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カテゴリ:小説
花村萬月という作家も痛かったけど
平山夢明も負けず劣らずとっても痛い。 人間に痛覚というものが存在する限り 内外問わず刺激に対してとても敏感である。 度を越した、例えば、殴る蹴るなどされれば 当然痛いわけだ。 これらのことを踏まえた上でも活字によって 読者に対して痛みを感じさせるには 相当以上の表現力が必要とされるだろう。 この平山夢明の書く小説は正にそれをやってのけているのである。 とっても痛い小説なのだ。 彼との出会いは2006年に発表した 『独白するユニバーサル横メルカトル』。 第59回日本推理作家協会賞短編部門を受賞した この作品の奇妙なタイトルに目が惹かれたのである。 「他人事(ひとごと)」は、 図書館で借りてきた。 こんな田舎の町にも平山夢明を借りる人がいるのだ。 この本、表題作の「他人事」を含め 『倅解体』『仔猫と天然ガス』など全14編からなる 短篇集だ。 小説家の他に映像作家、漫画家と肩書を持つ彼の 独自の視点を思う存分味わいたい方は どうぞ手にとって見てくれ。 但し、それなりの覚悟が必要である。 救いようのない理不尽な暴力。 くどいようだが、とても痛いからです。
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最終更新日
2011年07月14日 07時25分26秒
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