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カテゴリ:ケアマネ物語
よいカウンセラーとは
実はふうてんの寅さんです。 ふうてんの寅さんの見知らぬ人への話しかけ方を見ると、人の心への添い方が判るかな・・と思います。この雰囲気は私は真似できないでしょう。 私が桟橋の欄干によりかかってぼんやり海を眺めているとします。そこへ寅さんがとおりかかり 「姉さん・・。きれいな海だね・・。」 とか話しかけてきます。 (本当は寅さんの人相風体で私は少し身構えます。だって怪しいじゃないですか。でもここは映画だから、あまり気にしないで、というか他人のことも構えないほど悩んでいたら) 「ええ」と気のない返事をかえします。 「どうだい、近頃はげんきでやっているかい」 見知らない人に近頃は元気かと言われても 「え、まあ」 「そうか、そらよかった。なにより元気が一番だ。な、姉さん」 と言われ寅さんの顔をみるとあの笑顔。いい人らしいとわかります。 「面白いひとね・・」 「そうか、オレは面白いか・。よかった。姉さんの笑顔はいいねえ、気持ちのいい笑顔だ」 実は寅さんの笑顔が映っています。 笑顔に邪気がないと、その笑顔は相手に映り、つい笑いかえしてしまいます。これを微笑み返しの技といいます。 元気のないお年寄りに試してみてください。 さて、寅さんにまだ悩みは何一つ話していませんが、少し気持ちが明るくなり、この人になら話せそうと思い始めます。 ここがカウンセリングの基本です。話しても言いと思わせること。 実際のカウンセラーの所にいくと、料金分は元を取ろうと思います。第1回目からは、たいして話せないので元は取れず少し失望します。 この点寅さんは通りすがりの旅の人です。恥を話してもこの場かぎりです。 そこはカウンセラーと似ています。赤の他人で関係を断ち切りやすい。 寅さんはお金を取りません。 もしかしたら、家に招待してご馳走したり泊めたりするかもしれませんが、きっと損したなどと思わないでしょう。 寅さんは旅の話や、自分の失恋話、故郷の家族の話をします。面白おかしい話で涙が出るほど笑ったりします。 その中に自分の悩みの話題も入っているかもしれません。ああ、他の人も同じ悩みがあるんだ。とふと思いつくかもしれません。 悩みを相談しなくとも、いつのまにか解決しているかも・・。 ここに実はカウンセリングの一つの基本があります。 気の置けない他人・・。そしてその人が自分をさらけ出している、その姿勢・・。 構えていた自分のほうが変なのだと感じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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