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府民の「自己責任」と「互助」,そして,大阪・関西の“分権と集権”。
6月5日,大阪府の橋下徹知事が発表した「大阪維新プログラム案」の「大阪維新の先にあるもの」の文言です。 橋下徹知事は,「我慢のあとになにか待っているとか,夢やビジョンを打ち出すための財源確保でもない。市町村に権限と金を移して府と市町村のあり方を見直し,少子化,都市間競争をのりきるための道州制へのスタートとして位置づけている」と強調します。 「維新案」は,「収入の範囲内で予算を組む」ことを前提にした「改革プロジェクトチーム」の「財政再建プログラム試案」(PT案)を基本的に踏襲。 セーフティーネットも含めたあらゆる施策に大ナタをふるうPT案には,府PTA協議会が35人学級と学校警備員の継続を求めて100万筆を超える署名を提出したのをはじめ,各分野から200万を超える要望署名が府に提出されています。 議会でも自民党を含む全会派が府民のセーフティーネットや文化・スポーツ関連施策の存続を要求し,知事の判断が注目されていました。 「維新」案は,「財政再建」「重点政策」「府庁改革」の三つの柱。 「財政再建」では,実質削減である今年度1,100億円の「効果額」の内訳は一般施策245億円,建設事業75億円,人件費345億円,歳入確保435億円。「府債発行ゼロ」としていましたが退職債を85億円発行しています。 市町村から強い反発が寄せられた市町村振興補助金は今年度は継続し,来年度から交付金制度を創設。 ガイドヘルパーや住宅改造など高齢者や障害者を地域で支援する諸事業も今年度は継続しますが,来年度から見直します。学校の非常勤職員や35人学級に伴って配置されている単独加配教員の削減を打ち出しています。 ほかに,青少年会館の廃止や女性総合センターを運営する男女共同参画推進財団への補助廃止,大阪センチュリー交響楽団に対する運営補助は大幅削減して継続することが盛り込まれています。 一方,安威川ダムや槇尾川ダムの建設,住宅開発の「箕面森町」,阪神高速道路建設などのムダな開発は工事着工延期にとどめ,事業は継続します。 重点事業には「大阪の特徴化」を強調し,子育て支援の交付金制度創設,救急医療の輪番制の導入,産科・小児科医の確保,放課後学習や公立中学校でのスクールランチの実施などを含めて計31事業57億円をかかげています。 今回の「大阪維新案」では,35人学級など府民の世論と運動で一定の施策は守られました。 しかし,『大阪維新案』は結局,府民と職員にだけ痛みを押し付けるもので,財政悪化の主な要因である大型開発は聖域扱いにし,大枠はPT案通りといわざるを得ません。 本当の意味で,橋下徹知事が試されるのはこれからかも知れません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年06月09日 22時06分20秒
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