牧水の泊った湯宿温泉・金田屋旅館
先日、10月15日は群馬県・湯宿温泉の金田屋旅館に泊りました。
その金田屋旅館の玄関です。
(この写真は、4月の時のものですが)
この日は、ちょうど台風26号が接近して、
伊豆大島に大きな災害をもたらした日でした。
湯宿温泉は、古くからの街道沿いにあって、小さな宿場町の数軒の温泉宿ですが、
それが温泉として最高なんです。
看板だけ有名で、プールの様な温泉ホテルより、よっぽどしっかりしています。
これぞ、本来の温泉です。
私などには、この方がゆったりと、しっかり楽しめます。
ところて、この金田屋旅館には、
若山牧水が宿泊した部屋が残されています。
これがその部屋です。
蔵を改造した部屋ですが、
牧水の色紙が残されています。
きっと、宿の人が一筆頼んだんですよ。
このほかにも、この宿に泊ったということが書かれた牧水の葉書があって、
その直筆のコピーを紹介されていました。
今回、牧水の『みなかみ紀行』をめくってみたのですが、
岩波文庫の『新編 みなかみ紀行』でみたのですが、
この中にも、そのことがのっていました。
P126 十月二十三日
「湯の宿温泉まで来ると私はひどく身体の疲労を感じた。数日の歩きづめとこの一、二晩の睡眠不足とのためである。其処で二人の青年に別れて、日はまだ高かったが、一人だけ其処の宿屋に泊る事にした。・・・
一人になると、一層疲労が出て来た。で、一浴後直ちに床を延べて寝てしまった。一時間も眠ったと思う頃、女中が来てあなたは若山という人ではないかと訊く。不思議に思いながらそうだと答えると一枚の名刺を出してこういう人が逢いたいと下に来ているという。・・・」
当方は不勉強で、岩波文庫の本は、今回関係する箇所しか見ていませんが、
そして、若山牧水についてもあまり知ってはいないのですが。
これもまた何かの縁ですから、少し調べてみたくなりました。
というのも確かに、この宿が湯宿のその宿で、
牧水のとまった部屋が、今でも大切にして残されていましたから。
小さな町の、小さなエピソードですが、
なかなか歴史文化をたいせつにしている金田屋旅館でした。