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今年も私の大好物のサクランボの出回る季節になった。
さくらんぼを桜桃(おうとう)と呼ぶのは東北だけなのだろうか? 私は両親が会津出身だったせいでさくらんぼを桜桃とよんでいた。 今、さくらんぼが桜桃(おうとう)であることを思い出すのは太宰治の命日「桜桃忌」が近づく今頃だけかもしれない。 6月19日の桜桃忌にまた沢山の人が集まるのだろうか?今年は生誕100年と言うことで例年にも増して人が集まるかもしれない。 昭和23年の6月に太宰治は入水心中をした。その少し前に発表したのが短編「桜桃」だった。 生きることに無気力な男と家庭の話である。 「子供より大人が大事、と思いたい」と書き出して家庭生活の諸問題に疲れた無気力な男が飲み屋に出かけて初物の桜桃を出されて 「私の家では、子供たちに、ぜいたくなものを食べさせない。子供たちは桜桃など見たことないかもしれない。食べさせたら、よろこぶだろう。蔓を糸につないで、首にかけると、桜桃は珊瑚の首飾りのように見えるだろう。しかし(中略)子供より大人が大事」で終わる。 亡くなった後に出版された「人間失格」は628万部売れた(新潮文庫だけでも)とのこと。 「恥の多い生涯を送って来ました。自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです。」と始まる人間失格の冒頭の文に共鳴する人多いからなのか? 昭和を代表する小説家と言う人もいるが、没後60年たった今なお多くの人に読まれる小説家なことはたしか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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