「みかんの花が咲いている・・・♪」
耳に親しむ日本の歌謡ですが、
この歌は、小田原でつくられたんだそうです。
ゴールデンウイークのこの時期には、
乳白色のみかんの花が、小田原のみかん園には、いっぱい咲いています。
小さな花ですから、車ではしっていただけでは、見逃してしまうでしょうが。
それとして意識していないと、せっかくのその満開ぶりを見逃してしまうかもしれません。
この5月のゴールデンウィークの時は、みかんの花の満開の季節なんです。
あたりには、みかんの花の香りが、いっぱいに漂っています。
それともう一つは、この時期はお茶摘みの時なんです。
みかん園の境界には、低木のお茶の木が植えられています。
みかん園の境界木なんですね。
今年は、4月25日から5月7日までの10日あまり間ですが、
小田原の農協では、期間限定で製茶工場が稼働してくれます。
ブランドの「足柄茶」ですが、これは、みかん農家からもちよられた茶葉なんですね。
私なども、世の中は「メーデー」なんですが、西から雨が近づいているというので、
4月の選挙や何かで疲れてはいても、そそくさと小田原のみかん園へ茶摘み行きです。
自然というのは、人間の行事や慣習なんて、まったく関係ないんですね。
そこが、自然を営みとする農家と、労働者との、大きく事情の違うところです。
農夫は自然の都合にあわせるしか、仕方がないんです。
人間のご都合主義や、自分勝手なことは、自然には通用しないんです。
今回は、二組の夫婦が、小田原のみかん園に援農に来てくれました。
ドタバタと対応していたら、肝腎のみかんの木の根起こし、草刈り施肥を撮り損ねてしまったんですが。
これは、その一コマでして。
フキを収穫してくれているところです。
フキは、人によって好き嫌いがありますが、この時期の自然の恵みです。
これはアキタブキですが、
ノブキを使った「キャラブキ」を、近所の方がつくつて届けてくれました。
私などは、ドタバタしているから、そんな調理をする時間はないんですが、
これが、じつに美味しいんですよ。
日本人は、いつの頃からこうした自然を生かした食材を、発明・開発したんでしょうかね。
「キャラブキ」というのは、自然を生かした暮らしの知恵ですね。
ということで、この5月のゴールデンウィークですが、
日中は、ま夏のような強い陽射しの中でしたが、そのもとで、
お茶摘みあり、みかんの木の根起こし・草刈り・元肥の施肥あり、フキの収穫ありと、
私などは、ヘトヘトにさせられたひと時でした。
この5月の連休の中を、援農に来てくれた二組のご夫婦のおかげで、
一人でショボショボと作業していたんでは、これまではそうだったんですが、
こんかいは、そうしたこれまでとは天と地の違いです。
みかん畑に、人の会話が聞こえるというのは、
それだけで、農夫の苦労と疲れを癒してくれる力があるんです。
しかし、今の農家の現状ですが、
高齢化により、これまでのように耕作が出来なくなってきている。
先祖伝来の耕地を、誰が好き好んで「耕作放棄」なんてするでしょうか。
そうした事態が起きている事情を、親身に真剣に分析した議論が政治世界にあるでしょうか。
それがあったら、是非聞かせてほしいものです。
蹴飛ばすようなことばかりが、最近の国の農業政策です。
しかし、私などは思うんですが、
そうした無茶苦茶な事態にとって、それに対する救いですが、その一つの大事な要素ですが、
それは、この「援農」の手助けだとおもうんです。
これがあるかどうか、これが大きな問題ですね。
口八丁の政治家が、農産物の自由化を強制し、関税は撤廃し、
アメリカからコメを輸入するような事態ですから、
日本国の主権の尊厳はどうなっているのか、そこをはっきり自覚して、
日本人の食料を、食料自給率を、自国で基本的に確保するという、
この世界の当たり前の努力を、日本でもするようにと、
そこを、しっかりする力をつくらなければならないということです。
いいかげんな口八丁に誤魔化されてはならないということです。
しかし時はそんなにないですよ。
いったん壊されてしまった耕地を、再び回復するというのは大変な作業ですよ。
先人が、むかしから代々に守ってきた耕地を、勝手に捨て去るような無責任な現状、
この事態をおさえなければ、日本人の明日はありませんよ。
これが農家の人たちの声なき声、私などはこれがほんとうの声だと思っています。