訃報(鳥山明)
自分に物心ついてからデビューされた方と、物心着く前から活躍していた方、そして大人になってから活躍しだした方の3つに故人は分類されると思っている。鳥山明は物心ついてからデビューされた方。最初にDr.スランプが掲載された少年ジャンプで衝撃を受けたことは今でも覚えている。単行本も購入したと思う。マンがには、劇画として写真により近い絵と、漫画としてデフォルメされた昔ながらの漫画があり、手塚治虫がいくら劇画調の話を書いたとしても漫画の絵だった。そして、少年誌はどこまでいっても漫画であり、青年誌は基本的に劇画だった。青年誌で劇画 として受け止めた代表は、ゴルゴ13なのである。で、この少年誌において、これまでも失礼ながら劇画に比べれば画力が弱い漫画で、その中でも弱い部類に入るギャグ漫画において(こち亀はそういえば例外的だなぁ)圧倒的な新感覚の絵柄で衝撃を受けたギャグ漫画としてDr.スランプがある。劇画調にしてうまく見せているのとは違う、本当に絵が上手い人が書いているとの衝撃がそこにはあった。何よりも線のタッチが違う。新しいマンガの時代を感じたのだ。これと同じように衝撃を受けたのはうる星やつらだな。自分のマンガの好みに脈々と受け継がれている。そんなマンガ好きの原点の1つであるDr.スランプの作者がお亡くなりになった。あまりにも衝撃的なんだ。世間的にはドラゴンボールの方がメジャーかもしれない。もちろんドラゴンボールも楽しく読んだ。しかし、最終版は少年ジャンプの購読をしてなかったのでよく分かっていない。無理矢理人気作品で編集から連載が長引かされたことが残念という感想もある。なので、自分的にはDr,スランプこそが鳥山明の代表作なのだ。それに加え、ドラゴンクエストのキャラクターデザインにも触れなければならない。今までにゲームで費やした時間の総合計で一番長いのは間違いなくドラゴンクエストシリーズだから。どんなキャラクターもモンスターもそこには、鳥山明のタッチがある。この線の個性が素晴らしいし、愛してやまない。ご本人がお亡くなりになっても生み出したキャラクターは生き続けるだろう。きっと自分の人生の最後の瞬間まで、そのキャラクターの世界には接しているだろう。こうして、受け継がれるモノを残せる才能こそ、まさにギフトと称するにふさわしい。ご冥福をお祈りします。そしてそのギフトを死ぬまで楽しませてもらいます。ありがとう。。。