性の美しさを競わせ,その一番に似せた雛人形を作り,さらにその人形をさる大名に納める,という筋書き付きだ。〈雛小町〉は,もしかするとその大名の側室になるかも知れないという噂まで流れ,江戸は浮かれた状態となっている。

最初のテーマはいつもいつもこのシリーズで行われていることだし,もう1つのテーマも3つ目の短編で登場するものの,いつもの登場人物たちの誰とも深く関わらないので,あくまでも1つ2つ離れた所で行われている,という印象が強い。

今回も1冊を通じた謎解きのようなものは存在しなかった。やはりシリーズが進んでくると,そうした仕掛けがないとマンネリや中だるみを感じてしまうのは避けられない。

頑張れ,〈しゃばけシリーズ〉!

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短編「さくらがり」では,場所は上野とは言え,いつものメンバーで花見の宴をする。ここでもかすかに「ゆんでみて」でいつものメンバーが体験した記憶がかすかに甦るのがわびしい。

わずか数行の描写だけれど,これを読んで切なくなった。

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各編について簡単に感想を述べる。

「ろくでなしの船箪笥」:江戸の大店・長崎屋の若だんな・一太郎に,友人の七之助が助けを求める。上方の隠居が彼に残した唯一の形見である船箪笥は,中に何かが隠されているのではないかと,本家筋の江戸の店に留め置かれていた。だがそのお陰で,その店では怪しい出来事が頻発するようになり・・・最初の短編からスッキリ感が薄くて心配になった。箪笥の中身の謎,店での怪異の謎,変にいろいろ繋げるし,解決した瞬間にさっとまとめないので,ひじょうに切れ味が悪い。

「ばくのふだ」:近場の店の2階で落語寄席が開かれると聞き,若だんなたちは出かけてみる。だがその場で,噺家を斬ろうとするお侍が現れ,寄席は大混乱となる。なぜ噺家は狙われたのか?そしてお侍の目的は?・・・間違いなく新しい常連キャラクターの登場だ。切れ味の悪さは続いているが,それまでの流れははるかに面白い。なかなかの佳作だと思う。

「ひなこまち」:江戸で一番美しい娘をモデルにした雛人形を作る,という一大行事が始まる。年頃の娘とその親たちを中心に大騒ぎとなるが,それに便乗した犯罪も起きていた。・・・流行りモノ好きの江戸っ子の気質は,今の東京にそのまま受け継がれていると思う。ただトップモデルのランキングの話を聞いて,自分の家の娘をそれと競わせようとする親ってそれほどいるかな?古着がらみの犯罪の話は面白いけれど,相変わらず他の短編とうまく繋がっていない。

「さくらがり」:桜の花見の宴会で,馴染みの上野・広徳寺に泊まりがけの酒宴となった長崎屋の面々。だがそこには真面目なお侍・安居(あんご)が参加し,一方で河童の禰々子があるものを持ち込んだため寺は大混乱となる。・・・「ゆんでみて」の夢幻的な花見が思い出される,という切なさ。この短編の花見は楽しそうなのだけれど,闖入者もあり落ち着かないし,その後は忙しくなる。花見くらいのんびりさせてやりたい。

「河童の秘薬」:長崎屋にお侍・安居(あんご)の妻・雪柳が現れ,彼らが譲り受けた河童の秘薬について質問をする。だがそこで不思議な赤子が見つかり,雪柳と長崎屋の面々は,赤子を迷子として届け出ようとする。だが赤子はかどわかされてしまい?!・・・ボランティアで助けたはずの相手から,クレームを言われる若だんな。と思うくらい,今回の長崎屋の面々は苦労続きだった。まあ雪柳さんは美しいんだろうけれど,身勝手だよな。で,木札の謎は???












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Last updated  2016.11.21 23:00:10
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