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カテゴリ:ほんわか介護、認知症とつきあう
人生いろいろ、認知症もいろいろ・・
動きのある人、動かない人、さまざまです。 ある方の認定調査にうかがったときの話です。 背中を丸くして後ろ向きに座っていらっしゃる。こんにちわ・・ 答えがありません。いいお天気ですね。 おいくつになられましたか・・ 息子さんがおっしゃいました。 恥ずかしいですが、亡くなった父が横暴で・・、虐待というんですか・・ 若い頃は亭主関白という程度でした。その頃は母も元気で、よく外に出たり町内会の活動もやっていましたが、父が仕事をやめてから、母につらくあたるようになりました。 母が外に出ることをいやがるのです。そのうち母もでなくなって・・。父が亡くなってからは、あのとおりいつもぼんやりしているのです。 そうだったんですか・・ そのお宅は一家、お店で忙しく、母親はほとんど引きこもり状態です。 息子さんやお嫁さんがときどきのぞいて食事はしたか、お風呂は入ったか聞きます。そのときの返事は、した。とか入ったとか、簡単にいいます。 息子さんはむりやり風呂に入れる訳もいかないし、食べる物も口に押し込む訳もいかないし・・。好きな物を好きなときに出して食べているらしいとのことです。 家族はほとんどそばにいられないほど仕事が忙しく、自分たちも簡単にすましているらしい。 お母さんは調理をするのも面倒なようです。 このお母さんの介護度は難しいものです。ほぼ一人で自分のことは自分でしています。排泄面もまだ失敗は無い。 問題点は無気力なこと。話にキャッチボールがない・・ このまま一人でいれば、状態は悪化するでしょう。 外に出たくないと本人もいいます。ちょっとそこまで出てみたら・・、というと誰もいないときに出かけていると嘘を言います。出かけることはあるでしょうが、いつのことかはわかりません。 徘徊すれば、徘徊したで家族は困ります。家に鍵をかけて閉じ込めても、出たいとなると、どんなことをしても徘徊してしまいます。ドアを壊してまで・・。 徘徊でこまっているお宅からみれば、どこにも出たくないこの母親が羨ましいでしょう。 私の少ない経験からみますと、徘徊する人の方が活力的です。ぼんやりの方が認知症は早く進むかもしれません。科学的裏付けがあるわけではないですが・・。 夫が横暴というか家庭で強い力を持ち、妻に意見を言わせないと、その夫が亡くなったあと、自分自身の意見をもって生きてこなかったため、何も考えない癖がついて、考えようとせす、ぼんやりになるのが早いようです。 また優しすぎて、妻に苦労をかけない、なんでも夫にまかせておけば安心という家庭でも妻は何も考えないようになるようです。 それにアルツハイマーになる原因(はっきりわかっていません。遺伝説もありますが、ならない方はならないので、なにか原因があるはずです)があると加速がかかるのでは・・。 やはり、頼りにしてみたらいかがでしょうか。たまに子供として甘えてみるのもいいかもしれません。 私がしっかりしなければだめとちょっと思わせるのもいいかもしれません。 私の知人に、とってもおばあさんに見える方がいました。歩くときもやっとだし、腰も曲がっているようで、なおいつも着物を着ている人でした。 折り合いの悪い嫁がとうとう家をでてしまいました。 あとには息子と小学生の孫が残されました。 知人は突然10歳以上若返りました。着物をやめ、スカートにエプロン、髪はパーマをかけ、白髪染めもしました。てきぱき家事をこなし、主婦業を楽しんでいるようでした。 お嫁さんはかわいそうですが、知人にはよい認知症予防になったようです。きっと寿命ものびたことでしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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>頼りにしてみたらいかがでしょうか。たまに子供として甘えてみるのもいいかもしれません。
私がしっかりしなければだめとちょっと思わせるのもいいかもしれません。 この考え方、大賛成です。 とっても重度の認知症の女性がいました。すべて、全介助でした。ある日、介護していた職員が彼女の膝の上でうとうとと居眠りをしていました。すると、認知症の彼女はそのスタッフの髪を優しく撫で始めました。これが、本当の関係だと思いました。 (2007.01.26 00:24:51)
たっちゃん1277さん
施設にいたとき、とってもだめなスタッフがいました。同僚から仕事をまわしてもらえないほどです。 しかし、入居者からは可愛がられていました。 効率ばかりを追い求める今の社会では、このできない子はやっていけません。長い目で見ると、この子が一番いいスタッフになると思っていたのですが。 (2007.01.26 08:59:07) |