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2017.01.04
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江戸を舞台にしたほのぼのファンタジー〈しゃばけシリーズ〉の第12巻を読んだ。

○ストーリー
長崎屋の若だんな・一太郎の幼馴染・栄吉が修行をしている菓子屋・安野屋ではトラブルが起きていた。主人と手代たちは病気で臥せっていて,小僧たちは傍若無人にふるまっていた。そこを解決するために,一太郎は安野屋に乗り込む。そして?・・・

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江戸の廻船問屋・長崎屋の若だんな・一太郎は,大店の商人たちに跡取りとして紹介される,というのがこの作品の冒頭の出来事だ。頭も回り,心根もしっかりしている一太郎だけれど,とにかく病弱という欠点があり,ずっと”箱入り息子”という印象を周辺に与えているようだが,このお披露目で以前とは異なる立場になるのか?

それは読んでみてのお楽しみ。

最初に書かれている〈序〉で,若だんなとサポート役の手代との約束が語られるので,これは短編をまたいだ作品としての仕掛けがあるだろうとワクワクして読み始めた。

結果は・・・頑張れ・・・もっと頑張れ〈しゃばけシリーズ〉!

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作品としては,若だんなが1人で働きに出たり,仲人の手伝いをしたり,幽霊の手助けをしたり,と内容はバラエティに富んでいる。適度にシリーズの準レギュラーも登場するし,仲人の流れはいつも以上のドタバタでなかなか楽しませてくれたとは思う。

けれども,結局ミニシリーズとして何も生まれない。せっかく付けられた〈序〉と〈終〉がまったく機能をしていなくて,失望の理由になってしまっている。単行本単位でテーマを持ってもらうことは嬉しいが,それを無理やり後付けでやられて,結局取りとめがないのならば,そんな付け焼刃は不要だ。別に単行本ごとのテーマは義務ではない。

シリーズとして十分な魅力を持っているので,豊富なキャラクターを利用して作品を展開するだけで読者はそこそこの満足を得られると思う。

怪しい変化球で足踏みをしていないで,そろそろこのシリーズが永遠に年を取らない〈サザエさん系〉なのか,少しずつ年令を重ねる系統なのかを決めるべきだと思う。

たぶんそこが問題なんだと思う。

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各編について簡単に感想を述べる。

「跡取り三人」:長崎屋もある江戸通町で,周辺の大店の会合がある。跡取りとして若だんな・一太郎だけでなく,他に2名も紹介される。ひょんなことから,彼ら3人は両国で泊まり込みで商売の売り上げを競うことになる。だが,それに不思議な邪魔が入るようになり・・・本来は年令を考えれば当たり前なのだが,長崎屋の一太郎も他の跡取りと比較されることになる。圧倒的に珍しい設定で,長崎屋を出て泊まり込みで他の若者と商いの売り上げを競う,という流れだ。それをどうして途中で止めてしまうのか,それが本当に残念で仕方がない。主人公に最後までやるべきことをさせるべきだと思う。

「こいさがし」:一太郎が世話になった両国の親分が仲人業に手を出し,一太郎たちはそれを手伝う羽目になる。だが母・おたえの知り合いの娘・於こんがそこに首を突っ込み,お見合いは大混乱となる。・・・評価が分かれる短編だと思うけれど,個人的にはゲッソリ。とにかく於こんのワガママがダメで,それを放置している若だんなたちにもイライラするだけだった。正体は最初から名前で分っていたけどね。

「くたびれ砂糖」:菓子屋・安野屋で働いている若だんなの幼馴染・栄吉が小僧を連れてきた。だがこの小僧は取引先の長崎屋で問題を起こしても,少しも悪びれない。一太郎が安野屋を訪ねると,主人たちは臥せっている一方で,同じように言うことを聞かない小僧が3人のいるのだった。・・・前の短編に続いて,言うことを聞かない使用人の物語だ。ミステリーのロジックに従って一太郎が真犯人をあぶりだすが,それ以前に人間としてダメという印象だ。これはさすがの江戸ファンタジーでも許してはいけないレベルだろう?

「みどりのたま」:頭に怪我をし,記憶を無くした男は,言動の怪しい老人から〈白沢(はくたく)〉と呼ばれる。
男は老人の望みを叶えるために,河童が残したとされる〈みどりの玉〉を探し求めるのだが?・・・仁吉が記憶喪失になる,という変わった設定の短編だ。設定は面白いのに,途中から失速する,というこの作品の短編の典型だ。河童の丸薬が無かったらどうしたんだろう?

「たぶんねこ」:幽霊の月丸が長崎屋に連れてこられた。長崎屋の面々は,彼が自分の無念を晴らせるように協力を惜しまないのだが・・・そもそもなんで連れてこられたし,来る必要あった?かなり微妙だ。ミニシリーズの最後の短編としては手応えが希薄でダメな印象だ。

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次巻に期待だ。









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Last updated  2017.01.05 22:23:55
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