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2018.07.26
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森博嗣の〈Gシリーズ〉の11作目を読んだ。

○ストーリー

元大学教授の八田博士が失踪して1年が経過した。博士の知人たちが集まった食事会に,島田文子という女性も参加する。短い期間,博士の執事だった鈴木は,この会合を滞りなく進めようとするが,夜の間にペットの猫が毒殺され,そして翌朝はゲスト1人が撲殺死体で発見される。最悪の事態となりつつある中,鈴木は島田文子に呼び出され,そして・・・

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ポストモダンミステリーの揺るぎないエースだった森博嗣だが,世間の期待を大幅に超えて,独自の世界へと進みつつある。

11作目となる〈Gシリーズ〉も,ミステリーの連作シリーズとして始まりながら,今では「ミステリーとは言えない」,「当初の主人公たちが登場しない」という状況だ。

ライトな読者を完全に降り飛ばして,〈森博嗣ワールド〉について行ける人だけを対象にしている,という恐ろしい状況だ。

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この〈Gシリーズ〉は,〈S&Mシリーズ〉系列とのリンクがある,という流れだったのだが,前作からむしろ〈Wシリーズ〉〈百年シリーズ〉への親和性が語られ始めた。

ネタバレになるので,この作品がどちらに属するのかはまだ語らない。

バラバラだと思われていたシリーズが,1つの世界に集約される,ということを森博嗣は20年間をかけて行っていて,それは本当に感心する。

「すべてがFになる」の時点で,全てを決定していたとは思えないが,大きな設計図はあったのだろう。ホントだったら,ひたすら怖いことだけど。

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この作品はあたかも20世紀の伝統的なミステリーのように始まる。タイトルも「〇〇の悲劇」で,晩餐会に集まり,泊まっていく客の誰かが犠牲になる,という展開なので,誤解をして手に取ってしまう人がいるのではないかと心配してしまう。

前作「χの悲劇(カイのひげき)」は雰囲気がだいぶ違ったが,今回は意図的に伝統に寄せているので,そこからのギャップは大きい。

〈Wシリーズ〉を読んでいれば,繰り返されているテーマで慣れているのだが,20世紀から地続きと思えた作品でそれを語られると,展開のコークスクリューに戸惑ってしまう。

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森博嗣作品にしてはノスタルジックな空気がある,と思わせた後のラストの急展開が衝撃的だ。

久々にびっしりと文字数が多くて,それも満足した。

さて,〈Gシリーズ〉最終作となる次作への期待はますます大きくなった。もうこちらの予想を全く超えて,独自展開をしてくれていいと思う。





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Last updated  2018.07.26 21:48:18
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