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A氏:こないだの新幹線「のぞみ34号」の台車で昨年12月11日に破断寸前の亀裂が見つかった問題を扱ったブログ「川重『削りは現場判断』 規定外の作業 のぞみ台車」で、台車の亀裂の原因は、JR西が定めた設計では底面の厚さは8ミリで、加工しても7ミリ以上とされていたが、最も薄い部分は4・7ミリしかなかったこと。
さらに、その4・7ミリしかなかった原因は、川重は台車枠を別の部品と溶接する際、すき間をなくし、がたつきを抑えるよう底部分を薄く削っていたためという。
現場では、「作業仕様書」が貼り出されているため、作業員全員がみることはできたが、実際には「(現場をまとめる)班長の指示」が優先されたという。
A氏:川重の記者会見の説明では、班長の指示に問題がある場合に、それを修正する仕組みは確立できていなかったとあるね。
君は、部下に指示したら、実際に部下がその通りやったのか、確認するのが現場班長の職業的な義務なのではないのか、そして、さらに、肝心の、なぜ、その班長がその義務を怠ったのかの説明がないと指摘していたね。
現場では、「作業仕様書」が貼り出されているため、作業員全員がみることはできたが、実際には「(現場をまとめる)班長の指示」が優先されたとあり、班長の指示に問題がある場合に、それを修正する仕組みは確立できていなかったとも説明しているね。
私:この記者会見での川重の説明は、全く、ピント外れで、記者からもそれを追求する質問が出ないから、当然、新聞記事は表面てきなないようで終わっているね。
君は、多くの大企業・中小企業の工場現場を見ているが、作業者の作業場所に名前は会社により「手順書」とか「標準書」とか異なるが内容的には同じ「作業仕様書」が掲示されているのを見かけたことがあるだろう。
A氏:そうだね。見事にどの企業も同じ「風景」を目撃するね。
1990年代に品質マネジメントシステムの国際規格ISO9001の認証ブームによって、共通して拡大したものなのかね。
私:そして、さらに共通しているのは、作業者はその掲示された「作業仕様書」を見ないで作業していることだ。
作業者は作業に集中していて、「作業仕様書」など見る余裕などない。
これは、日本だけかと思ったら、2000年にISO9001認証システムの発祥地のイギリスのある自動車部品メーカーを視察で訪れたが、流れ作業で各作業者の前に作業者ごとに「作業仕様書」が掲示されていた。
そして、日本と同じで、作業者は『作業仕様書』を見ないで、作業に集中だ。
国際的な共通現象にまでなっていた。
A氏:川重の記者会見にはその問題は全く話題にも出ず、「班長の指示に問題がある場合に、それを修正する仕組みは確立できていなかった」という見当違いの反省をしているね。 私:その点、トヨタにも「作業仕様書」の現場掲示があるが、見方が全く違う。
トヨタは「掲示された『作業仕様書』は、作業者が見るための掲示でなく、その職場の監督者が『作業仕様書』と現実の作業が一致しているかを管理するためにある」としている。
「トヨタ生産方式」レベルに対して、川重の社長や品質保証部の無知がクローズアップしている。
作業者は掲示された「作業仕様書」を見ないで作業している現実に疑問を持っていないレベルだ。
そのレベルの記者会見の内容に対して、追求しない記者の品質管理の無知も同じレベルだね。
A氏:すでに「デミングやISO9001の忘却・」で君がふれた通りだね。
私:川重など重症の企業は再建に時間がかかるだろうね。
なお、これに関連して、トヨタでは「教育」と「訓練」を明確に分けている。
これは、ブログ「「教育」と「訓練」の違い 」 で説明している。
このブログと同じ趣旨のものが数年前の「作業標準書の現場掲示の必要性」にもあるね。
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Last updated
2018.03.06 21:50:05
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