宮本顕治著『党建設の基本方向』
この本は、本棚でほこりをかぶっていたんです。
宮本顕治著『党建設の基本方向』(新日本出版社 1995年刊行)ですが。
上巻で15本、下巻で39本の論文が選ばれてます。
この元には、分厚い『大衆的前衛党建設の理論と実践』(共産党中央委員会出版局 1982年刊行)があります。
もちろん、今日・2023年2月からしたら、28年前も時をさかのぼる、だいぶ昔の刊行です。
でも「基本方向」というのは、原理的な骨格的な、本質的なものがあると思いますから、
古くても新しく学びかえす点もあるんですね。
1960年代からの党建設の経験から、教訓的な問題を選び出しているんですね。
昨日『東京新聞』をみたら、成瀬健生という人のインタビューが掲載されてました。
日経連の元常務理事だった人で、1995年に非正規雇用をふやそうとの提言をつくった人だそうです。
「新時代の日本的経営」と題する報告書だったとのことですが。
1995年に1001万人、20.9%だった非正規雇用が、
2022年には、2101万人、36.9%にふえた。
この間に、正規労働者が191万人減り、非正規労働者は1100万人に増えたというんです。
経営者は「人間を育てることを忘れてしまった」と反省的なことを語ってるんですね。
なにを言いたいかというと、
社会は、労働界、政治世界の綱引きの中で動いてます。
それ以前から、新自由主義的なイギリスやアメリカの政治や、それを礼賛する経済学者がいたわけで、それをおしすすめた政治家たちがいたわけです。
逆に、そうした労働政策に反対して、労働者の暮らしや権利を守ろうとしてきた労働組合や政治家の人たちがいたわけです。
大きな流れの中でみると、その時々にはあまり問題が目立たないことでも、大きく見れば、大事な岐路、基本的な立場というのが、鉄のように原則的な、しっかりした教訓が見えてくるってことがあるじゃないですか。それらは、時代の中で発展させなければならない性格を持ってます。
だから、日々意識的に、問題を明確にする理論を発展させていかなければならないわけです。
特に今は、
憲法の基本問題でも、学術の独立性の問題でも、歴史も基本もなげすてて、でたらめな屁理屈・弁解を合理化しようとする、そうした政治権力の詭弁の対決ですから。
それを変えていくためには、ただすためには、国民の側としては、もっとしっかりした知恵と力が求められているということです。