新刊『村上龍料理&官能小説集 特権的情人美食』発売記念
ミシュランの格付けで、いよいよ日本のレストランにも
☆ランクがつくようになりました。
そんなタイミングもあってかムラカミシュラン(造語)の新刊も発売になり、
今回は旧ムラカミシュランの集大成
「村上龍 料理小説集」のマニア向け解説です。
「村上龍 料理小説集」1988/10/10集英社
本誌には32編の短編小説が収められていて、
それぞれの小説の題材となる料理が合計32品目以上は掲載されています。
その中で一番多くの料理を提供した国は、コートダジュールを中心としたフランス&イタリアです。
パリ~南仏(マルセイユ、ニース、モナコ王国、エズ)&ローマ
この場所で紹介された料理は9品目
「イカスミのスパゲッティ、セントペレス風味」
「鹿肉の生まハム」
「冬のオマール」
「ブイヤベース、マルセイユ、フォンフォン」
「鴨のフォア、リュカ・カールトン:キャベツの葉包み」
「鴨のロースト、トゥール・ダルジャン」
「トリュフ、ブラックホール風味」
「ムースショコラ、コート・ダジュール」エズ/黄金の山羊の城
「フンギポリツィーニ・ヴィア・デ・メルセデ」ローマ/ダ・トゥリオ
短編も素晴らしい作品ばかりです。この本は何回も読み返しました。再読率1位かもしれません。
エズ/黄金の山羊の城テラス
とコートダジュールの夕暮れ(ホテルパンフレットより)
【お気に入り名文集】
Subject8より~老作曲家の台詞
その1「飢えて食うアンパンと、この生ハムはまったく違うんだ、このダイニングの料理は罪だな、許されないものだ、差別で成立している」
その2「禁じられていることだけに、快楽は潜んでいるんだって当たり前のことがよくわかるな、ここの料理を食べると」
Subject30より~エズの岬のレストラン「ル・キャップ・エステル」にて
その1、レストランはガーデンに面していて、アペリティフを飲む頃はまだ明るい、、、、(中略)
、、、、夜になる、のではなく、夜という希薄で巨大な生き物が忍び寄ってきてあらゆるものを被ってしまう、という感じなのだ。
その2「おいしいってわかりきっているのに、こんなにまずいと思いながらチョコレートを食べるのはこれが最初で最後だと思うわ」と彼女はいい、
それを聞いてコート・ダ・ジュールに復讐されてるな、と私は思った。
そしてこの本、この料理に惚れ込んでしまった私は数年前に、上記料理から2点を体験してきました。
NO.1「ムースショコラ、コート・ダジュール」エズ/黄金の山羊の城
ムースショコラは「すごく美味しかった!」です。
美食レポーターみたいなコメントは出来ません、スミマセン(笑)
うんちくですが欧州は、何処でもたいがいチョコレートが美味しいんですよね。食品表示の基準で「チョコレート」と表示していいのは乳脂肪分が一定基準以上は必要で、日本よりはチョコ製品と呼ばれるハードルが高いそうです。
でもまあシェーブルドール城のテラスで夕暮れの海を見ながらですから、、、そりゃ旨さ倍増なはずです。(#^.^#)
残念ながらル・キャップ・エステル(上記:作曲家の台詞のホテル)はこのエズ村のすぐ下の岬にあるのですが、オンシーズン営業(夏季のみ)なので10月に訪れたら休業していました。
でも両方とも宿泊料は高額でしたよ~確かモナコのホテル・ド・パリより高かったと思います。
(ちなみに私はニースに宿をとっての日帰り観光です。)
石の迷路みたいなエズ村
NO.2「フンギポリツィーニ・ヴィア・デ・メルセデ」ローマ/ダ・トゥリオ
フンギポリツィーニは「とっても美味しかった!」です。
(2行目同上)
キノコ類はもともと好きなんですが、不思議なお味でしたね~短編の中でも「肉の分類」と表現されています。メインディッシュがキノコというのも初めてでした。
ここのパスタ(アッリオオーリオ)も美味でしたよ~(^^♪
旬の素材なので、旅の季節が合って良かったです。
あとお土産に”丸ごとトリュフの瓶詰め”を買ったんですが、丸ごとは食べる気にならず体験していません。
黄金の山羊の城お土産のデミタスカップ
その他、ムラカミシュラン食体験リスト(またの機会に御紹介♪)
「豚の下肢肉の塩ゆで、ル・マン風」ドイツ/フランクフルト駅前にて
(小説と同じ屋台仕様なので、同品目とみなす。)
「ホットドッグ:マジソン・スクエア・ガーデン直送」N.Y/マンハッタン/M.S.Gにて
「悲しみのSUSHI:中トロ・新小ハダ・穴子」東京/久兵衛にて
そして全32品目(残27品目)を現地で征服するのが私の夢、目標の一つ!
頑張れ私、世界中へ!そして食べるのだ!