2024年3月:定点観測
ほぼ毎週のルーチンになった、鳴瀬川サイクリング・西へ。光の春。花野果市場の食堂が満席で、気になっていたコテージに入ってみた。レトロな山小屋ふうの店内で、ボリュームたっぷりの大人様ランチ。ことしも、この時季がやってくる、奇しくも海沿いの街で過ごすことになったこの日、サイレンが鳴るわけでもなく、気がつくと、あの時刻は過ぎていた。仕事を終えていつものように地元に戻り、日脚とともに営業時間の伸びたいつもの店で保存食を買って家路につく。あたりまえのように過ぎていく日々だけれど、ただ、13年前のあの日ほど、この時刻に何処で何をしていたか、はっきり覚えている日はないことに気づく。あの日から13年、そしてこの地に導かれてから十年の月日の間の、さらぬ別れも、導かれたからこその出会いも、ひとの命にも、持っている時間にも、限りがあればこそ。防潮堤のすき間から見え隠れする風景に、いつか見た海を重ねつつ、この地で生きていくことを、ことしも約束し、明日を信じて。