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私:ISO9001規格は、現在、新しいのは2015年版だが、企業によってはまだ、2008年版で動いているところもある。 しかし、たしか、2018年までに2015年版にきりかえないと、認証が無効になる。 そこで今年は、多くの企業で2008年版から、2015版への切り替えが急がれているね。 ところが、2015年版から、2008年版にあった「除外」を認める項目に大きな変更があるという。 それは「8.3 設計・開発」は「除外」できないという。 2008年版にあった「除外」という言葉も「適用が不可能」と言い方が変わっている。
A氏:「8.3 製品の及びサービスの設計・開発」は「除外」(適用が不可能)にできないというと部品加工をやっている企業は、基本的に顧客で製品設計を行い、その図面で加工するので、製品設計はないことで、やってきたから、今、「除外」している「製品の設計・開発」のシステムを新規に作成しなくてはならないね。
私:製品設計の問題は、かって、ISO9000規格にはISO9001、ISO9002、ISO9003の3つの規格があって、企業側が選択したときからある。 このとき、ISO9001とISO9002の違いは「製品設計」の有無だ。 だから、部品加工業はISO9002しかとれなかった。 ところが、「製品設計」がある大手企業でも規格は選択できるのでISO9002で認証し、ISOをとったと言い出すという弊害が出た。
A氏:そこで、その弊害をなくすため、ISO本部は2000年版で、ISO9002を廃止するとともにISO9001に一本化し、同時に妥当性があれば「除外」を認めることになった。 当然、部品メーカーは「製品設計の要求項目」は「除外」とし、ISO9001の認定を得た。 ISO9002で、「製品設計の要求項目」を逃げていた製品設計のある大手企業は逃げられなくなったわけだ。
私:ところで、ISO9002時代にもどるが、当時、部品メーカーはISO9001の方が格が上という見方があったので、せっかく、ISOをとるなら、ISO9001をとりたいという要望があった。 そこで、俺は、部品加工企業は図面をもとに加工プロセスを計画するから、これを「工程設計」とし、ISO9001の設計システムの要求を満たすシステムを作り、部品加工企業でもISO9001を取得するようにした。
A氏:しかし、2000年版のISO9002の廃止で「除外」も可能になったね。
私:ところが、興味あることに2008年版の「製品実現の計画」の要求事項の「注2」に「組織は、製品実現のプロセスの構築に当たって、「設計:開発」に規定する要求事項を適用してもよい」という記載が登場した。
A氏:まさに「工程設計」の公認だね。 大体、「製品実現の計画」というのは、部品加工企業では「工程設計」に相当する。
私:2008年版でこの「注記2」が入ったことで、逆に規格の「設計・開発」は、製品設計がメインであることがわかる。
A氏:それが、なんで、2015年版で部品加工業でも「設計・開発」が「除外(適用が不可能)」を認めないとなったのかね。
私:解説書など読むと、親企業がでは設計とみなされなかったプロセス設計(工程設計)が次のサプライチェーン組織では設計とみなされるとあるね。 実際には2008年版から、「製品の実現計画」の項で、製品実現のプロセスの明確化を要求しているから、これを「工程設計」として、「設計・開発」の項目にアレンジして追加すれば、簡単に要求を満たすことができるね。 A氏:「工程設計」は、このブログの工程設計の基礎知識、金型設計は製品設計か? 、ISO9001とTSの比較の効用でふれているね。
日本の伝統的な「品質は工程で作られる」がTS規格に反映し、ISO9001もようやくTS規格レベルになったね。
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Last updated
2017.08.11 23:39:01
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