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カテゴリ:日次報告
毎日新聞の経済欄コラムで「場の教育効果」について述べられていた。
毎日新聞では、正社員中心(そこには終身雇用などの諸制度が含まれる)の企業文化が 失われていることが、最近の企業倫理や不具合の原因ではないかとの論点に立っている。 もちろん、様々な企業問題の原因がそれだけではないやろうけど、確かに企業文化の変動が 及ぼす影響は軽視できない。ただ、この場というものが失われているとしたら、それは 単純に雇用制度の問題でなく、業務環境の変化が大きいっちゅうのがワシの考えや。 通信手段を含めたITの進展によって、ともすれば会社という場所で仕事をすることの 必然が失われてきている。早い話しがパソコンとメールと電話があれば、仕事ができるって 状況になっている。もっといえば、その環境をどれだけ効率的に生かすかにしのぎを 削っているといえる。 モーレツ社員で長時間勤務し、過労死という問題だって、メールによる報告と連絡によって 直行、直帰が可能になり、資料作成と印刷だってKinko'sで済ませることだってできる。 逆に会社にいないほうが働いているということにされる営業にとっては会社でこちょこちょ メールをするぐらいだったら、外から外にまわって喫茶店でメールしていた方がいい。 技術部門だって、図面を中心にワイガヤをしていたのではなく、3Dによるモデル中心に なればいやでもパソコンから離れることはできない。 だから問題なのは、そういうワイガヤを含めたコミュニケーションによって知識と アイデアと意識が醸成される場が失われていくというのがITのもたらした罪である との認識にたって、解決の方策をきちんと示されていないってことやないか。 で、この「場」をひっぱるためのしかけとして、人と人の関係を重視したプロセスがあり、 それをいかに構築、定着化するかが重要なんだ。トヨタの強みがカンバン方式にあるの ではなくて、問題解決のための、処置と対策を徹底するというトヨタウェイにあるという のも同じことを意味している。トヨタだって、期間従業員を工場に採用するという点に おいては、世間とそんなにかわらへんのやないかな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.04.14 16:12:40
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