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テーマ:食べ物あれこれ(50287)
カテゴリ:飲み食いの話
見えない汚染というと今は福島の原発事故が第一だが、細菌汚染も負けないくらい物騒だ。外食チェーン店での発生で一気にユッケが有名になったが、生肉食が異常に有り難がられている食習慣も見直されねばなるまい。私も刺し身は好きだが。 食肉の微生物汚染は屠殺・解体時から始まる。 今回の大腸菌O-111は牛自身にはあまり症状が出ないそうだが、解体後の洗浄の時から接触により汚染されると思われる。糞の中に大量に含まれるから、ここで人間についたり、器具や床面の滅菌が不十分な時に汚染する。 肉の汚染はまず表面だけだ。アルコールの噴霧とかでも空中落下並の1gあたり1000個程度には出来るだろう。このまま冷凍してしまえば多くの場合問題は起きない。また解凍後も10℃くらいまでで管理してあれば1日や2日で急増するものでもない。昨日の報道で「翌日にも出しているんですか?」などという報道記者の質問があったけれど、「微生物の増え方の勉強ぐらいしておけ」といいたいところ。牛の体温を考えてみればいい。その位が、一番菌が住みよい環境なのだから。取材に行くなら最低の予備知識はつけておいて欲しい。 それはさておき、菌類の一番の弱点は「加熱」である。表面を焼いてレアステーキかたたき状態にするだけで菌数は激減する。生に近い食感が好きならこういう手もあるということだ。 私がもう一つ生肉に注意しておくべきだと思うのは、たこ、えび、かにのたぐい。海底をはい回るものにはシュードモナスという菌がつくことがある。これも加熱で処理できるが、生には用心した方が良い。レストラン等で出されるのはそれなりに処理してあるだろうが、自分でつかまえたやつは別だ。菌だらけと思っておく方が良い。 ただ、今回の事件でも食べてもどうもなかった人もいる。遡上調査は無理だが、生体には有り難いことに免疫機能がある。普段から少し汚い生活をしているほうが食中毒に強いかも。抗菌だの99.9%滅菌だのにあまり振り回されないほうが良い。生物は生物のトータルバランスの中で生きているのだから。
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最終更新日
2011年05月05日 08時35分09秒
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