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テーマ:食べ物あれこれ(50287)
カテゴリ:飲み食いの話
ポーションパックのこんにゃくゼリーが製造を中止すると言う事について、新聞の投書に、70歳の男性は自分も嚥下がしにくかったので危ない思いをしたから賛成だと書き、46才の女性はおいしく食べていて健康にも良いのに残念、と書いている。 この食品がどのようにして作られているかまでさかのぼって考える事も必要ではないだろうか。こんにゃくはこんにゃく芋をすり下ろし水酸化カルシウムを加えてかためる。 こんにゃく粉からマンノースという糖の一種をとる実験は私も学生実験でやったが、その頃から、非常に高価だと聞かされ、実験書の半分以下のスケールでしか実験させてもらえなかった。それは塩酸で加水分解して行くのであったが、水を加えると見る見る膨れ上がり、こんにゃくとは「水のかたまり」であると実感した。実際に食品成分表を見ても97%が水だとある。ちなみに水分が多いと思われる豆腐は水分80%くらいだ。こんにゃくは豆腐よりもうすいのだ。 それでいて、あの独特の食感を持ち、しかもほとんど消化されない。ダイエットに効果が有るとも言えるが、なんのために食べているのかと言う気もする。この間読んだ貧困大国にも出てきたが、アメリカではいわゆるサプリメントに健康を頼る人が非常に多いらしい。「これさえ食べていれば大丈夫」と言う意識の形成は「メディア」の影響が非常に大きいと思う。 基本的に、会社は設ける機関だから、売れれば良いのであり、それには不安感をかき立てる事だ。買う人の健康状態が改善する事で喜びを感じるわけではない。ゼリーと言うのはあまり流動性のないコロイド、ゲルも語源は同じではないかと思うが、こんなものが消化管を通って行ったって、まさに「毒にも薬にもならない」だろう。蛋白由来のゼラチンならば多少ともアミノ酸として役立つだろうし、デンプンゲルならグルコースへと分解されて行く。同じ不溶性なら、例えばゴボウのイヌリンの方がまだ多孔質、或いは大根の繊維の方が消化管内のカスをくっつけて行ってくれそうな気がする。 健康の基本は、バランスのとれた食事と、運動、そして睡眠である事だと思う。 若干の甘味料、酸味料と大量の水、そして水不溶のゲルからなるものが健康に関連するとは考えにくい。大きな声が正しいわけではない。 結論。70才の男性の意見に賛成だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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