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カテゴリ:小説
もう少し、この世界に浸っていたかった。
なるべく時間をかけて読んだのだが、とうとう読み終えてしまった。 私の妻は村上春樹について「とても誠実な文章を書く、最も信用できる作家の一人。」と絶賛している。そんな妻の影響もあり、今では私も作家・村上春樹氏の一ファンである。 近頃では時代小説中心の読書になっているため、いい意味で『1Q84』は新鮮であった。そして何よりもプロットの面白さは秀逸であり、ディティール(氏の場合、暗示的な部分)も非常にこだわっている。この小説はラブストーリーであり、思考の旅である。物語全体の印象は薄い膜のようなもので覆われている。・・・大人のおとぎ話である。 『1Q84』を読んでいる間は私自身、見なれた日常が現実なのか曖昧になってしまった。ひょっとしたら、雲の切れた夜空にいつもの見なれた月とそれから少し離れたところに昔ながらの月よりずっと小さく形のいびつな緑色の月が浮かんでいるかもしれない。そう思ったら、気が気でない。最近、月を見上げたことのない人は、確認することをお薦めしよう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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