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2020.03.12
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鯨統一郎のシリーズはいくつもある。個人的には〈バー《森へ抜ける道》・シリーズ〉が好きだが,一番有名なのは,〈早乙女静香&宮田シリーズ〉かも知れない。この連作短編集はその続編に位置すると思われる。

〇ストーリー

文学部教授の曽根原は,討論会の帰りにバー〈スリーバレー〉に寄る。バーテンダー・ミサキの魅力もあり,居心地のよいスペースとなったのだが,そこに宮田という在野の研究家が現れる。曽根原と宮田,そしてミサキは,文豪の有名な作品の新しい解釈について議論をすることになる。そして・・・


ーーーーーーーーーー

バー〈スリーバレー〉が舞台で,突飛な説を述べる宮田が登場する,ということから分かるように,この連作短編集は,「邪馬台国はどこですか?」に始まる,鯨統一郎のメインのシリーズの一巻であるようだ。

歴史についてはひと通り語ったので,これからは別のテーマを宮田に語らせよう,ということらしい。

当初は,早乙女静香と宮田の論説バトルのような状況設定だったが,早乙女静香はトラベルミステリーシリーズを独自に展開しているので,置き去り状態の宮田のために新展開のシリーズが始まったのだと思う。


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〈桜川東子シリーズ〉あるいは〈バー『森へ抜ける道』シリーズ〉が終わってしまったためだろうか?〈早乙女静香&宮田三郎シリーズ〉が戻ってきた。・・・ただし静香抜きで。

涙。可哀相に。


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各編について簡単に感想を述べる。

「第一話 夏目漱石 ~こころもよう~」:「こころ」の”K”と”先生”は自殺ではなかった?では彼らを殺害したのは誰なのか?・・・高校時代に授業で「こころ」をみっちりと教えられた身としては,ひじょうに面白かった。”私”,”先生”,”K”を中心とした作品だが,個人的には”静の母親”も印象的だった。一般的な解釈に違う視点を導入する視点はなかなか刺激的だった。

「第二話 太宰治 ~なぜかメロス~」:「走れメロス」の中の様々な矛盾はどうしてなのか?それを排するとどのような物語が見えてくるのか?・・・かなりトリッキーではあるものの,作品内部の情報を元に分析する,という方向性は面白かった。この作品への分析は多く行われているので,そこに切り込むのは勇気がいると思った。

「第三話 宮沢賢治 ~銀河鉄道の国から~」:「銀河鉄道の夜」で登場人物が旅していたのは宇宙なのか?・・・宮沢賢治が求めていたのは”承認”であったという流れはミステリーというより,文学研究のようだ。雰囲気は良いのだけれど,ちょっとこれまでの2編とは異なる。

「第四話 芥川龍之介 ~藪の中へ~」:「藪の中」の事件は誰も分からない”藪の中”なのか?それとも計画された殺人なのか?・・・第三話で不安になったが,第四話で安心した。ブンガクミステリーで,今から新しい視点を導入するならば,作品世界の中だけで完結するべきだと思うけどな。













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Last updated  2020.03.14 19:00:30
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