ドマニ龍 です！！

　コールド・コールド・ハート（Cold, Cold Heart）
　１９７２年公開のアメリカ映画「ラスト・ショー(The Last Picture Show) 」主題曲

　

　ハンク・ウイリアムスが１９５１年作詞作曲して歌って大ヒットしたカントリー＆ウエスタンの代表作であるこの曲「コールド・コールド・ハート」（この映画の中で使用された一つ）・・・ピーター・ボグダノビッチ監督は、この作品にオリジナルの音楽ではなく１９５０年代初期にヒットした既成の曲を使ってリアルな感情を表現～～～映画ではハンク自身のレコードと共に、ミリオン・ヒットを記録したトニー・ベネットのレコードも使われていました！！
　

　ラスト・ショー(The Last Picture Show)」１９７１年／アメリカ映画
　　監督：ピーター・ボグダノビッチ
　　音楽：ハンク・ウイリアムス他
　　出演者：ティモシー・ボトムズ（ソニー）、ジェフ・ブリッジス（デュアン）、シビル・シェパード（ジェシー）、ベン・ジョンスン（サム）、クロリス・リーチマン（ルース）、エレン・バースティン（ロイス）、など！！

　
　
　１９７０年代初頭のアメリカ映画は”アメリカン・ニュー・シネマ”の時代（それまで映画の中で守られてきた倫理観を打ち破り、あらゆる快楽を追求する破滅的な若者たちの姿を描くのがニューシネマ）・・・そして、多くの場合、彼らを待ち受けているのはビターズ・エンドが相場で、この映画もニューシネマの代表作と考えられている作品～～～「明日に向って撃て！」「イージー・ライダー」「俺たちに明日はない」などど比べると、内容・キャスト共に少し地味な印象があります（若干のマイナー感は否めないかも）、失われつつある繁栄への郷愁といったもの悲しい雰囲気が心をくすぐる内容で、二度と戻らないあの美しい日々の記憶的な青春映画の醍醐味を持った記憶に残る作品！！

　１９５０年代初頭のテキサスの小さな町が映画の舞台・・・　舞い上がる砂埃、今にも崩れ落ちそうな映画館、古ぼけたジューク・ボックス、１９５０年代のテキサスの片田舎「アナリーン」を舞台に、時の移ろいの哀しみを白黒スタンダードの画面一杯に讃えた美しい作品！！

　

　高校生のソニーとデュアンは大の親友、デュアンの恋人は町一番の美女と言われるジェイシー（ソニーは恋人のシャーリーンに物足りなさを感じていました）・・・そんなある日、フットボールのコーチに頼まれ妻ルースを病院に送ることに！！

　大人の女性のやさしさに触れたソニーは彼女に恋をしてしまいます・・・夫に物足りなさを感じていたルースもサムに惹かれていき、二人は恋におちてしまいます！！

　バーを経営する元カウボーイのサム・・・ソニーにとって父親代わりのような存在で、ライオンと呼ばれていたサム（彼こそ開拓時代の最後のヒーローでした）～～～失われた開拓時代の名残のようなサムは街中の少年達の憧れで、サムに昔話を聞かせて貰うのがソニーにとっては至福の時でしたが、そのサムが自動車事故で亡くなってしまいます！！

　ソニーはサムから、たった一度＾激しい恋をした時の話＾を聞いたことがありましたが、その相手がジェシーの母ロイスとは知りませんでした・・・時は若者たちに関係なく流れていました！！

　サムの死が全てを狂わせていきます・・・デュアンとジェイシーはめでたく結ばれますが、その日を境にジェイシーはデュアンに興味を失ってしまい、ソニーに好意を持つようになります～～～舞い上がったソニーもこれを受け入れますが、恋人を親友に奪われたデュアンは激怒し、殴り合いの大げんかになり、ソニーは病院送りになります！！

　退院したソニーはジェイシーと駆け落ちする約束をしますが、いざ実行となるとジェイシーはまたもや心変わり・・・ソニーはジェイシーを失ったばかりか、親友のデュアンまで失うという結果に（心のよりどころだったサムももういません）～～～駆け落ち失敗の噂を聞いたルースも相手にしてくれませんし、全てを失い悲嘆に暮れるソニー！！

　デュアンは「朝鮮出征」が決まり、町で唯一のデートの場だった映画館の閉鎖も決まりました！！

　一方、失意のデュアンは朝鮮戦争に行く決意を・・・噂を聞いたソニーはデュアンを訪ね、二人で「町で唯一の映画館」へ向かいます！！

　その映画館はその日で閉館することが決まっています（町で唯一のデートの場だった映画館でした）・・・最後の上映作品は『赤い河』で、アメリカが夢を持っていた時代を象徴するような作品でした！！

　映画が終わると、デュアンをバス停まで送り二人は別れます・・・もう終わりです～～～美しい青春時代は二度と戻らないことをソニーは理解せざるを得ませんでした！！